(01)
(ⅰ)~(A&B)⇔ ~A∨~B
(ⅱ)~(A∨B)⇔ ~A&~B
といふ「等式」を「ド・モルガンの法則」といふ。
従って、
(02)
① ~(A&B)
② ~A∨~B
に於いて、
①=② であって、
③ ~(A∨B)
④ ~A&~B
に於いて、
③=④ であり、これらの「等式」を、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(03)
① ~(A&B)
② ~A∨~B
といふ「論理式」は、順番に、
①(Aが本当であって、その上、Bも本当である)といふことはない。
②(AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである)。
といふ「意味」である。
然るに、
(04)
①(Aが本当であって、その上、Bも本当である)といふことはない。
といふことは、
②(AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである)。
といふことであって、
②(AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである)。
といふことは、
①(Aが本当であって、その上、Bも本当である)といふことはない。
といふ、ことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~(A&B)=(Aが本当であって、その上、Bも本当である)といふことはない。
② ~A∨~B =(AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである)。
に於いて、
①=② である。
(06)
③ ~(A∨B)
④ ~A&~B
といふ「論理式」は、順番に、
③(AとBの、少なくとも一方は、本当である)といふことはない。
④(AとBは、両方とも、ウソである)。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
③(AとBの、少なくとも一方は、本当である)といふことはない。
といふことは、
④(AとBは、両方とも、ウソである)。
といふことであり、
④(AとBは、両方とも、ウソである)。
といふことは、
③(AとBの、少なくとも一方は、本当である)といふことはない。
といふことである。
従って、
(06)(07)により、
(08)
③ ~(A∨B)=(AとBの、少なくとも一方は、本当である)といふことはない。
④ ~A&~B =(AとBは、両方とも、ウソである)。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
①(Aが本当であって、その上、Bも本当である)といふことはない。
②(AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである)。
③(AとBの、少なくとも一方は、本当である)といふことはない。
④(AとBは、両方とも、ウソである)。
に於いて、
①=② であり、
③=④ である。
といふことを「理解できる」のであれば、その人は、すでに、
(ⅰ)~(A&B)⇔ ~A∨~B
(ⅱ)~(A∨B)⇔ ~A&~B
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」を、理解してゐる。
といふ、ことになる。
然るに、
(10)
① ~(A&B)
② ~A∨~B
③ ~(A∨B)
④ ~A&~B
に於いて、
B=~B
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① ~(A&~B)
② ~A∨~~B
③ ~(A∨~B)
④ ~A&~~B
然るに、
(11)
「二重否定律(DN)」により、
① ~(A&~B)
② ~A∨ B
③ ~(A∨~B)
④ ~A& B
然るに、
(12)
① ~(A&~B)は、
①(Aが本当であって、その上、Bもウソである)といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
①(Aが本当であって、その上、Bもウソである)といふことはない。
といふ「言ひ方」を、
②(AとBの内の、少なくとも一方は、・・である)。
といふ風に、表現することは、出来ない。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① ~(A&~B)
② ~A∨ B
に於いて、
①=② である。
といふことを、「言葉」で説明するのは「難しい」。
然るに、
(15)
(ⅰ)
1 (1) ~( A& ~B) A
