「ゴールデンウィーク大人食堂」開かれる〜多数の来場者が医療・生活相談
瀬戸大作(反貧困ネットワーク事務局長/サポート日誌より)
5月5日(水)
★三回目の緊急事態宣言下のGW、反貧困ネットワークや聖イグナチオ教会福祉関連グループ、つくろい東京ファンド・ビッグイシュー基金・コロナ被害相談村実行委員会などが協力し、「ゴールデンウィーク大人食堂」を聖イグナチオ教会で開催しました。5月5日の来場者数は448人。うち医療・生活等の相談をされた方は190人でした。
★今回の特徴は、協働団体として難民支援協会、世界の医療団、あうん&あじいる&隅田川医療相談会、北関東医療相談会、クルドを知る会、移住連移住連貧困対策 PTの支援団体が連携して日本の公的支援や医療の対象から排除され、入管に長期収容されて身体はボロボロにされ、難民申請を繰り返しても却下され就労許可されず経済的に困窮状態にある外国人の医療・生活・就労相談を大規模におこなった事です。提供されたお弁当は新小岩のネパール料理の超有名店「サンサール」のキーマカレーと鶏ハーブ煮でした。
★私は相談会ホールにて12時から18時30分まで、一度の休憩時間もとる事なく、相談票に記入されたひとりひとりの最終面談を担当しました。福祉事務所への生活保護申請同行チームへの引き継ぎ、法律相談の場合の弁護士との連携、大半の外国人の経済的困窮を個別に確認し生活給付金の支給と相談できる支援団体や外国人コミュニティがない方には私の名刺を渡して、何か困った時の緊急連絡先になる事を約束(明日から英語のメールとFacebookのお友達リクエストが急増する事にビビる)相談対応した外国人は106名 給付金額は207万円、90%以上は仮放免か在留3カ月で働く事ができない。
★給付金を渡した瞬間に涙が溢れ出し止まらない女性、日本で生まれた女のコを連れたアフリカ系のお母さん、私は問いかけた。「学校通いに不自由はないでしょうか」日本語が堪能な長女が目をクリクリさせながら応えてくれた。「進学する時に奨学金が必要なのです。」長女との交流は帰宅後に早速始まった。メールのやり取りが始まった。6月のパルシステムの会員生協での講演会に彼女を誘う。多くがお母さんであるパルシステムの組合員にも知ってほしいと思う。
★今日も「住まいから追い出される」寸前の外国人が数名いたが、公園で2か月もの間、野宿生活を続けていたアフリカ系の50代の男性が座った。身体もボロボロだった。今日からも野宿はしょうがないと言えない。とりあえず反貧困ネットワークのシェルターで今日から一時宿泊してもらう事にした。私たちの泪橋シェルターでは4人目となるホームレス外国人となる。彼も日本語を話せない。入管にも同行が必要だ。最低限いえる事は「もう独りにしないよ」20時にシェルターに就いたらブラジルのシェルター同居人が英語で先輩づらでお節介をはじめている。「ここのスーパーマーケットが安いよ」助け合うコミュニティとしてのシェルター。今日の外国人の状況を考えると増設を急がないといけない。
★相談票の拾い起こし分類では、国籍は、ミャンマー16名 エチオピア7名 ナイジェリア28名カメルーン17名 イラン2名ネパール4名スリランカ1名ブルキナファソ1名コンゴ5名 トルコ2名バングラデシュ1名タンザニア1名アフガニスタン1名ギニア1名 ベトナム1名 フイリピン1名 ガーナ3名でした。
★日本国籍では49名の相談票集約、5名の方が、つくろい東京ファンドとビッグイシューの生保申請同行チームがアパート入居までサポートをやり抜きます。給付金は10名、9万7千円でした。
★とても残念で主催者として最大の反省点は、緊急アクションの相談メールでは女性からの「死にたい」メールが激増、全体では20代~30代からのSOSが70%にも昇るのに、コロナ禍の貧困が直撃した女性や若い世代が気軽に参加できる状況をつくれなかった事。テレビカメラの放列が参加者にプレッシャーを与え過ぎた事。相談したい人が相談できない状況をつくってしまった事はしっかり総括する必要があると感じた。ちなみに放映されたテレビニュースではこれだけ多くの外国人が大人食堂に駆けつけた理由、排除と差別の政治と社会の根本理由に触れる放送局は皆無だった。
★明日からは日常の支援活動に戻る。「死にたいと考えたけれど死ねなかった」「助けてと言えなかった」「誰とも話せず孤独だった事が辛かった」非道な福祉事務所の追い返し、相談会SOSを受けて駆けつける支援の重要性も逆に痛感した。どこの支援団体とも繋がれていない多くの外国人、反貧困ネットワークとして対応していきたい。私たちの活動の基盤はあちこちからの「生死の際からのメール、相談会に来たくてもこれない人が大多数、「生きていてほしい」と願い駆けつける。
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