徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

インド鉄道 予約システム

2011年11月16日 | 旅行

 今回予定しているのは下図の緑線で示したルートで、プンツオリン最寄のハシマラからスタートしてバラナシ(ベナレス)、カジュラーホ、オーランガバッド(アジャンター、エローラ)、ムンバイ、そこから飛行機でコルカタへ飛び、再び鉄道でハシマラに帰るルートです。全走行距離3552Km、10日間の旅です。青森・鹿児島間が2200Kmですからその1.6倍の距離で、これだけの距離を主に一等寝台(2A)に乗ってもたったの7400円足らず、これが3等寝台(SL)であれば2000円くらいで済みます。

 この鉄道予約は前にも書いたように http://erail.in/erail2.htm と https://www.cleartrip.com/signin を使えばルーティングから予約まで完璧にできます。ただし、まだ問題があってこのルートで6本の列車を乗り継ぐのですが、その内の3本がウエィティングリスト(WL)、つまりキャンセル待ちの状態です。インドでは出発二日前までのキャンセル料金が安いので、常にかなりのオーバーブッキングが発生して一ヶ月前でもすんなり予約が取れない事が多いそうです。私のステータスはWL1、WL2、WL9の三つで数字は待ちの順番を示しています。たとえばWL9の場合は、私の前に9人の先客がいて確定客かこの9人の内9名がこれから一ヶ月の間にキャンセルすれば私は席を確保できるわけです。この待ち状況はオンラインで見ることができます。(下表)私の待ちは21-12-2011・2AのWL32/WL10と書かれています。この意味はこれまでこの列車には32件のWL加入があり現在の待ちは10件という意味です。この状態で予約をするとWL10が得られてこの数字はWL33/WL11に変化します。WL32/WL10という事は22件のキャンセルが発生した事を示していますが問題はこのキャンセルが、私の待ちより前なのか後なのかです。前であれば私は繰り上がり席が確保できますが、後の場合は私の順番に変化はありません。ウエブではWL30位までは始発駅であれば大丈夫との情報もありWL9はまず取れると思いますが、たまたまこの同じ列車のSLクラスがWL2だったのでダブルブックでこれも予約を入れましたので、どちらかは確保できると思います。

 このウエイティング・リストという方法は、もちろんオンライン・コンピュータシステム上であれば容易に組むことが出来ますが、どうもインドではこれの専任担当者がいて人手でやっているようなのです。というのも、インドの鉄道システムはイギリス統治時代からありコンピュータのない時代に同じ機能を確立した経緯があります。

 考えてみると、鉄道というのは自動車と違い一本のレールの上を、何万トンという列車を、時には300km/時で動かすわけで、これが衝突しないことが最も基本的な要件です。日本の新幹線はこれを15分毎に走らせていて、これに慣れている我々はいかにも当たり前だと感じていますが、実はこれは大変なことなのです。インド鉄道は遅いだとか、遅延するだとか不評ですが、少なくとも運行ミスで衝突事故を起こした、とはあまり聞きません。反対に、中国の最新鋭の新幹線は先日、大事故を起こしてしまいました。

 つまり鉄道の運行は列車や線路といったハードウエアより、運行システムというソフトウエアが重要で、インドではこれをコンピュータ以前から確実に人手でこなして来た歴史がある訳です。私はインドを旅するには鉄道が安くて安全、快適なので一番だと思います。おまけに、夜行寝台を使えばホテル代は要らないし、寝てる間に目的地に着きます。インド鉄道の裏にある歴史と技術を考えながら旅するのも楽しいのでは無いでしょうか。