日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(519)「象は鼻が長い。」等、計12個の「述語論理」。

2020-02-18 18:42:19 | 象は鼻が長い、述語論理。

― 今回は、長文ですし、「述語論理」を知らない方は、「結論(01)」だけを読んで、「そんなものなのかなぁ」と思って下さい。―
(01)
「結論」から先に言ふと、
① 象は動物である。
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)。
② ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x)}。
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に翻訳でき、
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
⑦ 象も鼻は長い。
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x& ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x& ∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に翻訳できます。
(02)
①{象、#、#}
②{象、机、車}
③{象、兎、馬}
に於いて、
①{象、#、#}
であれば、
① 少なくとも、象は動物である。
然るに、
(03)
②{象、机、車}
③{象、兎、馬}
に於いて、
② であれば、「象以外(机、車)は動物ではなく」、
③ であれば、「象以外(兎、馬)も動物ではある」。
然るに、
(04)
②{象、机、車}であれば、
②  象が動物であり、
③{象、兎、馬}であれば、
③  象も動物である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 象は動物である=象は動物である。
② 象が動物である=象は動物であり、象以外(机、車)は動物でない。
③ 象も動物である=象は動物であり、象以外(兎、馬)も動物である。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(06)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1  (1)∀x{象x⇔動物x}          A
1  (2)∀x{象x→動物x&動物x→象x}   1Df.⇔
1  (3)   象a→動物a&動物a→象a    1UE
1  (4)   象a→動物a           3&E
1  (5)          動物a→象a    3&E
 6 (6)             ~象a    A
  7(7)          動物a       A
1 7(8)              象a    57MPP
167(9)          ~象a&象a    68&I
16 (ア)         ~動物a       79RAA
1  (イ)  ~象a→~動物a          6アCP
1  (ウ)   象a→動物a&~象a→~動物a  4イ&I
1  (エ)∀x{象x→動物x&~象x→~動物x} ウUI
(ⅲ)
1  (1)∀x{象x→動物x&~象x→~動物x} A
1  (2)   象a→動物a&~象a→~動物a} 1UE
1  (3)   象a→動物a           2&E
1  (4)          ~象a→~動物a  2&E
 5 (5)               動物a  A
  6(6)          ~象a       A
1 6(7)              ~動物a  46MPP
156(8)          動物a&~動物a  57&I
15 (9)         ~~象a       68RAA
15 (ア)           象a       9DN
1  (イ)          動物a →象a   5アCP
1  (ウ)    象a→動物a&動物a→象a   イ&I
1  (エ) ∀x{象a→動物a&動物a→象a}  ウUI
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x{象x⇔動物x}
② ∀x{象x→動物x&  動物x→  象x}
③ ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、xは動物である}。
② すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であり、xが動物であるならば、xは象である}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物でない}。 
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
③ すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物でない}。 
といふことは、
② 象が動物である=象は動物であり、象以外(机、車)は動物でない。
といふ、ことである。
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
② 象が動物である。⇔
② ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x}⇔
② すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物でない}。
従って、
(08)(10)により、
(11)
② 象が動物である。⇔
② ∀x{象x⇔動物x}⇔
② ∀x{象x→動物x&  動物x→  象x}⇔
② ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x}⇔
② すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物でない}。
然るに、
(12)
(ⅲ)
1   (1) ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)} A
1   (2)    象a→動物a&~(~象a→~動物a)  1UE
1   (3)    象a→動物a              2&E
1   (4)           ~(~象a→~動物a)  2&E
 5  (5)           ~(~象a& 動物a)  A
  6 (6)             ~象a        A
   7(7)                  動物a   A
  67(8)             ~象a& 動物a   67&I
 567(9)           ~(~象a& 動物a)&
                   (~象a& 動物a)  58&I
 56 (ア)                 ~動物a   79RAA
 5  (イ)             ~象a→~動物a   6アCP
15  (ウ)           ~(~象a→~動物a)
                   (~象a→~動物a)  4イ&I
1   (エ)          ~~(~象a& 動物a)  5ウRAA
1   (オ)             ~象a& 動物a   エDN
1   (カ)          ∃y(~象y& 動物y)  オEI
1   (キ)   象a→動物a&∃y(~象y& 動物y)  3カ&I
1   (ク)∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)} キUI
(ⅳ)
1   (1)∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)} A
1   (2)   象a→動物a&∃y(~象y& 動物y)  1UR
1   (3)   象a→動物a               2&E
1   (4)          ∃y(~象y& 動物y)  2&E
 5  (5)             ~象a& 動物a   A
  6 (6)             ~象a→~動物a   A
 5  (7)             ~象a        5&E
  6 (8)                  動物a   5&E
 56 (9)                 ~動物a   67MPP
 56 (ア)             動物a&~動物a   89&I
 5  (イ)           ~(~象a→~動物a)  6アRAA
1   (ウ)           ~(~象a→~動物a)  45イEE
1   (エ)    象a→動物a&~(~象a→~動物a)  3ウ&I
1   (オ) ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)} エUI
従って、
(12)により、
(13)
(ⅲ)
② ∀x{象x→動物x&  ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)}
に於いて、すなはち、
② すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であるが(xが象でないならばxは動物ではない)といふことはない}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であるが、あるyは(象ではないが、動物である)}。
に於いて、
②=③ ではなく
②⇒③ である。
然るに、
(14)  
③ すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であるが、あるyは(象ではないが、動物である)}。
といふことは、
③ 象も動物である=象は動物であり、象以外(兎、馬)も動物である。
といふ、ことである。
従って、
(05)(13)(14)により、
(15)
③ 象も動物である。⇔
③ ∀x{象x→動物x&  ~(~象x→~動物x)}⇔
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)}⇔
③ すべてのxについて{xが象であるならば、xは動物であるが、あるyは(象ではないが、動物である)}。
従って、
(06)(11)(15)により、
(16)
① 象は動物である。
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)。
② ∀x{象x→動物x&  ~象x→~動物x }。
③ ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
然るに、
(17)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(18)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(18)により、
(19)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(19)により、
(20)
① 私が理事長です。
② 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(20)により、
(21)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(21)により、
(22)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(23)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   象a&兎a                                A
   6  (7)   兎a                                   6&E
   6  (8)      兎a                                6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           47MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  58MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                        9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                         A
1  6  (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)           9&E
1  6  (オ)                    ~鼻ba→~長b            エUE
 2 6  (カ)      ∃y(耳ya&長y)                        ア&E
     キ(キ)         耳ba&長b                         A
 2 6  (ク)                 ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6  (コ)                             耳ba→~鼻ba   ケ&E
     キ(サ)         耳ba                            キ&E
 2 6 キ(シ)                                 ~鼻ba   コサMPP
12 6 キ(ス)                         ~長b            オシMPP
    ウ (セ)             長b                         ウ&E
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
12 6ウ (タ)             長b&~長b                     カキソEE
12 6  (チ)             長b&~長b                     イウタEE
123   (ツ)             長b&~長b                     36チEE
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
12    (ト)∀x~(象x&兎x)                              テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(象a&兎a)                              トUE
12    (ニ)  ~象a∨~兎a                               ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                               ニ交換法則
12    (ネ)   兎a→~象a                               ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
従って、
(23)により、
(24)
(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ノ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論」、すなはち、
(1)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。然るに、
(2)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、長く、すべてのzについて、zがxの耳でないならば、zは長くなく、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ノ)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「推論」、すなはち、
(1)象は、鼻が長い。然るに、
(2)兎には長い耳があるが、耳以外は長くなく、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ノ)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(06)(23)(24)により、
(25)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
に関しては、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
である。
然るに、
(26)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
であるため、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)といふことはない}。
然るに、
(27)
(ⅲ)
1  (1)~∀z(~鼻zx→~長z)  A
1  (2)∃z~(~鼻zx→~長z)  1量化子の関係
 3 (3)  ~(~鼻cx→~長c)  A
  4(4)     鼻cx∨~長c   A
  4(5)    ~鼻cx→~長c   4含意の定義
 34(6)  ~(~鼻cx→~長c)&
         (~鼻cx→~長c)  35&I
 3 (7)   ~(鼻cx∨~長c)  46RAA
 3 (8)    ~鼻cx& 長c   7ド・モルガンの法則
 3 (9) ∃z(~鼻zx& 長z)  8EI
1  (ア) ∃z(~鼻zx& 長z)  239EE
(ⅳ)
1  (1) ∃z(~鼻zx& 長z)  A
 2 (2) ∀z(~鼻zx→~長z)  A
  3(3)    ~鼻cx& 長c   A
 2 (4)    ~鼻cx→~長c   2UE
  3(5)    ~鼻cx       3&E
 23(6)         ~長c   45MPP
  3(7)          長c   3&E
 23(8)      ~長c&長c   67&I
  3(9)~∀z(~鼻zx→~長z)  28RAA
1  (ア)~∀z(~鼻zx→~長z)  139EE
従って、
(27)により、
(28)
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(26)(28)により、
