松たか子主演の話題の映画『告白』を観ました。
『下妻物語』『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督作品。
うん・・なかなか重かった。深かった。
衝撃作だけど傑作。
始まりから終わりまで息つく暇も許さないあっという間の2時間でした。
ということで、ちょっと感想を書いてみたいと思います。
これから観る人はネタバレあるので注意してね。
物語は、とある中学の1年B組の終業式。担任の森口先生の告白から始まる。
原作を読んだY子ちゃんによれば、湊かなえ原作の『告白』も全て登場人物の一人称の告白で綴られているらしい。
娘の事故死は事故死ではなく、このクラスの生徒に殺されたという衝撃の告白。
物語は全て森口先生による娘の復讐劇。
ラストの森口先生の「なんてね・・」はいろんな意味に受け取れます。
この映画が扱ってる社会問題は、命の問題、学級崩壊、いじめ、HIV、親の離婚と再婚、単身赴任、少年犯罪、ブログ、薬品のネットでの売買、などなど多岐に渡ります。
これがある意味では現代の日本と言っても過言ではないほど。
この映画では、それをほんの少しボリュームを上げて見せてくれているだけな気もしました。
だから映画を観終わったあとも、しばらくは「ドキュメンタリー」を観たような感覚が拭えなかったですね。登場人物の「告白」を軸に進んでいくストーリー展開も相まって「こういうの、もしかしたらあるかも・・」と思わせてしまう内容でした。
少年A、少年B、そしてクラス委員の少女A。
少年AやBの母親。ウェルテルと呼ばれる新学期からクラスを受け持つことになった熱血先生。
キャスティングも良かった。
中でも、何と言っても森口先生演じる松たか子の迫真の演技が素晴らしい。
どのシーンもどの表情も見逃せない凄みがありました。
特にラストシーンの目。あれはスゴイ。
人ってホントに危うい生き物。
好きなもの守りたいものがあるほど、それが弱点になり誘惑にもなる。
「あなたはどうですか?」って問われている気もしました。
それからこの映画、とにかく映像がとても印象的。
全体的にモノトーンで色彩味を抑えた世界に真っ赤な血の色。
思い切ったカメラワークでありながらわざとらしくない画面作り。
黒澤明、ティム・バートン、レオス・カラックス、ウォン・カーウァイ、・・etc.
私は内容もさることながら映像の美しい映画が好きなんだけど、中島監督にも彼らに匹敵する力量とセンスを感じました。次回作も楽しみです。
最後にこの映画で印象的だったのは、劇中に何度も出てくる、
「○○のことは全部わかる」という他人(親も含め)の台詞。
「○○のことは全部わかる」という他人の言葉と本人の「告白」との対比が興味深かったです。
ほんとはわかってないよ、みたいな。
実際、自分のことを全部わかる他人なんてこの世にいるんでしょうか?
自分でさえ自分に嘘をつくのに。
だから、きっと「なんてね」なんでしょうね・・。
このブログを書いてる私でさえ、もしかしたら明日には違うことを考えるかもしれない。
たまに「きれいごと」を言ってるふうな自分に嫌気がさす日もある。
だけど「きれいごと」を言う人がこの世にいなくなったら、おしまいな気もしている。
こういう理不尽でドロドロした先の見えない時代だからこそ、
楽しいことや明るいこと、美しいこと面白いことを見つけては、
悲しみに負けず、笑いあって励ましあって、面白おかしく生きていきたいものです。
・・・なんてね(笑)。
ともあれ必見!!オススメの映画です。
今日は久々ライブ観戦。
半年ぶりのポンタさんのライブです。
今日のメンバーは村上ポンタ秀一(Dr)、柴田敏弥(Pf)、本間将人(Sax)というトリオ。
いや~~~素晴らしかったです!!!ホントに。
というわけで軽くライブレポしますね。
ポンタさんのライブは半年ぶり。前回行った時はピアノが小野塚晃さんだったんですが、
「トシ(柴田さん)のピアノもスゴイよ」ってポンタさんがオススメされたので、是非聴きたいと思ってました。
ポンタさんと柴田さんの名前があったので、てっきりPONTA BOXと思いきや、Jiveに到着して編成をよく見るとドラムとピアノとサックス。つまりベースレス!?
