12月11日 火曜日 晴れ
●異形コレクションの新刊『ひとにぎりの異形』を買いに宇都宮にでかけた。ショックだった。Y書店では一冊あったのが売り切れ。S書店はぜんぜん置いてない。なんだか、信じられなかった。
●今年の群像の新年号に友だちの小説がのった。さっそく上記の大型店に買いにいった。置いてなかった。書店の流通がどうなっているのかわからない。あまり売れない本は仕入れない。そんなことを聞いている。群像は結局地元の小さな本屋で買った。
●「売れないときは私が読むことにしています」
返品しないから毎月一冊は入ってくると、その書店主はいっていた。
●俳句を作るには歳時記。随筆には作品社の「日本の名随筆」。小説家を志す者にとっては、異形レクションとわたしは思っている。ああ、それなのに。ショックだった。すべてが、商業主義の原理によって支配されている。よく売れる本がいい本なのだろう。よく読まれる作家がいい作家なのだろうか。
●もちろん、これは宇都宮のひとにも責任がある。読書傾向が偏っているのではないか。それにしても異形が売れないなんてどうしたことだ。
●駅東公園のベンチに座ってひとりさびしく物思いにふけった。銀杏の葉も落ち、人もまばらで、わすれられたような公園のわすれられたようなベンチ。わすれられた作家のわたしが座り、これからどんな小説が売れるのか。そんなことを考えていた。
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