2 (2) ~(~A∨~~B) A
3 (3) ~A A
3 (4) ~A∨~~B 3∨I
23 (5) ~(~A∨~~B)&
23 (6) (~A∨~~B) 24&I
2 (7) ~~A 3RAA
2 (8) A 7DN
9(9) ~~B A
9(ア) ~A∨~~B 9∨I
2 9(イ) ~(~A∨~~B)&
(~A∨~~B) 2ア&I
2 (ウ) ~~~B 9イRAA
2 (エ) ~B ウDN
2 (オ) A& ~B 8エ&I
12 (カ) ~( A& ~B)&
( A& ~B)
1 (キ)~~(~A∨~~B) 2カRAA
1 (ク) ~A∨~~B キDN
(ⅱ)
1 (1) ~A∨~~B A
2 (2) A& ~B A
3 (3) ~A A
2 (4) A 2&E
23 (5) ~A&A 34&I
3 (6)~(A& ~B) 25RAA
7(7) ~~B A
2 (8) ~B 2&E
2 7(9) ~~B&~B 78&I
7(ア)~(A& ~B) 29RAA
1 (イ)~(A& ~B) 1367ア∨E
(ⅲ)
1 (1)~(A∨~B) A
2 (2) A A
2 (3) A∨~B 2∨I
12 (4)~(A∨~B)&
(A∨~B) 13&I
1 (5) ~A 24RAA
6(6) ~B A
6(7) A∨~B 6∨I
1 6(8)~(A∨~B)&
(A∨~B) 16&I
1 (9) ~~B 68RAA
1 (ア)~A&~~B 59&I
(ⅳ)
1 (1) ~A&~~B A
2 (2) A∨ ~B A
1 (3) ~A 1&E
4 (4) A A
1 4 (5) ~A&A 34&I
4 (6)~(~A&~~B) 15RAA
5(7) ~B A
1 (8) ~~B 1&E
1 5(9) ~B&~~B 78&I
5(ア)~(~A&~~B) 19RAA
2 (イ)~(~A&~~B) 2467ア∨E
12 (ウ) (~A&~~B)&
~(~A&~~B) 1イ&I
1 (エ) ~(A∨ ~B) 2ウRAA
従って、
(15)により、
(16)
① ~(A& ~B)
② ~A∨~~B
③ ~(A∨ ~B)
④ ~A&~~B
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(16)により、
(17)
「二重否定律(DN)」により、
① ~(A&~B)
② ~A∨ B
③ ~(A∨~B)
④ ~A& B
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
(01)(17)により、
(ⅰ)~(A& B)⇔ ~A∨~B
(ⅱ)~(A∨ B)⇔ ~A&~B
(ⅲ)~(A&~B)⇔ ~A∨ B
(ⅳ)~(A∨~B)⇔ ~A& B
といふ「等式」等を「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(18)
「今日(令和02年02月23日)」の「最初の記事(この記事は3番目)」でも「証明」した、
(ⅴ)~(A& B∨C)⇔ ~A∨~B&~C
(ⅵ)~(A∨ B&C)⇔ ~A&~B∨~C
(ⅶ)~(A&~B∨C)⇔ ~A∨ B&~C
(ⅷ)~(A∨~B&C)⇔ ~A& B∨~C
といふ「等式」等も、「ド・モルガンの法則」といふ、はずである。
(01)
① 君子於其所不知、蓋蓋闕如也=
① 君子於二其所一レ不レ知、蓋闕如也=
① 君子於[其所〔不(知)〕]、蓋闕如也⇒
① 君子於[其〔(知)不〕所]、蓋闕如也=
① 君子は[其の〔(知ら)不る〕所に]於いて、蓋し闕如す。
然るに、
(02)
君子於其所不知、蓋蓋闕如也。
君子は自分のわからないことではだまっているものだ。
(金谷治 訳注、論語、1963年、249頁)
然るに、
(03)
其 そノ そレ
[指示形容詞]《人・物・事などを指し、単数・複数のどちらをも指す》
① 連体修飾格
(ⅱ)〈人を指し、主語と一致する場合〉「自分の」
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、75頁)
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 君子於[其所〔不(知)〕]、蓋闕如也⇒
① 君子於[其〔(知)不〕所]、蓋闕如也=
① 君子は[其の〔(知ら)不る〕所に]於いて、蓋し闕如す。
に於いて、
① 其の=自分の
である。
然るに、
(05)
② 君子不以其所以養人者害人=
② 君子不乙以下其所二以 養一レ人者上害甲レ人=
② 君子不{以[其所-以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
