タイのバンコクのシーロム通りから一本北にあるスラウォン通りに、名前は忘れてしまったが、ナライ・ホテル(シーロム通りの中ほどにある洒落たホテル)とほぼ同程度のホテルにブランド物のハンドバッグを売る専門店があった。店は綺麗で品物は整然と並んでいたが全てが偽物であった。材木の仕事を始める前、イタリーとフランスからブランド物のバッグとネクタイを輸入していたので、真贋の鑑定には自信があった。全く偽物などない木材に商売替えしたのは偽物が氾濫し、本物だけを扱う私のような業者は仕入れ値と売値との差が殆どなくなり仕事を続けることが非常に難しい状態になった事が最大の理由だった。そして此の業界に嫌気がさした。また同時にかなり巨額の詐欺にもあっていた。
バンコクに行くたびに、此のハンドバッグ店には何度も足を運んだ。ハンドバッグを買いに行ったのではない。日本円をタイ・バーツに両替して貰うために行ったのだ。銀行で両替するよりずっと率が良かった。他にも私設の両替店はあったが、この店のオーナーの気の良いオバさんのレートは他を圧倒していた。日本からの観光客が円やタイ・バーツで買い物をしていくので現金がふんだんにあった。両替は非公認の商売であったので利益はそっくりオバさんの懐に入る。だから、それほど利益を考えなくて良かったのであろう。日本からのお嬢さんたちに「これは全部偽物だよ」と教えてあげようとも思ったが、彼女らは偽物を承知で買っているらしい。
ブランド物のバッグを持っていることだけで満足し、それが偽物でも本物でも関係ないらしい。他人から「ブランド物を持っている」と見られるだけで満足なのだと或るお嬢さんが私に云ったことがある。偽物でも、いいものと悪いものがあり、この店の偽物は他と比べて物がよく、値段もこなれているのだそうだ。本物だけを大真面目に追いかけてきた私の商売が立ちいかなくなったわけだ。最初から本物のブランド品には目もくれず、偽物だけを輸入して堂々と売っていた多くの業者は蔵が建つほど儲かっていた。彼らの商才を褒めるべきなのであろうか。法律で偽物を国内に入れることが禁じられるまでに随分の年数が経ち、中には自社ビルを建てちまった業者までいた。
神代植物公園にまた一人で行った。誰も誘わなかったのは、現在は花を撮るための修行中だと考えているからである。それにコロナウィルスに感染させてしまっては申し訳ない。何度も撮ればいい花の写真を撮れると云う保証はないが、一度より二度、二度より三度と同じ花に挑戦した方がいいと考えている。温室の何種類もの蘭やベゴニアに接すると、植物の不思議さを感じる。そして、同じ温室の、同じ花を撮っていてもその日によって、その時間によって光の当たり具合が違い、新しい顔を見せてくれる。
今回は殆どの写真を開放のf2.8で撮った。f5.6、f11、f16にして撮ろうかと考えたが、100mmのマクロレンズではいくら絞ってもパンフォーカスには撮れない。それなら開放にしてピンを注意深く合わせた方がいい。だが、マクロレンズを手持ちで撮るのには限界があると知った。開放ではどうしてもピンが甘くなってしまう。次回からはf4かf5.6にしてみよう。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/125秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/125秒、 露出補正:+2/3、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/250秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/250秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
当然ご存知とは思うが、この花だけはベゴニアではない。札が立てられていたが、注意深くは見なかった。私にとって、名前はどうでもいい。敢えて覚えようともしない。それより撮ることに集中したいだけだ。だが、撮っていると自然に覚える花もある。
バンコクに行くたびに、此のハンドバッグ店には何度も足を運んだ。ハンドバッグを買いに行ったのではない。日本円をタイ・バーツに両替して貰うために行ったのだ。銀行で両替するよりずっと率が良かった。他にも私設の両替店はあったが、この店のオーナーの気の良いオバさんのレートは他を圧倒していた。日本からの観光客が円やタイ・バーツで買い物をしていくので現金がふんだんにあった。両替は非公認の商売であったので利益はそっくりオバさんの懐に入る。だから、それほど利益を考えなくて良かったのであろう。日本からのお嬢さんたちに「これは全部偽物だよ」と教えてあげようとも思ったが、彼女らは偽物を承知で買っているらしい。
ブランド物のバッグを持っていることだけで満足し、それが偽物でも本物でも関係ないらしい。他人から「ブランド物を持っている」と見られるだけで満足なのだと或るお嬢さんが私に云ったことがある。偽物でも、いいものと悪いものがあり、この店の偽物は他と比べて物がよく、値段もこなれているのだそうだ。本物だけを大真面目に追いかけてきた私の商売が立ちいかなくなったわけだ。最初から本物のブランド品には目もくれず、偽物だけを輸入して堂々と売っていた多くの業者は蔵が建つほど儲かっていた。彼らの商才を褒めるべきなのであろうか。法律で偽物を国内に入れることが禁じられるまでに随分の年数が経ち、中には自社ビルを建てちまった業者までいた。
神代植物公園にまた一人で行った。誰も誘わなかったのは、現在は花を撮るための修行中だと考えているからである。それにコロナウィルスに感染させてしまっては申し訳ない。何度も撮ればいい花の写真を撮れると云う保証はないが、一度より二度、二度より三度と同じ花に挑戦した方がいいと考えている。温室の何種類もの蘭やベゴニアに接すると、植物の不思議さを感じる。そして、同じ温室の、同じ花を撮っていてもその日によって、その時間によって光の当たり具合が違い、新しい顔を見せてくれる。
今回は殆どの写真を開放のf2.8で撮った。f5.6、f11、f16にして撮ろうかと考えたが、100mmのマクロレンズではいくら絞ってもパンフォーカスには撮れない。それなら開放にしてピンを注意深く合わせた方がいい。だが、マクロレンズを手持ちで撮るのには限界があると知った。開放ではどうしてもピンが甘くなってしまう。次回からはf4かf5.6にしてみよう。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/125秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/160秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/125秒、 露出補正:+2/3、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/250秒、 露出補正:±0、 WB:オート。

キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f2.8、 1/250秒、 露出補正:±0、 WB:オート。
当然ご存知とは思うが、この花だけはベゴニアではない。札が立てられていたが、注意深くは見なかった。私にとって、名前はどうでもいい。敢えて覚えようともしない。それより撮ることに集中したいだけだ。だが、撮っていると自然に覚える花もある。