徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

前期試験 立会い業務

2011年11月21日 | 海外ボランティア

 大学では18日から試験が始まっていてこれから一ヶ月間、学生は試験漬けとなります。この試験の立会に我々も駆り出され、今日一回目に立会いました。一般的な試験は午前9時から12時までの3時間あるいは午後1時から4時で、今回は朝の部でした。立会はただカンニングを見張るというだけではなく、問題用紙、解答用紙の配布から始まり、学生証と当人を確認してサインしたり解答用紙が足りない学生から要求があれば追加を配って確認のサインをしたりと結構忙しいです。

 その合間をみて問題と学生の回答を見ていました。教科はEngineering Chemistryで一年生の教養過程です。ところが最初の問題がシュレジンガー波動方程式の定常解を求める問題で少々のけぞりました。この証明は結構長ったらしくて日本の工学系の学生なら結論の式だけ知っていれば十分だ、位の事柄なのですが、ここではそれを延々と2-3ページに渡って記述させています。結構な数の学生がこの回答を書いているのですが、見ているとなんだか途中が飛んでいたり、結論がいきなり出てきたりしているのに気がつきます。どうも、証明式を丸暗記している感じです。もちろん、あれを丸暗記する気力と努力には敬意を払いますがそれがどの程度、彼らの将来の役に立つかと言うと極めて疑問です。これが、ブータン式なのだと思います。それがどのように応用展開するかとは関係なく、出題する方は高度な内容を出して、回答する方はその丸暗記を記述するといった所でしょう。この最初の設問に華麗に回答している学生が、CNT(カーボンナノチューブ)の医療応用を記述せよ、といった設問にはチャランポランな回答していたりするアンバランスが面白いところです。

 ともかく、学生は学期ごとの試験で3教科以上落第点を取ると留年になるので必死です。また留年は二年までで、それを超えると放校になります。という事で必死の学生達と一緒に、これから12月初めまで試験立会いが続きます。