② 君子{[其〔(人)養〕所-以者]以(人)害}不=
② 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所-以の者を]以て(人を)害せ}ず。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 君子不{以[其所-以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
② 君子{[其〔(人)養〕所-以者]以(人)害}不=
② 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所-以の者を]以て(人を)害せ}ず。
に於いても、
② 其の=自分の
である。
然るに、
(07)
君子不以其所以養人者害人
君子は人間が生きてゆく手段である土地が惜しさに争って、大切な人間そのものを犠牲にはしないものだ。
(小林勝人 訳注、孟子 上、1968年、104頁)
従って、
(07)により、
(08)
② 所以養人者=
② 人間が生きてゆく手段=
② 土地
である。
然るに、
(09)
滕文公問曰、滕小國也、竭力以事大國、則不得免焉、如之何則可、孟子對曰、昔者大王居邠、狄人侵之、事之以皮幣、不得免焉、事之以犬馬、不得免焉、事之以珠玉、不得免焉、乃屬其耆老而告之曰、狄人之所欲者、吾土地也、吾聞之也、君子不以其所以養人者害人、
滕文の公問ひて曰く、滕は小國なり、力を竭して以て大國に事うるとも、則ち免るるを得じ。如之何にせば則ち可ならん、孟子對へて曰く、昔者大王邠に居りしとき、狄人之を侵せり。之に事うる皮幣を以てするも、免かるるを得ず。之に事うるに犬馬を以てするも、免かるるを得ず。之に事うる珠玉を以てするも、免かるるを得ず。乃ち其の耆老を屬めて之に告げて曰く、狄人の欲する所の者は、吾が土地なり、吾之を聞く、君子は其の人を養ふ所以の者を以て人を害せず(小林勝人 訳注、孟子 上、1968年、104頁改)。
従って、
(09)により、
(10)
② 君子不以其所以養人者害人。
に於いて、
② 人=王の人民
である。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
② 君子不以其所以養人者害人=
② 君子不乙以下其所二以 養一レ人者上害甲レ人=
② 君子不{以[其所-以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
② 君子{[其〔(人)養〕所-以者]以(人)害}不=
② 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所-以の者を]以て(人を)害せ}ず。
といふ「漢文・訓読」は、突き詰めて言へば、
② 君子は、自分の土地で、自分の人民を害さない。
といふ「意味」になる。
然るに、
(12)
② 君子は、自分の土地で、自分の人民を害さない。⇔
② ∀x{君子x→∃y∃z(人yx&地zx&~害zy)}⇔
② すべてのxについて、xが君子であるならば、あるyとあるzについて、yはxの人民であり、zはxの土地であり、zはyを害さない。
従って、
(11)(12)により、
(13)
② 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文」は、
② ∀x{君子x→∃y∃z(人yx&地zx&~害zy)}
といふ風に、訳すことが、出来る。
然るに、
(14)
(ⅱ)
1 (1)∀x{君子x→∃y∃z(人yx&地zx&~害zy)} A
1 (2) 君子a→∃y∃z(人ya&地za&~害zy) 1UE
3 (3) ∀y∀z[(人ya&地za)→害zy] A
3 (4) ∀z[(人ba&地za)→害zb] 3UE
3 (5) (人ba&地ca)→害cb 4UE
3 (6) ~(人ba&地ca)∨害cb 5含意の定義
7 (7) ~(人ba&地ca) A
7 (8) ~人ba∨~地ca 7ド・モルガンの法則
7 (9) ~人ba∨~地ca∨ 害cb 8∨I
ア(ア) 害cb A
ア(イ) ~人ba∨~地ca∨ 害cb ア∨I
3 (ウ) ~人ba∨~地ca∨ 害cb 679アイ∨E
3 (エ) ~(人ba&地ca&~害cb) ウ、ド・モルガンの法則
3 (オ) ∀z~(人ba&地za&~害zb) エUI
3 (カ) ~∃z(人ba&地za&~害zb) オ量化子の関係
3 (キ) ∀y~∃z(人ba&地za&~害zb) カUI
3 (ク) ~∃y∃z(人ya&地za&~害zy) キ量化子の関係
13 (ケ) ~君子a 2クMTT
1 (コ) ∀y∀z[(人ya&地za)→害zy]→~君子a 3ケCP
