田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

書きつづけなければならない!!夜明けまで 麻屋与志夫

2009-11-07 10:15:53 | Weblog
11月7日 土曜日

●ひさしぶりで新宿にでた。午後も遅い時間だった。若い時だったらこれからゴー

ルデン街で酒場を探して飲むところだ。一緒に飲んだ昔の文学の友の顔がよぎっ

た。懐かしい顔、顔。そして声。ともかくやむおえぬ事情で都落ちしから50年。信

じられますか。信じられませんよね。GGだってどうしてこんなことになってしまっ

たのか、とても信じられません。この世の中には、じぶんの努力だけではなんとも

ならないことがある。そんなことを考えた。

●過日。U市に在住のAさんから電話があった。しばらくぶりで「飲みませんか」

ということだ。もちろんこころよく受諾。いそいそと隣町までバスででかけた。い

や、沿線の風景がかわったこと。飲むほどにAの昔話につきあうことになった。運

勢のいい男だ。就職も結婚もぜんぶ先方から話があり、それもけっこうな話ばか

り。

わたしには人に世話になった経験があまりない。とくに帰省してからは迫害されっ

ぱなし。ひどい話だ。まあそれは別にして、そのとき同席したMさん。わたしが文

芸首都にいたころの知り合い金達二さんの親戚とのことだった。こんな出会いもあ

る。ひとはどこかで。だれかとつながっている。だから運勢がないのは、文学のと

もとの出会いがないのは、田舎にもどってきたからだと思いしらされた。まわり

にブンガクを志すひとが大勢いる東京に住んでいればなぁ……。唯一の救いはパソ

コンだ。電脳空間には地理的なことは無関係だ。

●さて、もとにもどる。カミサンが同伴だ。だいいち予防接種をうけたばかりだ。

飲むどころではないだろう。新宿御苑に入った。バラ園があった。熱烈なバラ愛好

家のカミサンは大喜び。夢中でカシャカシャはじめた。わたしは少し離れてひとり

で歩きだした。このへんは散文芸術の仲間と逍遥したことがあった。青木くんは亡

くなったとのことだ。わたしのよき論敵だった。生きていればすばらしい小説を書

きつづけたろうに。わたしはケンジさんの小説より青木のほうがすきだった。太宰

的な文章のかけるいい才能をしていた。

●カミサンの黒い小柄なシルエットが一瞬影絵のように見えた。わたしはとうに死

んでいるのかもしれない。恐怖とともに回想の世界からカミサンの姿を眺め、そう

思った。

●でも、走り続けければならない。書きつづけなければならない。夜明けまで。

       

       

       

       

       

       pictured by 「猫と亭主とわたし



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