「ありゃりゃ・・。」と思いはしましたが、なんのなんの。
ベースレスなんてこと忘れさせてしまうくらいの、すっごいライブでした。
音が始まった途端、体がどんどん熱くなるーー!!こういうの久しぶり。
3人なのに全然スキマを感じさせない。音の洪水です。しかも美しい洪水。
アンコールを入れて2時間半。たっぷりと聴かせていただきました。
去年のライブでも聴いた「ドルフィン・ダンス」もとっても綺麗でした。
「いつか王子様が」も良かったし、アンコールの「Snake」これがまたサイコーでした。
柴田敏弥さんのピアノ、もう素晴らしいです!!
若干26才。たいっへん、お見それしました。
ジャイブのアコピがすごく綺麗な音を出してるし、もちろんエレピやクラビもすごくいい。
一音一音がとても丁寧で、リズムもしっかりしてる、コードもめちゃカッコイイ。
もちろん今回はベースレスってことで一人でベースの役もこなしてしまってる。
私はこういう指の訓練がきっちり出来てる人のピアノは好きなんですよねー。特に左手の小指。
かなり好きな感じのキーボーディストです。てか松本圭司さんくらい好き。
そしてサックスの本間将人さん。本田雅人さんじゃないよ。
いたんですね~!?こんなスゴイ人。この方もめっちゃカッコイイです。
音はとっても綺麗だし、ソロもスケールもすごくキレイ。
しかもアンコールでは柴田さんがクラビソロから横を向いてピアノソロに移った瞬間、なんと横からクラビでベースのリフを加えてしまうくらいのマルチ才能ぶり。
(追記:この曲の演奏の時には、ポンタさんが亡きベーシスト青木さんと演奏されたときのやりとりなど話され、ジャイブの河村さんもちょっと嬉しそうでした。今日は青木さんの命日でした・・)
ライブ終了後には、お二人に思わず・・
「(そんな才能を隠し持って)一体どこに居られたんですか?」って聞いてしまいましたが、柴田さんがすかさず「ひきこもってました」って答えておられました(笑)。
これから日本の音楽シーンにどんどん登場しそうなお二人に、これからも注目したいです。
そんな若手お二人を引き立てるポンタさんのドラムは、まるで少年みたい。
音楽が楽しくって楽しくって仕方がないって感じでしたね。
とっても幸せな気持ちになれました。
ちょっと毒舌、じゃなくてシニカルなMCも結構好きです(笑)。
ステキなライブをありがとうございました。
柴田さんも本間さんもポンタさんも、今日は全員メガネっこ。
演奏の途中でクイって上げたりするのが可愛かった♪
私も最近視力が落ちてきてるし、もしかしたらメガネで登場する日もそう遠くないかも(笑)。
その時はアンジェラ・マリと呼んで下さい。なんちゃってー。
冗談はさておき(笑)、来週の金曜は久しぶりにヲルガン座でソロライブです。
もしお時間のある方は、ぜひ足を運んでね!!お待ちしています。
1Q84 BOOK 3 | |
村上 春樹 | |
新潮社 |
読みたくて読みたくてしょうがなかった『1Q84』の第3巻を昨日1日で読了。
5月の半ばに買ってたけど、一気に読みたかったので、仕事が落ち着くまで本屋の袋に入れたまま封も開けなかった。
読み終わって・・なんだか月が見たくなった。なのに、なぜか新月・・。
村上春樹小説の魅力は、その文章とリズム。
克明すぎるほど克明に描かれるところと、あっさりと省略されているところの対比。
結局天吾のお父さんは誰なのか?お母さんは何故死んだのか?ふかえりはその後どうなったのか?最後にリトルピープルが作っていた空気さなぎは結局どうなったのか?・・・etc.