1 (サ)∀x{∀y∀z[(人yx&地zx)→害zy]→~君子x} コUI
(ⅲ)
1 (1)∀x{∀y∀z[(人yx&地zx)→害zy]→~君子x} A
1 (2) ∀y∀z[(人ya&地za)→害zy]→~君子a 1UE
3 (3) 君子a A
3 (4) ~~君子a 3DN
13 (5) ~∀y∀z[(人ya&地za)→害zy] 24MTT
13 (6) ∃y~∀z[(人ya&地za)→害zy] 5量化子の関係
13 (7) ∃y∃z~[(人ya&地za)→害zy] 6量化子の関係
8 (8) ∃z~[(人ba&地za)→害zb] A
9(9) ~[(人ba&地ca)→害cb] A
9(ア) ~[~(人ba&地ca)∨害cb] 9含意の定義
9(イ) (人ba&地ca)&~害cb ア、ド・モルガンの法則
9(ウ) 人ba&地ca&~害cb イ結合法則
9(エ) ∃z(人ba&地ca&~害cb) ウEI
8 (オ) ∃z(人ba&地ca&~害cb) 89エEE
8 (カ) ∃y∃z(人ba&地ca&~害cb) オEI
13 (キ) ∃y∃z(人ba&地ca&~害cb) 78カEE
1 (ク) 君子a→∃y∃z(人ya&地za&~害zy) 3キCP
1 (ケ)∀x{君子x→∃y∃z(人yx&地zx&~害zy)} クUI
従って、
(14)により、
(15)
② ∀x{君子x→∃y∃z(人yx&地zx&~害zy)}⇔
② すべてのxについて、xが君子であるならば、あるyとあるzについて、yはxの人民であり、zはxの土地であり、zはyを害さない。
の「対偶(Contraposition)」は、
③ ∀x{∀y∀z[(人yx&地zx)→害zy]→~君子x}⇔
③ すべての、xとyとzについて、yがxの人民であって、zがxの土地ならば、zがyを害するならば、xは君子でない。
である。
然るに、
(16)
③ ∀x{∀y∀z[(人yx&地zx)→害zy]→~君子x}⇔
③ すべての、xとyとzについて、yがxの人民であって、zがxの土地ならば、zがyを害するならば、xは君子でない。
といふことは、
③ 自分の土地が、自分の人民を害するならば、君子ではない。
といふことである。
然るに、
(17)
③ 自分の土地が、自分の人民を害するならば、君子ではない。
であるならば、
③ 如其地害其人則非君子=
③ 如其地害(其人)則非(君子)⇒
③ 如其地(其人)害則(君子)非=
③ 如し其の地(其の人を)害さ則ち(君子に)非ず。
といふ風に、書くことが出来る。
従って、
(08)(10)(17)により、
(18)
② 君子不以其所以養人者害人。
③ 如其所以人者害人則非君子。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
(19)
先ほどの、「ド・モルガンの法則」に関する「記事(令和02年02月23日)」は、
② 君子不以其所以養人者害人。
といふ「漢文」を「述語論理」に翻訳してゐる際に、
(ⅰ)~(P&Q∨R)⇔ ~P∨~Q&~R
(ⅱ)~(P∨Q&R)⇔ ~P&~Q∨~R
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」が、成立する。
といふことを、ネットで確認しようとしても、「確認できなかった」ので、「自分で証明」したものです。
(20)
あるいは、探し方が悪いのかもしれませんが、「連言(∩)と選言(∪)」が混在する場合の「ド・モルガンの法則」に関する「説明」は、少なくとも、「グーグルの1ページと2ページ」では、見付けることが出来ません。
(01)
(a)
1 (1) ~( P& Q) A
2 (2) ~(~P∨~Q) A
3 (3) ~P A
3 (4) ~P∨~Q 3∨I
23 (5) ~(~P∨~Q)&
23 (6) (~P∨~Q) 24&I
2 (7) ~~P 3RAA
2 (8) P 7DN
9(9) ~Q A
9(ア) ~P∨~Q 9∨I
2 9(イ) ~(~P∨~Q)&
(~P∨~Q) 2ア&I
2 (ウ) ~~Q 9イRAA
2 (エ) Q ウDN
2 (オ) P& Q 8エ&I
12 (カ) ~( P& Q)&
( P& Q)
1 (キ)~~(~P∨~Q) 2カRAA
1 (ク) ~P∨~Q キDN
(b)
1 (1) ~P∨~Q A
2 (2) P& Q A
3 (3) ~P A
2 (4) P 2&E
23 (5) ~P&P 34&I
3 (6)~(P& Q) 25RAA
7(7) ~Q A
2 (8) Q 2&E
2 7(9) ~Q&Q 78&I
7(ア)~(P& Q) 29RAA
1 (イ)~(P& Q) 1367ア∨E
cf.
