周防正行監督の最新映画『ダンシング・チャップリン』を観ました。
とっても素晴らしい映画でした。
少し感想を書いてみます(ネタバレありです)。
『Shall we ダンス?』で知られる周防監督。
彼が今回選んだ題材はバレエ。
「フランスの巨匠振付家ローラン・プティのチャップリンを題材にした 『ダンシング・チャップリン(原題:「Charlot Danse avec Nous(チャップリンと踊ろう)」)』。
チャップリンの数々の名作がバレエとして表現された作品である。
『ダンシング・チャップリン』は 1991年の初演からチャップリンを踊り続けるダンサー、ルイジ・ボニーノのために振り付けられた作品であり、 世界で唯一この作品のチャップリンを踊ることができるバレエダンサーである。
しかしルイジも還暦を迎え、肉体的に限界を迎えつつある。 このままでは幻の作品になってしまう! と危機感を感じた監督の強い思いからこの企画がスタートした。
本作『ダンシング・チャップリン』は映画化にむけて監督がイタリア、スイス、日本を巡り、草刈民代をはじめとする世界中から集まった ダンサーたちの舞台裏60日間の記録である「アプローチ」を第一幕に、プティの『ダンシング・チャップリン』の全20演目を13演目に絞り、 監督が映画のために再構成・演出・撮影された「バレエ」を第二幕とし、最高に美しい体験をする事が出来るエンターテインメントに仕上がった。」(HP作品解説より)と紹介されています。
映画公開の後、2011年7月10日にこの振付家のローラン・プティ氏が急逝されたことを思えば、この作品があって本当に良かったと思えます。
この作品がある意味の彼の遺作ですね。
こちらが予告編です。
第一幕では、プティ氏に映画の話を持って行く周防監督の、ちょっとびくびくした感じだとか、映画のクランクインまでのダンサーたちの稽古の様子がドキュメンタリーとして綴られ、第二幕はその舞台そのものが作品としてまとめられていました。
ただただ素晴らしかった・・。
まさかこういう構成だとは思ってなかったので、映画を観終わったあとで不思議な感覚が残りました。
振付家のローラン・プティ氏は、映画監督で俳優でもあったチャップリンをバレエで表現しようと思いつき、それをルイジのバレエとして完成させ、そして周防監督はそのバレエを映画に残そうと思いつき、この映画として作品化した。
なんか劇中劇のような・・なんて言葉で表現していいのかわかりませんが、とにかく人の芸術に対する尊敬の輪が循環してなんだかすごいものができたという感じです。
とにかくルイジ・ボニーノ氏、草刈民代さん、ほかバレエダンサーの皆さん、振付家ローラン・プティ氏、周防監督、そしてチャールズ・チャップリン、一体誰に一番に拍手を送っていいかわからないくらい、ホントにこの方々全員に敬意を表したい映画でした。
芸術ってつくづく奥が深いですね~~。
ほぼ日にも『かっこいい、草刈さんと周防さん』という特集が組まれています。
この記事も興味深いです。
ぜひ読んでみてくださいね。