田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

MHZ/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-02-15 08:39:40 | Weblog
6

翔太たち三人なら逃げることができる。

フロアの乱闘にサブロウが目をやった。

隙ができた。

翔太はスタンガンをサブロウにおしつけた。

「ありがとう。

これは内乱だ。

ここで静かに生活したい。

余生を送りたい。

というわれわれ安穏派と。

奈良に攻めのぼりたい。

という新興勢力との戦いなのだ。

そのことをわかってもらいたかった。

ので。

翔太を招待した。

でもこんなことが。

現実におこるとは……」

説明をきくより見たほうがよく。

理解できた。

「きみらは、裏口から逃げてくれ」

液晶モニターの下にぽっかりと穴があいた。

MHZ。まさかの匍匐前進。

ふたりの記者を穴におしこんだ。

フロアにはピアな、RFにされていない人間がいる。

バンドの連中は「帰りたい」

連呼している。 

わめいて暴れている。

まず、安穏派をおそっている。

「帰りたい。

奈良の都に。

帰りたい」

もともと吸血鬼だ。

牙をむき。

鉤爪で人間や同族をおそっている。

この北関東におしこめられたままでいい。

引退したまま……。

年金暮らしをする人間のように。

静かに余生を送りたい。

しかし吸血鬼にとつての余生とは何年あるのだろうか?

翔太は乱闘の渦にとびこんだ。

近くに覚醒連のものはいないのか。

近くにタウンポリスはいないのか。

オリオン通りを守る会のものにこの場所をしらせたい。

むだだとはおもったが指のリングでSOSを発信した。

「こちらキヨミ。

黒髪のキヨミ。

モンスター追ってきた。

ヤッラ消えた」

「立体駐車場のどこかに。

地下への通路がある」

       


one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
    にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説

ああ、快感。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