奥様はバンパイァ71
○カフテリアのある方角からワット学生が逃げてくる。
あわてふためき、悲鳴を上げて走ってくる。
「どうした」
武がまきこまれないように壁にへばりついた。
玲加はジャンプして欄間に避難する。
「ハエがおそってきたの」
「蝿よ。はえよ。ハエヨ」
走りながらみんなが悲鳴をあげている。
「コウモリは呼べないよな」
「ムリヨ。まだ昼間だもの。呼んでもこないわ。呼んでもオネンネしるわ」
高いところから玲加が声を落とす。
○GGはバラの水やりをすませた。
わたしがいなくてもバラを枯らさないでね。
カミサンに念を押されている。
しばらくぶりでもどったわが家だ。
○バラたちがふいにざわめきだした。
玲加がおそわれている。
Gは直感的に悟った。
バラからのイメージをキャッチした。
携帯をとりだしたが開くのはやめた。
○エマージェンシー・コールがないかぎりなんとかきりぬけるだろう。
Mがいないいま、玲加がこの街の守護キャラだ。
武もそばにいる。
Mのようにたくましくなってもらいたい。
ここは玲加と武にまかせておこう。
○GはPCをひらいた。
Mのいない屋敷はしずまりかえっている。
遠くかすかに、大通りのほうでくるまの輻輳する音がしている。
静かだ。
昼飯はまだたべていない。
ひとりだとなにかやはりものたりない。
あまりにながくMにあまえすぎていたのかもしれない。
はつきりいって、ひとりではなにもできない。
する気がない。ただ小説を書くことは、これは本能だ。
なにがなんでも書きつづけなければならない。
孫の麻耶が第二作を書いている。
○わたしも書く約束をした。
麻耶の「やがて青空」は映画化が決定した。
まだまだ版をかさねている。
医学の勉強と両立させている。
「もう書き終わるよGちゃん。Gもはやくかきあげて」
励まされている。
孫に励まされている。
第二作はふたりで同時出版しょうと……。
孫の麻耶とだきあわせで出版することで、わたしのつたない作品をBCしょうと編集
者はかんがえているのだ。
こんな形で長年の夢が実現していくとは思ってもみなかった。
○Mは50というわたしと生活する期限をつかいきってしまった。
○ふいに、まつたく唐突に空気が動いた。
ざわっと大気が揺らいでいる。
窓ガラスが振動している。
幽かに顫動している。
窓ガラスに手をやる。
音はやむ。だがみよ!!
○真昼の化沼高校からクリーンセンターの方角に妖気がただよっている。
雷雲がわいたようにそらに黒雲が渦巻いている。
イヤ!!! あれは玲加からきかされている蝿の大群だ。
重なりあった無数の蝿の群れが!!!!!!!!!!!!!!!…………玲加と武をおそっている
のだ。
○GはPCをかかえて車庫にかけおりた。
めったにのらないワンボックスカーにとびのった。
あなたのポチが筆者の励みとなります。よろしく。
↓
○カフテリアのある方角からワット学生が逃げてくる。
あわてふためき、悲鳴を上げて走ってくる。
「どうした」
武がまきこまれないように壁にへばりついた。
玲加はジャンプして欄間に避難する。
「ハエがおそってきたの」
「蝿よ。はえよ。ハエヨ」
走りながらみんなが悲鳴をあげている。
「コウモリは呼べないよな」
「ムリヨ。まだ昼間だもの。呼んでもこないわ。呼んでもオネンネしるわ」
高いところから玲加が声を落とす。
○GGはバラの水やりをすませた。
わたしがいなくてもバラを枯らさないでね。
カミサンに念を押されている。
しばらくぶりでもどったわが家だ。
○バラたちがふいにざわめきだした。
玲加がおそわれている。
Gは直感的に悟った。
バラからのイメージをキャッチした。
携帯をとりだしたが開くのはやめた。
○エマージェンシー・コールがないかぎりなんとかきりぬけるだろう。
Mがいないいま、玲加がこの街の守護キャラだ。
武もそばにいる。
Mのようにたくましくなってもらいたい。
ここは玲加と武にまかせておこう。
○GはPCをひらいた。
Mのいない屋敷はしずまりかえっている。
遠くかすかに、大通りのほうでくるまの輻輳する音がしている。
静かだ。
昼飯はまだたべていない。
ひとりだとなにかやはりものたりない。
あまりにながくMにあまえすぎていたのかもしれない。
はつきりいって、ひとりではなにもできない。
する気がない。ただ小説を書くことは、これは本能だ。
なにがなんでも書きつづけなければならない。
孫の麻耶が第二作を書いている。
○わたしも書く約束をした。
麻耶の「やがて青空」は映画化が決定した。
まだまだ版をかさねている。
医学の勉強と両立させている。
「もう書き終わるよGちゃん。Gもはやくかきあげて」
励まされている。
孫に励まされている。
第二作はふたりで同時出版しょうと……。
孫の麻耶とだきあわせで出版することで、わたしのつたない作品をBCしょうと編集
者はかんがえているのだ。
こんな形で長年の夢が実現していくとは思ってもみなかった。
○Mは50というわたしと生活する期限をつかいきってしまった。
○ふいに、まつたく唐突に空気が動いた。
ざわっと大気が揺らいでいる。
窓ガラスが振動している。
幽かに顫動している。
窓ガラスに手をやる。
音はやむ。だがみよ!!
○真昼の化沼高校からクリーンセンターの方角に妖気がただよっている。
雷雲がわいたようにそらに黒雲が渦巻いている。
イヤ!!! あれは玲加からきかされている蝿の大群だ。
重なりあった無数の蝿の群れが!!!!!!!!!!!!!!!…………玲加と武をおそっている
のだ。
○GはPCをかかえて車庫にかけおりた。
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