日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎本日のお話「ウォーキング・デッドとオリンパス・ミュー」

2016年10月22日 | ◎これまでの「OM君」
大学生の二人、英一と健吾は中庭のベンチに座っていた。
平日午後2時半。
本日の授業は終わり、帰っても特に予定がない二人は中庭にある灰皿のそばのベンチに座った。
缶コーヒーをパカンと開ける。
英一はキャビンと100円ライター、、健吾はマイルドセブンとジッポーをポケットから取り出す。
くしゃくしゃの箱の中の、少し曲がったタバコに火をつけ、二人は深く吸った。

「なあ、英一、ゲームは最近どう?」
「また聞くのねお前」
「ああ、ゲームには興味無いんだけど、話を聞くのが好きなんだ」
健吾はマイルドセブンの煙を吐き出し、コーヒーをうまそうに飲んだ。
「そうだなあ、ウォーキング・デッドの1作目をやったんだ。ゾンビ物なんだけど、ゾンビのことを歩く人ウォーカーって呼ぶんだぜ。そこだけでもう、断然かっこ良くないか?」
「そ、そうやね」
「でね、ウォーカーももちろん恐ろしいんやけど、結局、人間が恐ろしいって作りになってるんよ。主人公が成り行きでその場に居合わせた人間達とチームを組んでサバイバルするん。
基本、疑心暗鬼。その人々をほめたり、助けたりして過ごすんやけど、まあ、身につまされてしんどい。
そんな状況で、外部の人間が物資の略奪に襲ってくるん。
ほんでどうしょうもなくなったところでバーンってウォーカーに襲われる。
ほんで一人減り、二人減りみたいなゲームなん。
でも今、俺、ウォーキング・デッド シーズン2をやってるんやから、はまってるんやろうな」
「そうか…」
「お約束やから聞くけど、健吾のカメラはどんななの?」
「うん。そやねん。最近ミラクルがあったんや」
「ミラクル?」
「そや、ミラクルや。某有名ネット通販を利用してるんやけど、フィルムカメラなんてニッチ中のニッチの商品は0では無いけど、ほとんど出品されないんや。それがダメもとで入力したんや。「オリンパスミュー」って。そしたら、昨日まで無かったのに、出品されてたんや。もう速攻でポチッとしたよ。手元に送られてきて、ほんまにうれしかったよ。まあ、でも次の獲物をネットでさがしてんねんけどな」
「まあ、お互い病気やね」
「そやね」

二人のタバコはフィルターの根本近くまで灰になっていた。
コメント
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