地球交響曲(ガイアシンフォニー)第六番の上映会に行った。
龍村仁監督のこのガイアシンフォニーは全て自主上映によって上映されている。
この最新作第六番の上映は広島では今日が初上映だった。
今回の作品のテーマは「虚空の音を聴く」。
全ての物質はその中に宇宙のビッグバンの記憶を持っているという。
私たちは第三の耳でその記憶の音=「虚空の音」を聴く。
「音」がテーマということで、これは是非観たいと以前から思っていた。
出演はインド音楽の巨匠でシタール奏者のラビ・シャンカール、光の音を紡ぎ出すというピアニストのケリー・ヨスト、クジラの唄を世界に初めて発表した海洋生物学者ロジャー・ペイン、 そして弓によって音を奏でる奈良裕之(ならゆうじ)、ディジュリドゥ奏者KNOB(ノブ)、コアガラスの笛を吹く雲龍(うんりゅう)、打楽器奏者長屋和哉(ながやかずや)。
ここには詳しく書けないけれど、是非是非、機会があったらここを読んでくれた全ての人に観て欲しい。
地球は音楽で満ちあふれている。そして宇宙も。
私はこの映画を観て、自分が音楽に携われて本当に幸せだと思ったし、やっぱり生涯、この道で生きていきたいと思った。
帰りにケリー・ヨストがこれまでに自費出版した4枚のCDのうちのCDを2枚買った。
今までに一度も聴いたことのないピアノの響きだった。
自分が目指すピアノの音の響きがここにある気がした。
人は美しいものに触れると、魂が美しくなるという。
ここに登場したミュージシャンたちは全て、本当に魂が清らかで美しい人ばかりだった。
87歳になるラビ・シャンカールが最後に話した言葉が印象的だった。
「私は今も、まちがいなく生徒です。私に言えるのはそれだけです。」
身の引き締まる思いだ。
お友達でピアノの先生のT子さんの家に遊びに行った。
6月にとあるイベントで一緒に演奏をすることになったので、その練習。
人呼んで『女子ニ楽坊』(笑)。
何年か前に教会で毎月演奏会をしていた時に作っていた自作のインスト曲や、日本の曲や映画音楽、静かな曲を8曲セレクトしてみた。
どの曲もいい曲だし演奏するのも楽しいので、きっといい気分で聴いてもらえるだろう。
そんな中、T子さんは私の作った『LOVE』というインスト曲を、弾き終わった後に必ずと言っていいほど「いい曲ね~~。」って言ってくれる。なので私はその度にすごく照れる。
T子さんが結婚する時にはお祝いにこの『LOVE』を演奏してあげるからね。
実はこの曲を作った当時の私は、いろんな人間関係で傷ついたり迷ったりしていた。人に優しく出来なくて自己嫌悪に陥ったり、信じていた人にひどく傷つけられたり。
「どんなことが起きても、どんなに傷ついても、人を愛し続けられる強さを持ちたい」という気持ちをこの曲に込めた。
人生はいろんなことが起きるし、ひどく辛い目に遭うこともある。
だけどそんな時ほど「自分がどれだけ愛されてきたか」、そして「憎む」より「許す」方が何倍も自分を解放してくれることを思い出したい。
「今はもう何も言わないで あの日ごめんねなんて言わないで
愛はそういうもの そういうもの
二人出会ったことも愛したことも そして傷つけ合って別れたことも
全部それで良かった それで良かった 」
(オレンジブルー『真冬の蓮華草』より)
今日のお昼はまりりンとランチ。
そしてその後夕方から映画に行きました。
お友達のY子ちゃんから誘われて、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』。
シネマデー(1000円の日) なので人が多いだろうなあって思いきや、結構空いてる松竹東洋座。
館内に入ると映画の主題歌の福山雅治の『東京にもあったんだ』が流れていて、福山くんファンのY子ちゃんは「いい歌~♪」ってもう興奮気味。あ、そう言えばそうだったね。相変わらずちっとも知らなくてごめんね(苦笑)。
映画は、予想した通りやっぱりいろんなシーンで涙がポロポロ出てきちゃいました。
原作はもちろん読んでたからストーリーは知ってるんだけど、これだけ泣けちゃうのは映画の力。
私の場合、特に音楽でグッときちゃいました。音楽担当は上田禎(ただし)さんという人。どの曲も素敵だったんだけどオダギリジョー演じるボクがオカンの手を引いて横断歩道を歩くスローモーションのシーン、あそこの映像と音楽が最高でした。予告編の特報にも使われてる曲です。
もちろん福山くんの歌も良かったよ。
あと樹木希林と内田也哉子の実の親子が二人一役で「オカン」役を演じたことでもこの映画は話題になってたけど、役者初体験の内田也哉子の演技が自然で、さすが血は争えないなあって感じました。
彼女の何とも言えない独特の表情と声。「オトン」の描く観音菩薩の絵にも通じるような魅力で心に残りました。
それと映像がとても奇麗。
昔のシーンも今のシーンもどのシーンも丁寧に作り込まれていて、すごく手がかかってるって感じがしました。
そして特に印象的だったのは、昔のオトンを写した写真のバックに写った建設途中の東京タワーの写真。(もしかしたら原作には無いシーンかもしれないけど)
オトンとオカンとボクの人生を見守り続けた東京タワーも、やっぱり人が作ったものなんだなって、東京タワーにも歴史があるんだってなんか感じさせる写真。
そこに昔からあって永遠に存在し続けるように見える東京タワーも、いつの日かなくなる日が来るかもしれないですよね。
「人生の喜びと儚さ」を描いた松岡監督の『東京タワー』。
日本人の琴線に触れるいい映画です。
ぜひ皆さんも観てみて下さい。