12 (ウ) (P& Q)&
~(P& Q) 2イ&I
2 (エ)~(~P∨~Q) 1ウRAA
(c)
1 (1)~(P∨Q) A
2 (2) P A
2 (3) P∨Q 2∨I
12 (4)~(P∨Q)&
(P∨Q) 13&I
1 (5) ~P 24RAA
6(6) Q A
6(7) P∨Q 6∨I
1 6(8)~(P∨Q)&
(P∨Q) 16&I
1 (9) ~Q 68RAA
1 (ア)~P&~Q 59&I
(d)
1 (1) ~P&~Q A
2 (2) P∨ Q A
1 (3) ~P 1&E
4 (4) P A
1 4 (5) ~P& P 34&I
4 (6)~(~P&~Q) 15RAA
7(7) Q A
1 (8) ~Q 1&E
1 7(9) Q&~Q 78&I
7(ア)~(~P&~Q) 19RAA
2 (イ)~(~P&~Q) 2467ア∨E
12 (ウ) (~P&~Q)&
~(~P&~Q) 1イ&I
1 (エ) ~(P∨ Q) 2ウRAA
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)~(P&Q)⇔ ~P∨~Q
(ⅱ)~(P∨Q)⇔ ~P&~Q
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」が、成立する。
従って、
(02)により、
(03)
「二重否定律(DN)」により、
(ⅰ)~(~P&~Q)⇔ ~~P∨~~Q ⇔ P∨Q
(ⅱ)~(~P∨~Q)⇔ ~~P&~~Q ⇔ P&Q
といふ「等式」と、
(ⅰ)~(~P& Q)⇔ ~~P∨ ~Q ⇔ P∨~Q
(ⅱ)~(~P∨ Q)⇔ ~~P& ~Q ⇔ P& Q
といふ「等式」と、
(ⅰ)~( P&~Q)⇔ ~P∨~~Q ⇔ ~P∨Q
(ⅱ)~( P∨~Q)⇔ ~P&~~Q ⇔ ~P&Q
といふ「等式」が成立し、これはすべて、「ド・モルガンの法則」である。
然るに、
(02)により、
(04)
(ⅰ)~(P&Q)⇔ ~P∨~Q
に於いて、
Q=Q∨R
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
(ⅰ)~(P&Q∨R)⇔ ~P∨~(Q∨R)
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1 (1)~P∨~(Q∨R) A
2 (2)~P A
2 (3)~P∨~Q&~R 2∨I
4(4) ~(Q∨R) A
4(5) ~Q&~R 4ド・モルガンの法則
4(6)~P∨~Q&~R 5∨I
1 (7)~P∨~Q&~R 12346∨E
(ⅲ)
1 (1)~P∨ ~Q&~R A
1 (2)~P∨(~Q&~R) 1結合法則
3 (3)~P A
3 (4)~P∨~(Q∨R) 3∨I
5(5) ~Q&~R A
5(6) ~(Q∨R) 5ド・モルガンの法則
5(7)~P∨~(Q∨R) 6∨I
1 (8)~P∨~(Q∨R) 23457∨E
従って、
(05)により、
(06)
(ⅱ)~P∨~(Q∨R)
(ⅲ)~P∨~Q&~R
に於いて、
(ⅱ)=(ⅲ) である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
(ⅱ)~P∨~(Q∨R)⇔ ~P∨~Q&~R
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(04)(07)により、
(08)
(ⅰ) ~(P&Q∨R)⇔ ~P∨~(Q∨R)
(ⅱ)~P∨~(Q∨R)⇔ ~P∨~Q&~R
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)~(P&Q∨R)⇔ ~P∨~Q&~R
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(02)により、
(10)
(ⅱ)~(P∨Q)⇔ ~P&~Q
に於いて、
Q=Q&R
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
(ⅱ)~(P∨Q&R)⇔ ~P&~(Q&R)
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」が、成立する。
然るに、
(11)
(ⅱ)
1(1)~P&~(Q&R) A
1(2)~P 1&E
1(3) ~(Q&R) 1&E
1(4) ~Q∨~R 3ド・モルガンの法則
1(5)~P&~Q∨~R 24&I
(ⅲ)
1(1)~P& ~Q∨~R A
1(2)~P&(~Q∨~R) 1結合法則
1(3)~P 2&E
1(4) (~Q∨~R) 2&E
1(5) ~(Q&R) 4ド・モルガンの法則
1(6)~P&~(Q&R) 35&I
従って、
(11)により、
(12)
(ⅲ)~P&~(Q&R)⇔ ~P&~Q∨~R
