TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 276

2020年06月28日 | エッセイ
 アメリカの空軍に勤務していた時、一人の横柄な態度の軍属が我々の課に配属されてきた。軍曹や兵たちが集まってヒソヒソ話をしていた。「どうしたんだよ?」と聞くと、「彼があの噂のチャーリーですよ」と軍曹になりたての奴が私に云った。よく聞くと、伝説とも云える鬼軍曹であったらしい。誰もが恐れていた。兵隊たちの噂は世界中の空軍基地にすぐに伝わる。まるで伝書鳩を飼っているようなものだ。「ミスター・〇〇も、これから大変ですよ」と私を心配してくれた。私の直接の上司は少佐であった。噂の軍曹が軍属として配属されても、少佐の管轄内である。前は軍曹でも軍属になれば一応は将校扱いであり、私も一応は将校待遇であった。それであまり気にもしなかった。

 我々の課の全員が集められ、少佐から「噂のチャーリー」の紹介を受けた。仕事は私の補佐の名目ではあったが、私の父親ぐらいの年なので彼を立てることにした。少佐も口には出さなかったが、そのようにすることを望んでいた。ここまでは平和であった。

 私が彼の仕事のレクチュアーをした。それが終って一週間も経たずに私に仕事のことで指図を始めた。私ばかりではなく、同じ課の軍曹たちにも指図を始めた。軍は命令系統がきちんとしているので、私を飛び越して指図することは出来ない。最初は聞き流していたが、ある日「お前は日本人だろう、何故アメリカ人の俺の指図に従わないのか!お前の給料はだれが払っているのか知っているか!」と顔を真っ赤にして私に怒鳴りつけてきた。あれから少佐には「一応チャーリーを立てておいてくれ」と何度も頼まれていたので、その時は黙って聞いておいた。その二日後に又云われた。「おい給料泥棒、このやり方ではだめだ。やり直せ!」と云ってきた。我慢もここまでだった。「給料泥棒とは何だ!俺はお前の政府から一ドルだって貰ってないぞ。阿呆な兵隊に出来ない仕事を手伝ってやってくれとお前の国の国防省から頼まれたんだ。然も給料は日本政府持ちだ。アンタはその阿呆な兵隊の一人だ!」とやってしまった。

 チャーリーは顔を真っ赤にしたまま少佐のところに行った。私を首にするように云いに行ったのに違いない。同じ部屋にいた軍曹や兵隊たちは私の側により、「よくはっきり云いましたね」と私を讃えてくれた。こちらから少佐の部屋を伺っていると、チャーリーはドアーを開けたまま、少佐の呼びかけに返事もせず出て行った。彼の行った先は基地の司令官のところだった。一時間後、少佐と私、それに同室の古手の軍曹が司令官から呼び出された。事情を聴かれた。次の日、チャーリーは別の部隊に転出を命じられた。

 飽きずに撮っている近くの花壇の花で申し訳ない。雨の日、晴れた日、曇りの日では花も微妙に違うことに気が付いた。花をあまり撮ったことのない私には驚きだった。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/125秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/40秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f11、 1/25秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:400、 f11、 1/80秒、 露出補正:+1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f5.6、 1/80秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f11、 1/50秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:100、 f16、 1/50秒、 露出補正:-1&1/3、 WB:オート。


キャノンEOS7DMkⅡにEF100mmマクロ、2.8Lを装着。 ISO:200、 f16、 1/100秒、 露出補正:-1、 WB:オート。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。