今年のお正月は読書に期待していたのに、何故か前に進めません(笑)
いちいち興味がある内容に衝撃を受けてしまい「この部分はしっかりと読んでおきたい」等と小説の筋を追うというよりも内容にいちいち感動して、前に進めなくなってしまいました。このような時は本を購入するしか処置の仕様がありません(苦笑)ネ!
その本のタイトルは朝井まかてさんの「残り者」という小説です。
あらすじとしては、江戸城の明け渡しが命ぜられたときに、お城の女性達のそれぞれの思いや行動、大奥にとどまった5人のお話ですが、私はそのあらすじより、その背景に出てくる言葉に釘付けになってしまいまして、出てくる言葉にいちいち感動し、一歩も動けなくなってしまいました。
呉服之間の今でいうお針子さんであるりつが御公儀(おかみ)に碌を頂いている気概を通じてお話が展開していくのでありますが・・・・
実はそのむかし祖父が身罷かりましたのが小学5年生のころです。それまで祖父はその関係の仕事をしておりました。幼い時期でしたが、知らず知らずに見聞きした言葉が次々に甦って参りました。
そうだこんなこともあったなぁ…と思い出しました。着物に使われている柄などの事、和服の仕立てに関す用語もあらゆる言葉が走馬燈の様に幼少期の記憶となって甦って参ります。
なぜこんなに覚えているのでしょうね。
この本は人生の終末期に入ったsazae3にとって、あらゆることを蘇らせてくれました。それが喜ばしい事なのか哀しい事なのか、今更と言う思いも正直あります。
今更何を思い出してもどうなるという事でもありませぬ。
近頃はあらゆる面で断捨離をしていきたいと思い行動に移した矢先です。頭の中も整理したい心境に至っているのであるから複雑な事でござりまする。
まあ人生最後の最後になるまで学習する気持ちは持ち続けたいと思いますが今年は正月から読んだ本に引き摺られた年の初めになりました。
庭には松や木斛、黒鉄黐・霧島躑躅など落ち着いた渋い趣の木に対し、楓・山萩・空木など嫋やかな・・・根方には苔山が築かれ、擬宝珠・風知草そして雪柳・・・と来るのでござりまする。
オマケに板壁には笹百合と尾長鶏が描かれ、芍薬に雉の絵柄・・・・と来るのでござりまする。私の目に焼き付いているものは、屏風の絵なのですが。
またまたオマケに、竹差しや鯨尺・・・と続きます。これからの若い方々にはちんぷんかんぷんなのかもしれません。
歴史・時代小説の有難味がここぞとばかり押し寄せて参りまして、正月から私は立ち往生しているという顛末でござりまるすのじゃ(笑)
生地の文様になりますともうドキドキしています。しっかりと覚えているのかと言うと決して自分で言えるほどのことではなくて出てきた言葉に反応し、文様が走馬燈の如くに見えてくるのでござりまするのじゃよ!
これでは小説の筋書きを追って楽しむというより専門の書物で調べ物をしているような気分になってしまいます。
もちろん筋書きも大変面白いのですが・・・・
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