田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

蠅はえハエpart2/奥様はバンパイァ  麻屋与志夫

2009-11-12 08:14:58 | Weblog
奥様はバンパイァ71

○カフテリアのある方角からワット学生が逃げてくる。

あわてふためき、悲鳴を上げて走ってくる。

「どうした」

武がまきこまれないように壁にへばりついた。

玲加はジャンプして欄間に避難する。

「ハエがおそってきたの」

「蝿よ。はえよ。ハエヨ」

走りながらみんなが悲鳴をあげている。

「コウモリは呼べないよな」

「ムリヨ。まだ昼間だもの。呼んでもこないわ。呼んでもオネンネしるわ」

高いところから玲加が声を落とす。

○GGはバラの水やりをすませた。

わたしがいなくてもバラを枯らさないでね。

カミサンに念を押されている。

しばらくぶりでもどったわが家だ。

○バラたちがふいにざわめきだした。

玲加がおそわれている。

Gは直感的に悟った。

バラからのイメージをキャッチした。

携帯をとりだしたが開くのはやめた。

○エマージェンシー・コールがないかぎりなんとかきりぬけるだろう。

Mがいないいま、玲加がこの街の守護キャラだ。

武もそばにいる。

Mのようにたくましくなってもらいたい。

ここは玲加と武にまかせておこう。

○GはPCをひらいた。

Mのいない屋敷はしずまりかえっている。

遠くかすかに、大通りのほうでくるまの輻輳する音がしている。

静かだ。

昼飯はまだたべていない。

ひとりだとなにかやはりものたりない。

あまりにながくMにあまえすぎていたのかもしれない。

はつきりいって、ひとりではなにもできない。

する気がない。ただ小説を書くことは、これは本能だ。

なにがなんでも書きつづけなければならない。

孫の麻耶が第二作を書いている。

○わたしも書く約束をした。

麻耶の「やがて青空」は映画化が決定した。

まだまだ版をかさねている。

医学の勉強と両立させている。

「もう書き終わるよGちゃん。Gもはやくかきあげて」

励まされている。

孫に励まされている。

第二作はふたりで同時出版しょうと……。

孫の麻耶とだきあわせで出版することで、わたしのつたない作品をBCしょうと編集

者はかんがえているのだ。

こんな形で長年の夢が実現していくとは思ってもみなかった。

○Mは50というわたしと生活する期限をつかいきってしまった。

○ふいに、まつたく唐突に空気が動いた。

ざわっと大気が揺らいでいる。

窓ガラスが振動している。

幽かに顫動している。

窓ガラスに手をやる。

音はやむ。だがみよ!!

○真昼の化沼高校からクリーンセンターの方角に妖気がただよっている。

雷雲がわいたようにそらに黒雲が渦巻いている。

イヤ!!! あれは玲加からきかされている蝿の大群だ。

重なりあった無数の蝿の群れが!!!!!!!!!!!!!!!…………玲加と武をおそっている

のだ。

○GはPCをかかえて車庫にかけおりた。

めったにのらないワンボックスカーにとびのった。



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