何にも説明されないままあっさりと終わってしまう。
でも、まあそれでいいのかも。
現実の人生だって、克明すぎるほど克明な日常と、結局はわからないまま過ぎていく毎日で構成されている。
私たちが自分のこととして認識できる世界なんて、世界のほんのわずかの部分しかない。
どこまでが真実でどこからが想像なのか、ちゃんと説明できる人なんてきっといない。
あなたの見ている世界があなたの思っている通りとは限らない。
善人と思っている人が本当は悪人で、正しいと思っていたことは間違ってるかも。
そんな風に想像力を刺激してくれるのが村上春樹小説の面白さなのかもしれないね。
ところで。
私はとっても個人的な理由で、村上春樹さんが大好き。
きっとそれは私自身の特定の思い出と結びついてるから。
それは一生多分誰にも打ち明けない思い出。
誰にも打ち明けないからこそ、私にとっては大切なんだよね。
「忘れて 二人の思い出は置き去りのままでいつか
誰にも知られず 風に吹かれて消えてゆくの
忘れて 私のことなら思い出の彼方へ消して
わかっていたはず 二人が二度と戻らないって」
(Peppemrint Leaf『哀しい夢』マリ作詞・作曲より)
被爆者でもある橋本さんが「ほほ笑みと感謝の会」を発足され、パレスチナの子どもたちに希望を届けるというプロジェクトを始められたのは約2年前。
その時には、まだ先のことと思われたパレスチナ訪問は約束どおり実現し、橋本さんご夫婦や立野牧師先生、中村先生はじめパレスチナ訪問団の皆さんは、先日パレスチナから無事に帰国されました。
こちらはTBSニュースバードで放送された特集番組。
この中で紹介されたパレスチナ人自治区でのコンサートも、オリーブのパンフルートや絵手紙、千羽鶴、けん玉などの贈呈も無事に行われ、私たちのピアノ募金も、中東に初めて建てられるという音楽学校で2台のピアノを買う資金に充てられるということでした。
おなじみ立野牧師のブログに番外編としてパレスチナ訪問の様子が紹介されています。
面白いですよ。
「パレスチナは危険」と思わされていたある種の洗脳。
私たちには知ることで見えてくることがいろいろあります。
きちんと知ると、怖がる必要は何も無いことがわかってきます。
ただし一方で、見えたものから全てを知った気になってはいけないことも、心に留めておこうと思います。
先日小林さんにお会いしてとにかく思ったのは「私、相当疲れてたんだなあ・・」ってこと。
このところの多忙の上に、パソコンや携帯電話もよく使うし、そういう状態が続くと体がプラスの電荷に帯電してくるらしいんです。
小林さんの建物はそいういう人の電荷をアースしてくれるようにできてるらしいんですよね。
自然界だとパワースポットと呼ばれる場所にはそういう働きがあるんだそうです。
山や滝が気持ちいいのも、野山を散歩したりすると気持ちいいのも体の電荷が空気中のマイナスイオンで体外に逃げるからなんだって。
早速パワースポットに行ってエネルギーを充電できれば言うことなしなんだけどそうもいかないので、まずは部屋の風通しを良くして、部屋の中の空気の澱み(よどみ)を一掃することにしました。
朝から玄関と窓を開け放ち、空気の総入れ替え。
これだけでもかなりな効果が期待できそうです。
今日は、パレスチナにおられるほほ笑みと感謝の会の橋本さんから携帯メールが届きました。
シナイ山を臨む丘の上で『Peaceful Wind』が演奏され、ベツレヘムの教会での『Peaceful Wind』コンサートも大成功に終わったとのこと。
ラヘブ牧師は、いつかこの歌にアラブ語の歌詞を付けましょうと言われたそうです。
きっとパレスチナの子どもたちが歌ってくれるんでしょうね。
ぜひ聴いてみたいですね。
世界中の言葉で『Peaceful Wind』が歌われる日もそう遠くないかもね。
そんなことを思いながら『Peaceful Wind』のCDをかけて、Mさん栽培のカモミールのお茶を飲んでます。
う~~ん、幸せ・・。