「上昇?コンテナを抱え込んでいたカーゴが上へ上へと上昇し続けているということ」
エリーはミツオのただならぬ剣幕を感じて真剣に考えるようにした。
「どれだけ強力な反重力エンジンでも、重力がなくなってしまう成層圏を突破できないと思う」
「じゃあどういうことなの」
「俺の想像が正しければ、明日、とんでもないことが起きる。俺たちは、島には向かっていない。須田にはめられたのかもしれない」
ミツオは須田から渡された箱を机の上に出した。
「緊急事態だ。荷物を確認する」
エリーもミツオの手元をのぞき込む。百貨店の包装紙が巻かれている。繊細な指先の動きで包装紙を破かないようにきれいに開封する。そっけのない、平べったい箱が現れた。ミツオは箱のふたを持ち上げる。するりと開いた箱の中には手紙が一通ともう一つ箱が入っていた。中身はそれだけだ。ミツオは手紙を手に取る。宛名が筆の手書きで「伊集院 銃朗様」と書かれていた。
「エリー、誰だが知っているか」
「いじゅういん じゅうろう。変わった名前。もしかしてあの伊集院でしょうか」
「心当たりがあるのか」
エリーは自身の記憶を検索する。
エリーはミツオのただならぬ剣幕を感じて真剣に考えるようにした。
「どれだけ強力な反重力エンジンでも、重力がなくなってしまう成層圏を突破できないと思う」
「じゃあどういうことなの」
「俺の想像が正しければ、明日、とんでもないことが起きる。俺たちは、島には向かっていない。須田にはめられたのかもしれない」
ミツオは須田から渡された箱を机の上に出した。
「緊急事態だ。荷物を確認する」
エリーもミツオの手元をのぞき込む。百貨店の包装紙が巻かれている。繊細な指先の動きで包装紙を破かないようにきれいに開封する。そっけのない、平べったい箱が現れた。ミツオは箱のふたを持ち上げる。するりと開いた箱の中には手紙が一通ともう一つ箱が入っていた。中身はそれだけだ。ミツオは手紙を手に取る。宛名が筆の手書きで「伊集院 銃朗様」と書かれていた。
「エリー、誰だが知っているか」
「いじゅういん じゅうろう。変わった名前。もしかしてあの伊集院でしょうか」
「心当たりがあるのか」
エリーは自身の記憶を検索する。
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