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GGの救援にかけつける翔子たちは検問にひっかかった。
APECが横浜でひらかれている。
とくに13、14日は米国大統領、中国国家主席、ロシア大統領が参加する。
警備もひりひりしている。
全国から警官が横浜に集中している。
都内の警備もものものしい。
その交通規制に純の車がひっかった。
「どこへいくんですはか」
「新宿」
純はブアイソに応えた。
さきを急いでいる。GGを迎えに早くいきたい。
「免許書は」
「なにかあったのですか」
アキバ系の翔子があどけなく聞く。
「特別交通規制中。テレビ見ないの」
「ああAPEC……?……の」
「はいごくろうさま。ご協力ありがとう」
かるく敬礼された。
「遅れたわね」
カーナビにGPS探査機能を加えた。
勝則の配慮によるものだった。
GGの所在をあらわす赤のマークが移動している。
「おかしいな。大久保のほうへ移動している」
「なにかあったのかしら」
「それより、見たか。警官猫みたいな爪だった。爪が指先からのびそうだった」
「それって、純、あれってこと」
「そうBVだ。人の中にまぎれて生きられるように進化しているのだ」
「それを隠すために、むかしながらの体をさらして事件を起こしつづけているの」
純は黙ったままだ。
「怖いわ。わたしたちの周りにthem、ヤッラがうじゃうじゃいる。二世もいるにちがいないわ」
「ミイマもだまされていた」
「田舎での生活が長すぎたから。ぼくらは、とっくに気づいていた。教えてあげればよかった」
「そうよね。田舎暮らしが長すぎたのよ。それまでは……千年も冬眠してたのですもの」
現状認識にズレがあってもしかたない。
ミイマに翔子は同情している。
通行人がおかしい。腰のあたりがぎくしゃくしている。
腰のあたりでパンツをはいている学生。もしや……。
スカートをベルト部分で幾重にも折って短く見せている。……おかしい。
舗道を掃除するようなロングスカート。……おかしい。
腰のあたりが、みんなオカシイ。
疑ったらきりがない。怖くなる。
バーチャルな世界が現実に侵攻している。怖い。
「トオル、言わなければこのテツの喉にバラ手裏剣をつきたてるぞ」
「日名子なんて池袋学園のコの名前なんか、きいたこともない」
「その子が、池袋学園の学生だなんてまだいっていない」
GGの言葉にトオルがしまった! という顔をした。
そうだったのか。GGは日名子の事件が気になっているのだ。
やはり吸血鬼がらみとみているのだ。
と麻衣は気づいた。なにかわたしたちのしらないところで胎動している。
目に見えないところでわたしたちに害意の爪をといでいる。
目前の敵よりも、こわい存在だ。
「トオル。助けてくれ。トカサレルのやだよ。たすけてくれよ」
「ルーマニヤの吸血鬼だ。やっらがなにかおかしな動きをみせている。それを探りにきていたのだ」
GGと駆けつけた百子、麻衣は薄闇に潜んでいた。
百人町の紅子の隠れ家をみはっている。
蒼然とした古い屋敷だ。
「わたしが会ってくる」
翔子が来た。
BVとの戦いの中に、日名子の誘拐?
でないかもしれなが。
日名子の問題が介入してきた。
「あのヒトタチといちばん親しいのは、わたしだから」
家の中は静まりかえっていた。
カビ臭い。
そして食べ物の腐った臭い。
誰もいない。
いや、数日は過ぎている。
シンクの洗いかけの野菜類。
腐臭を放っている。
翔子はゾクッとした。
なにか起きている。
なにかが……。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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GGの救援にかけつける翔子たちは検問にひっかかった。
APECが横浜でひらかれている。
とくに13、14日は米国大統領、中国国家主席、ロシア大統領が参加する。
警備もひりひりしている。
全国から警官が横浜に集中している。
都内の警備もものものしい。
その交通規制に純の車がひっかった。
「どこへいくんですはか」
「新宿」
純はブアイソに応えた。
さきを急いでいる。GGを迎えに早くいきたい。
「免許書は」
「なにかあったのですか」
アキバ系の翔子があどけなく聞く。
「特別交通規制中。テレビ見ないの」
「ああAPEC……?……の」
「はいごくろうさま。ご協力ありがとう」
かるく敬礼された。
「遅れたわね」
カーナビにGPS探査機能を加えた。
勝則の配慮によるものだった。
GGの所在をあらわす赤のマークが移動している。
「おかしいな。大久保のほうへ移動している」
「なにかあったのかしら」
「それより、見たか。警官猫みたいな爪だった。爪が指先からのびそうだった」
「それって、純、あれってこと」
「そうBVだ。人の中にまぎれて生きられるように進化しているのだ」
「それを隠すために、むかしながらの体をさらして事件を起こしつづけているの」
純は黙ったままだ。
「怖いわ。わたしたちの周りにthem、ヤッラがうじゃうじゃいる。二世もいるにちがいないわ」
「ミイマもだまされていた」
「田舎での生活が長すぎたから。ぼくらは、とっくに気づいていた。教えてあげればよかった」
「そうよね。田舎暮らしが長すぎたのよ。それまでは……千年も冬眠してたのですもの」
現状認識にズレがあってもしかたない。
ミイマに翔子は同情している。
通行人がおかしい。腰のあたりがぎくしゃくしている。
腰のあたりでパンツをはいている学生。もしや……。
スカートをベルト部分で幾重にも折って短く見せている。……おかしい。
舗道を掃除するようなロングスカート。……おかしい。
腰のあたりが、みんなオカシイ。
疑ったらきりがない。怖くなる。
バーチャルな世界が現実に侵攻している。怖い。
「トオル、言わなければこのテツの喉にバラ手裏剣をつきたてるぞ」
「日名子なんて池袋学園のコの名前なんか、きいたこともない」
「その子が、池袋学園の学生だなんてまだいっていない」
GGの言葉にトオルがしまった! という顔をした。
そうだったのか。GGは日名子の事件が気になっているのだ。
やはり吸血鬼がらみとみているのだ。
と麻衣は気づいた。なにかわたしたちのしらないところで胎動している。
目に見えないところでわたしたちに害意の爪をといでいる。
目前の敵よりも、こわい存在だ。
「トオル。助けてくれ。トカサレルのやだよ。たすけてくれよ」
「ルーマニヤの吸血鬼だ。やっらがなにかおかしな動きをみせている。それを探りにきていたのだ」
GGと駆けつけた百子、麻衣は薄闇に潜んでいた。
百人町の紅子の隠れ家をみはっている。
蒼然とした古い屋敷だ。
「わたしが会ってくる」
翔子が来た。
BVとの戦いの中に、日名子の誘拐?
でないかもしれなが。
日名子の問題が介入してきた。
「あのヒトタチといちばん親しいのは、わたしだから」
家の中は静まりかえっていた。
カビ臭い。
そして食べ物の腐った臭い。
誰もいない。
いや、数日は過ぎている。
シンクの洗いかけの野菜類。
腐臭を放っている。
翔子はゾクッとした。
なにか起きている。
なにかが……。
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