(29)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)といふことはない}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzは(xの鼻ではないが、長い)}。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(30)
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)といふことはない}。
④ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzは(xの鼻ではないが、長い)}。
といふことは、
③ 象は鼻も長い。
といふことである。
従って、
(29)(30)により、
(31)
③ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
といふ「述語論理」に、相当する。
従って、
(25)(31)により、
(32)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
に関しては、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
然るに、
(11)(16)により、
(33)
② 象が動物である。
であれば、
② ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x)}。
である。
従って、
(32)(33)により、
(34)
② 象が動物である。
であれば、
② ∀x{象x→動物x&~象x→~動物x)}。
であるため、
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
に関しては、
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)]}。
でなければ、ならない。
然るに、
(35)
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」は、
④ 象には、長い鼻が有るが、象以外には、長い鼻が無い。
といふ「意味」である。
然るに、
(36)
④ 象には、長い鼻が有るが、象以外には、長い鼻が無い。
といふことは、
④ 象が鼻は長い。
といふことである。
然るに、
(34)により、
(37)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}。
といふ「式」の、
⑤ ~[∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)]
であれば、
(ⅴ)
1 (1)~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)] A
1 (2) ~∃y(鼻yx&長y)∨~∀z(~鼻zx→~長z)  1ド・モルガンの法則
1 (3)  ∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)  2含意の定義
 4(4)  ∃y(鼻yx&長y)                A
14(5)             ~∀z(~鼻zx→~長z)  34MPP
であるものの、(28)により、
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ は、「計算済み」である。
従って、
(37)により、
(38)
1 (1)~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)] A
1 (2) ~∃y(鼻yx&長y)∨~∀z(~鼻zx→~長z)  1ド・モルガンの法則
1 (3)  ∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)  2含意の定義
 4(4)  ∃y(鼻yx&長y)                A
14(5)             ~∀z(~鼻zx→~長z)  34MPP
14(6)              ∃z(~鼻zx& 長z)  は「計算済み」。
1 (7)  ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)  46CP
従って、
(28)(37)(38)により、
(39)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)]}。
といふ「式」は、それぞれ、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(40)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「式」は。
⑤ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くないが、象以外は、鼻が長いとしたら、鼻以外も長い。
然るに、
(41)
⑤ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くないが、象以外は、鼻が長いとしたら、鼻以外も長い。
といふことは、
⑤ 鼻は長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふことであって、
⑤ 鼻は長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふことは、
⑤ 象が鼻が長い。
といふことである。
従って、
(35)(36)(40)(41)により、
(42)
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
に関しては、
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「述語論理」に、「等しい」。
然るに、
(39)により、
(43)
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)]}。
といふ「式」は、
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→ [∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx& 長z)]}。
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(44)
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「式」は、
⑥ 象は、鼻と、鼻以外が長く、象以外の動物は、鼻が長いならば、鼻以外に、長い部分は無い。
といふ「意味」である。
然るに、
(45)
⑥ 象は、鼻と、鼻以外が長く、象以外の動物は、鼻が長いならば、鼻以外に、長い部分は無い。
といふことは、
⑥ 象が鼻も長い。
といふことである。
従って、
(34)(42)~(45)により、
(46)
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
然るに、
(16)により、
(47)
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
であれば、
② ∀x{象x→動物x&  ~象x→~動物x }。
③ ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}。
である。
従って、
(46)(47)により、
(48)
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
⑦ 象も鼻は長い。
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
であれば、
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
に対して、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
でなければ、ならない。
然るに、
(49)
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
といふ「式」は、
⑦ 象には長い鼻があるが、象以外の動物の鼻が長くない、といふわけではない。
といふ「意味」である。
然るに、
(50)
⑦ 象には長い鼻があるが、象以外の動物の鼻が長くない、といふわけではない。
といふことは、
⑦ 象も鼻は長い。
といふことである。
従って、
(49)(50)により、
(51)
⑦ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
然るに、
(52)
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
といふ「式」の、
⑧ ~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)〕]
といふ「式」であれば、
(ⅷ)
1  (1)~[~P→(Q→R)]  A
 2 (2)   P∨(Q→R)   A
 2 (3)  ~P→(Q→R)   2含意の定義
12 (4)~[~P→(Q→R)]&
       [~P→(Q→R)]  13&I
1  (5) ~[P∨(Q→R)]  24RAA
1  (6) ~P&~(Q→R)   5ド・モルガンの法則
