日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎本日の想像話「ふわりと浮かび、消える」

2014年06月01日 | ◎これまでの「OM君」
熱気球を飛ばすくらいの感覚で宇宙に行けるロケットを開発した。
しかし安全面での不確定要素もあり、何の金銭的見返りも発生しないままプロジェクトは自然消滅した。
光の早さの何百倍ものスピードを出すことの出来るエンジン。
世に出ることのないテクノロジーとなる。
自分としてはもう生存意味が無い。
安全が確立されないだと…
おう、上等だ。
ロケットに深夜、乗り込む。
ただひたすら真っ直ぐに飛んでやろう。
死への片道切符だ。
コールドスリープの機械も積んである。
音もなくフワリと飛んだ銀色の機体。
軽自動車ほどの大きさだ。
このコンパクトさはどうだ。
世の中バカばかりだ。
周囲でもし見ている人がいたとしたら、浮かんだ機体が一瞬で消えたように見えたはずだ。
一瞬。
まさに一瞬で、もう宇宙空間を飛んでいる。
横たわり冬眠に入る。
知的生命体のいる星を発見したら起こしてくれる設定にし、眠りに入った。
さらば地球。
未練がないと言えば嘘になる。
だが、さらば地球。

ぶううううん
頭痛がする。
俺は目覚めた。
ここは…
思い出した。
自分の作った宇宙船の中だ。
100年電池の残量は残り5年を切っていた。
実に95年、宇宙を飛んでいた。
モニターを起動し外の様子を見た。
言葉を失う。
美しく青い星。
地球だ。
何がおこったか。
航海記録を調べる。
真っ直ぐ飛んだはずがそうではなかった。
角度が0.00001度足らなかった。
そのため船は、大きな大きな輪を描いた。
時間をかけ、再び地球に戻ってきてしまった。
仕方がない。
95年無事故の実績を踏まえてもう一度、地球で花を咲かせてみせる。
その決意を胸に降下した。
大陸の形が自分の記憶と違うようなきもするが…
コメント
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