昨夜は飲み過ぎた。
最悪の頭痛と吐き気で目覚める。またやっちまった。
給料が出て気が大きくなっていた。
見慣れた常連さんとバカ騒ぎ。
2軒目までの記憶はある。
その後は定かではない。
「奇跡は信じるか?」
仙人のような風貌のじいさんと話したような話さなかったような…
何かしっかりとしたものを手渡されたような手渡されていないような…。
しかし、手にはその感触があった。
(あのじいさん、なんだったのか…)
テーブルの上には見慣れない金属製のケースがあった。
よろめく足取りでテーブルに近づく。
バイクのマフラーのようなチタン焼けが一面を覆っている。
アタッシュケースというよりも手提げ金庫風の形状。
持ち上げてみると軽い。
まるで何も入っていないような軽さだ。
しかし持ち手には4桁のダイアルがあり、青白くあやしく点滅している。
電源が供給されているのだ。
「奇跡は信じるか?」
あのじいさんと俺は話したのだな。
ケースを見て思う。
何て思わせぶりな台詞だろうか。
4桁の数字の組み合わせ
1から初めて9999まで。
総当たりが不可能な数でもない。
その日から退屈な日常は一変した。
何が入っているのか。
わくわくしながら想像の世界を楽しんだ。
1ヶ月後のある夜。
ピーという電子音と共にロックが解除された。
瞳孔が開くのを感じる。
心拍数が上がる。
震える手で慎重にケースを開けた。
中にはスイッチが一つ。
何という事だ。
金目のものは何もない。
ただの電気をつける様な形状のスイッチが綺麗にケースの中に納められていた。
スイッチの下には文字が刻まれている。
「スイッチを押し、ケースを閉めろ」
スイッチを押す。
何も起こらない。
まあ、世の中そんなものだ。
この1ヶ月、鍵開けゲームを楽しんだ。そう思うようにした。
ケースを閉じる。
次の瞬間、ケースは消えた。
どうやら今夜も飲み過ぎたらしい。
早々に床についた。
その頃、地球の裏側では、人的大災害に繋がる機械的エラーが奇跡的に発見され、世に公表されることなく何万もの人々の命が救われていた。
「奇跡は信じるか?」
仙人のような風貌のじいさんが泥酔してつっぷしている女性と話している。
手にはチタン焼けしたケースがあった。
最悪の頭痛と吐き気で目覚める。またやっちまった。
給料が出て気が大きくなっていた。
見慣れた常連さんとバカ騒ぎ。
2軒目までの記憶はある。
その後は定かではない。
「奇跡は信じるか?」
仙人のような風貌のじいさんと話したような話さなかったような…
何かしっかりとしたものを手渡されたような手渡されていないような…。
しかし、手にはその感触があった。
(あのじいさん、なんだったのか…)
テーブルの上には見慣れない金属製のケースがあった。
よろめく足取りでテーブルに近づく。
バイクのマフラーのようなチタン焼けが一面を覆っている。
アタッシュケースというよりも手提げ金庫風の形状。
持ち上げてみると軽い。
まるで何も入っていないような軽さだ。
しかし持ち手には4桁のダイアルがあり、青白くあやしく点滅している。
電源が供給されているのだ。
「奇跡は信じるか?」
あのじいさんと俺は話したのだな。
ケースを見て思う。
何て思わせぶりな台詞だろうか。
4桁の数字の組み合わせ
1から初めて9999まで。
総当たりが不可能な数でもない。
その日から退屈な日常は一変した。
何が入っているのか。
わくわくしながら想像の世界を楽しんだ。
1ヶ月後のある夜。
ピーという電子音と共にロックが解除された。
瞳孔が開くのを感じる。
心拍数が上がる。
震える手で慎重にケースを開けた。
中にはスイッチが一つ。
何という事だ。
金目のものは何もない。
ただの電気をつける様な形状のスイッチが綺麗にケースの中に納められていた。
スイッチの下には文字が刻まれている。
「スイッチを押し、ケースを閉めろ」
スイッチを押す。
何も起こらない。
まあ、世の中そんなものだ。
この1ヶ月、鍵開けゲームを楽しんだ。そう思うようにした。
ケースを閉じる。
次の瞬間、ケースは消えた。
どうやら今夜も飲み過ぎたらしい。
早々に床についた。
その頃、地球の裏側では、人的大災害に繋がる機械的エラーが奇跡的に発見され、世に公表されることなく何万もの人々の命が救われていた。
「奇跡は信じるか?」
仙人のような風貌のじいさんが泥酔してつっぷしている女性と話している。
手にはチタン焼けしたケースがあった。