こちらを見た。
黒目がちのひとみ。
目が合う。
その後、両手のひらをこちらに見せ、押し戻す仕草をする。
(なんだよおばあちゃん、気持ち悪いんですけど・・・)
信号が変わり、車を発車させた。
出きるだけ前だけを見た。
視界の端には、押し戻す仕草をやめない老婆が見えていた。
背中が真っ赤に見えた。
よく確認は出来なかった。
本日最後の配達先に到着した。
森の中の一軒家。
この雨の中、車外に出るのはイヤだが、仕事なのでしょうがない。
家まであと200mほど小道を徒歩で歩く必要があった。
雨合羽を羽織り歩き出す。
荷物が小さくて助かった。
道は右に大きくカーブしていて家自体は見えない。
フードに雨が激しく当たる。
インターホンを鳴らす。
出ない。
不在だ。
しょうがない、伝票を一枚書いて、荷物を持ち帰ろう。
そう思いながら玄関を見ると灯りがうっすらもれている。
(これ誰かいるんじゃねえ?)
そう思い玄関に近づき、ドアをノックノック。
「ごめんくださーい」
ドアノブを捻った。
ガチャリ
ドアは開いた。
土間は塗れていた。
人の出入りの気配を感じた。
中に入り玄関でもう一度、今度は大きめの声で言った。
「ごめんくださーい」
反応は無い。
雨の音が外から聞こえていた。
廊下の奥をよく見ると、足の指だけが見えた。
白い靴下をはいた親指。
うつ伏せだった。
あわてて靴を脱ぎ、廊下の奥にすすんだ。
「だ、大丈夫ですか」
そこには背中一面が血で真っ赤に染まった老婆が倒れていた。
信号に立っていた老婆。
確認した次の瞬間、背中に痛みを感じた。
「うっ・・・」
何度も何度も。
倒れながら後ろを見た。
そこにはナイフを手にした男がいた。
黒目がちのひとみ。
目が合う。
その後、両手のひらをこちらに見せ、押し戻す仕草をする。
(なんだよおばあちゃん、気持ち悪いんですけど・・・)
信号が変わり、車を発車させた。
出きるだけ前だけを見た。
視界の端には、押し戻す仕草をやめない老婆が見えていた。
背中が真っ赤に見えた。
よく確認は出来なかった。
本日最後の配達先に到着した。
森の中の一軒家。
この雨の中、車外に出るのはイヤだが、仕事なのでしょうがない。
家まであと200mほど小道を徒歩で歩く必要があった。
雨合羽を羽織り歩き出す。
荷物が小さくて助かった。
道は右に大きくカーブしていて家自体は見えない。
フードに雨が激しく当たる。
インターホンを鳴らす。
出ない。
不在だ。
しょうがない、伝票を一枚書いて、荷物を持ち帰ろう。
そう思いながら玄関を見ると灯りがうっすらもれている。
(これ誰かいるんじゃねえ?)
そう思い玄関に近づき、ドアをノックノック。
「ごめんくださーい」
ドアノブを捻った。
ガチャリ
ドアは開いた。
土間は塗れていた。
人の出入りの気配を感じた。
中に入り玄関でもう一度、今度は大きめの声で言った。
「ごめんくださーい」
反応は無い。
雨の音が外から聞こえていた。
廊下の奥をよく見ると、足の指だけが見えた。
白い靴下をはいた親指。
うつ伏せだった。
あわてて靴を脱ぎ、廊下の奥にすすんだ。
「だ、大丈夫ですか」
そこには背中一面が血で真っ赤に染まった老婆が倒れていた。
信号に立っていた老婆。
確認した次の瞬間、背中に痛みを感じた。
「うっ・・・」
何度も何度も。
倒れながら後ろを見た。
そこにはナイフを手にした男がいた。