1  (7) ~P          6&E
1  (8)    ~(Q→R)   6&E
  9(9)     ~Q∨R    A
  9(ア)      Q→R    9含意の定義
1 9(イ)    ~(Q→R)&
           (Q→R)   8ア&I
1  (ウ)   ~(~Q∨R)   9イRAA
1  (エ)     Q&~R    ウ、ド・モルガンの法則
1  (オ) ~P&(Q&~R)   7エ&I
(ⅸ)
1  (1) ~P&(Q&~R)  A
1  (2) ~P         1&E
1  (3)    (Q&~R)  1&E
 4 (4)     Q→ R   A
1  (5)     Q      3&E
14 (6)        R   45MPP
1  (7)       ~R   3&E
14 (8)     R&~R   67&I
1  (9)   ~(Q→ R)  48RAA
1  (ア) ~P&~(Q→R)  29&I
  イ(イ) ~P→ (Q→R)  A
1  (ウ) ~P         ア&E
1 イ(エ)     (Q→P)  イウMPP
1 イ(オ)    ~(Q→P)&
           (Q→P)  9エ&I
1  (カ)~[~P→(Q→R)] イオRAA
従って、
(52)により、
(53)
⑧ ~[~P→(Q→  R)]
⑨     ~P&(Q&~R)
に於いて、
⑧=⑨ である。
従って、
(52)(53)により、
(54)
⑧ ~[~P→(Q→  R)]
⑨     ~P&(Q&~R)
に於いて、
P=象x
Q=∃y( 鼻yx&長y)
R=∃z(~鼻zx&長z)
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
⑧ ~[~象x→∃y(鼻yx&長y)→  ∃z(~鼻zx&長z)]
⑨     ~象x&∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
⑧=⑨ である。
従って、
(52)(53)(54)により、
(55)
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
といふ「式」は、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&  ~象x& ∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「式」に「等しい」。
然るに、
(28)により、
(56)
もう一度、確認すると、
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(56)により、
(57)
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ であるため、
③ ~~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ であって、それ故、「二重否定(DN)」により、
③  ∀z(~鼻zx→~長z)
④ ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(55)(56)(57)により、
(58)
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&  ~象x& ∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「式」は、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&  ~象x& ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「式」に、「等しい」。
然るに、
(59)
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑧    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&~象a&∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}。
といふ「式」は、
⑧ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くないが、象以外にも、鼻は長く、鼻以外は長くない鼻が在る。
といふ「意味」である
然るに、
(60)
⑧ 象は、鼻は長く、鼻以外は長くないが、象以外にも、長くて、鼻以外は長くない鼻が在る。
といふことは、
⑧ 象も鼻が長い。
といふことである。
従って、
(58)(59)(60)により、
(61)
⑧ 象も鼻が長い。
といふ「日本語」は、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
cf.
⑧ ~[~P→(Q→  R)]
⑧     ~P&(Q&~R)
然るに、
(48)により、
(62)
もう一度、確認すると、
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
であれば、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~[~象x→〔∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)〕]}。
でなければ、ならない。
従って、
(61)(62)により、
(63)
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
であれば、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
でなければ、ならない。
然るに、
(28)により、
(64)
もう一度、確認すると、
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④   ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である
従って、
(54)(63)(64)により、
(65)
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
であれば、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
でなければ、ならない。
然るに、
(66)
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「式」は、
⑨ 象は、鼻は長く、鼻以外も長いが、象以外にも、長くて、鼻以外も長い鼻が在る。
といふ「意味」である。
然るに、
(67)
⑨ 象は、鼻は長く、鼻以外も長いが、象以外にも、長くて、鼻以外も長い鼻が在る。
といふことは、
⑨ 象も鼻も長い。
といふことである。
従って、
(66)(67)により、
(68)
⑨ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」は、
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
従って、
(32)(46)(51)(61)(68)により、
(69)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
⑦ 象も鼻は長い。
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x→[∃y(鼻yx&長y)→~∃z(~鼻zx&長z)]}。
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x& ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x& ∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に翻訳できる。
然るに、
(70)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた述語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかもたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
従って、
(71)
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
④ 象が鼻は長い。
⑤ 象が鼻が長い。
⑥ 象が鼻も長い。
⑦ 象も鼻は長い。
⑧ 象も鼻が長い。
⑨ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」を、「述語論理」に翻訳できるようになるためには、「練習」を積む必要があるし、例へば、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
の場合は、初学者であれば、「読む」だけであっても、「なかなか、大変である」。
従って、
(72)
例へば、
⑧ 象も鼻が長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑨ 象も鼻も長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理式」が、「日本語」の先生方々に、受け入れられることは、恐らくは、絶対に、無い。