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」が、成立する。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
(ⅱ)~(P∨Q&R) ⇔ ~P&~(Q&R)
(ⅲ)~P&~(Q&R)⇔ ~P&~Q∨~R
従って、
(13)により、
(ⅱ)~(P∨Q&R) ⇔ ~P&~Q∨~R
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(09)(13)により、
(14)
(ⅰ)~(P&Q∨R)⇔ ~P∨~Q&~R
(ⅱ)~(P∨Q&R)⇔ ~P&~Q∨~R
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(14)により、
(15)
「二重否定律(DN)」により、例へば、
(ⅰ)~(P&~Q∨R)⇔ ~P∨~~Q&~R ⇔ ~P∨Q&~R
(ⅱ)~(P∨~Q&R)⇔ ~P&~~Q∨~R ⇔ ~P&Q∨~R
といふ「等式」、すなはち、
(ⅰ)~(P&~Q∨R)⇔ ~P∨Q&~R
(ⅱ)~(P∨~Q&R)⇔ ~P&Q∨~R
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)により、
(16)
誰かがその気になれば、「数学的帰納法」により、「可算個の命題と、可算個の&・∨」に於いて、
(ⅰ)~(P&~Q∨R・・・・・)⇔ ~P∨Q&~R・・・・・・
(ⅱ)~(P∨~Q&R・・・・・)⇔ ~P&Q∨~R・・・・・・
といふ「等式」を、「証明」出来る。
然るに、
(17)
―ドモルガンの法則の解説 | 高校数学の美しい物語―
ドモルガンの法則の日本語による解説
ドモルガンの法則を日本語で表現すると以下のようになります。
1:「A または B」でない,という状況は
「A でない」かつ「B でない」という状況と同じ
2:「A かつ B」でない,という状況は
「A でない」または「B でない」という状況と同じ
多くの人はよく分からないと思いますが,この日本語を見ただけで納得できる人にとってはこの説明のみで十分でしょう。
メリット
・日本語にただなおすだけで集合の等式が理解できる。理解できると面白い。
デメリット
・みんなが納得できる説明ではない(数学的に厳密でない)。
然るに、
(18)
①「Aが本当であって、尚且つ、Bも本当である。」といふことはない。
といふことは、
②「AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである。」
といふことである。
然るに、
(19)
① ~(A&B)⇔「Aが本当であって、尚且つ、Bも本当である。」といふことはない。
② ~A∨~B ⇔「AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである。」
従って、
(18)(19)により、
(20)
①「Aが本当であって、尚且つ、Bも本当である。」といふことはない。
といふことは、
②「AとBの内の、少なくとも一方は、ウソである。」
といふことである。
といふ「日本語」を、「理解できる」のであれば、その人は、すでに、
① ~(A&B)⇔ ~A∨~B
といふ「ド・モルガンの法則」を、「日本語で、理解」してゐる。
然るに、
(21)
―ドモルガンの法則の解説 | 高校数学の美しい物語―
ドモルガンの法則のベン図による解説
ドモルガンの法則
ドモルガンの法則はベン図を書けば簡単に理解できます。
メリット
ベン図を書けば誰もが納得できる,分かりやすい。基本的には困ったらベン図を書くべし。
集合が3つ以下ならどんな集合の等式もベン図で証明できる。
デメリット
・集合が4つ以上だと通用しない。
然るに、
(22)
「ベン図」の場合、
・集合が4つ以上だと通用しない。
といふのであれば、
・集合が無限個だと通用しない。
従って、
(23)
誰かがその気になれば、「数学的帰納法」により、「可算個の命題と、可算個の&・∨」に於いて、
(ⅰ)~(P&~Q∨R・・・・・)⇔ ~P∨Q&~R・・・・・・
(ⅱ)~(P∨~Q&R・・・・・)⇔ ~P&Q∨~R・・・・・・
といふ「等式」を、「証明」出来るとしても、「ベン図」を用ひる限り、「証明」は出来ない。
従って、
(01)~(23)により、
(24)
ドモルガンの法則はベン図を書けば簡単に理解できます。
とは言ふものの、
「ド・モルガンの法則」を「理解」する際に、「ベン図」を用ひることは、好ましいとは、言へない、はずである。
因みに、
(24)
「&、∨」に対して、
「∩、∪」の場合は、「どっちが、積で、どっちが、和なのか」が、分かりにくいし、
「∧、∨」の場合も、「どっちが、積で、どっちが、和なのか」が、分かりにくい。
然るに、
(25)
「∨el」は「OR(ラテン語)」なので、
「&、∨」と書けば、「AND、OR」で迷うことはないし、そのため、私は、
「∧、∨」といふ「記号」を、使はない。