深夜3時。
ラジオの占いコーナーを聞くのがここ30年の日課だ。
仕事にもさしさわるが習慣で聞かないとなんとなく気持ちが悪い。
学生時代のくせが抜けない。
今日のラッキーナンバーは「3」
次の日のテストで「3」を選んだ。
正解だった。
自動販売機でおつりが出ないぴったりの金額を入れてジュースを買う。
買った後、釣り銭の確認をする行動と似ている。
いいことがあるとついついやめられない。
そんな事がきっかけで、今日のラッキーカラーは「青」と言われれば必ず青いものを身につけていった。
今日のラッキーアイテムは「三味線耳(さんみせんみみ)のついた花瓶」
ん・・・
何それ。
そんな聞いたことのないラッキーアイテムを言われたのは初めてだ。
あわててパソコンを立ち上げネットで調べた。
三味線耳とは:
陶磁器につけられた耳の一種。
三味線の棹頭に似た形をしたもの。
鼓筒形の花瓶などに見られる。
仕事は休んで、銀座の茶道具屋さんに行った。
あった。
40万円。
ラッキーのために購入した。
何かラッキーな事は無いか。
用もないのにうろうろと歩きまわった。
人気の無い公園に迷い込んだ。
後ろから男が一人ついてくる。
「すいませーん」
そう言いながら男が近づいてきた。
「はい?」
「三味線耳のついた花瓶を出せ」
ナイフを突きつけながら男が言った。
「・・・・」
恐怖のあまり声も出ない。
「持っていないのなら殺す。理由なんてどうでもいいんだ。そちらが悪いから殺す。三味線耳のついた花瓶をたまたま持っていなかったから殺す。持っていれば殺さない。そういう話に俺自身がしたいだけ。まあ、殺したいだけなんだ」
「あります。あります」
「そうか命拾いしたな。あんたラッキーだったな」
そういって男はナイフをポケットになおし逃げていった。
1週間前・・・
「それではそういう事でおねがいします。もう最近は茶の道具はなかなか買ってもらえないんで、まあ、こういう商売があるってお聞きしたもんで、ぜひ宣伝じゃあ無いですが、うちの茶道具をラッキーアイテムとしてアナウンスしてもらいたいとこういう訳で・・・」
とあるラジオ局の打ち合わせ室。
占いコーナーのディレクターがラッキーアイテムの紹介枠をCMとして売っていた。
今日の深夜3時・・・
ラジオを聞く男。
手にはナイフ。
「なんだこのラッキーアイテムは・・・。ふざけやがって。よし俺がラッキーかどうか試してやろう。何人殺しても同じだ」
男はつぶやいた。
ラジオの占いコーナーを聞くのがここ30年の日課だ。
仕事にもさしさわるが習慣で聞かないとなんとなく気持ちが悪い。
学生時代のくせが抜けない。
今日のラッキーナンバーは「3」
次の日のテストで「3」を選んだ。
正解だった。
自動販売機でおつりが出ないぴったりの金額を入れてジュースを買う。
買った後、釣り銭の確認をする行動と似ている。
いいことがあるとついついやめられない。
そんな事がきっかけで、今日のラッキーカラーは「青」と言われれば必ず青いものを身につけていった。
今日のラッキーアイテムは「三味線耳(さんみせんみみ)のついた花瓶」
ん・・・
何それ。
そんな聞いたことのないラッキーアイテムを言われたのは初めてだ。
あわててパソコンを立ち上げネットで調べた。
三味線耳とは:
陶磁器につけられた耳の一種。
三味線の棹頭に似た形をしたもの。
鼓筒形の花瓶などに見られる。
仕事は休んで、銀座の茶道具屋さんに行った。
あった。
40万円。
ラッキーのために購入した。
何かラッキーな事は無いか。
用もないのにうろうろと歩きまわった。
人気の無い公園に迷い込んだ。
後ろから男が一人ついてくる。
「すいませーん」
そう言いながら男が近づいてきた。
「はい?」
「三味線耳のついた花瓶を出せ」
ナイフを突きつけながら男が言った。
「・・・・」
恐怖のあまり声も出ない。
「持っていないのなら殺す。理由なんてどうでもいいんだ。そちらが悪いから殺す。三味線耳のついた花瓶をたまたま持っていなかったから殺す。持っていれば殺さない。そういう話に俺自身がしたいだけ。まあ、殺したいだけなんだ」
「あります。あります」
「そうか命拾いしたな。あんたラッキーだったな」
そういって男はナイフをポケットになおし逃げていった。
1週間前・・・
「それではそういう事でおねがいします。もう最近は茶の道具はなかなか買ってもらえないんで、まあ、こういう商売があるってお聞きしたもんで、ぜひ宣伝じゃあ無いですが、うちの茶道具をラッキーアイテムとしてアナウンスしてもらいたいとこういう訳で・・・」
とあるラジオ局の打ち合わせ室。
占いコーナーのディレクターがラッキーアイテムの紹介枠をCMとして売っていた。
今日の深夜3時・・・
ラジオを聞く男。
手にはナイフ。
「なんだこのラッキーアイテムは・・・。ふざけやがって。よし俺がラッキーかどうか試してやろう。何人殺しても同じだ」
男はつぶやいた。