<鈴木俊一は父親の善幸さんを超えることが出来るのか!>
昨日流れたネットニュースで、久しぶりに鈴木俊一氏が会長を務める自民党環境・温暖化対策調査会の提言の大筋が公表された。同氏は総務会長時代に「五輪が中止になれば政局(安倍退陣)になる」との勇気ある発言をしたとき注目を浴びたが、今回の地球規模の気候変動に対する日本政府の政策見直しに影響する点で、国民は注視している。
我が家の狭い居間には、彼の実父・善幸さんの色紙が掛けてある。中国の古典からとったであろう文字「徳不孤」だ。為本澤二郎君と筆者のために書いたものである。
農林漁業の代表の善幸さんは、宏池会・大平派参謀として、真っ先に岸・佐藤の流れをくむ清和会の福田赳夫の内閣を制して、田中内閣を誕生させ、そのあと三木武夫・福田内閣のあと、悲願の大平内閣を誕生させた。いうところのリベラルの大角連合である。
<「世界に冠たる平和憲法」と議会で叫んだ最初の首相>
大平急死による後継者となって、自ら政権を担当した。彼は国会で「日本国憲法は世界に冠たる平和憲法」と叫んだまともな政治家だった。訪米において、外務省が「日米(軍事)同盟」と報道すると、即座に外相の首を撥ねた。途端に、米CIAが誕生させた岸信介が鈴木外交批判を始めた。これに嫌気をさして任期2年で降りて、再選させるつもりの角栄を嘆かせた。
善幸さんは、後継者に行動力のありすぎる野心家・田中六助を排して、宏池会の本命である宮澤喜一に後事を託した。一方で、長男・俊一の嫁を、信州の名門・小川平吉の孫娘を射止めた。平吉の長女が宮澤の母親。次男の平二は、宮澤の叔父にあたる。彼から「宮澤は護憲リベラル。なんとか応援を頼む」と言われ、護憲リベラルの宮澤政権誕生に言論で応援した。政権誕生を目にして他界した。平二家の玄関には、平吉が孫文からもらった大きな横軸が掛かっていた。
平吉の薫陶を受けた宮澤は、漢学に通じる政界の第一人者だった。彼の色紙「大樹深根」も居間にある。色紙はこの二枚だけである。
拙著「総理大臣・宮澤喜一」(ぴいぷる社)では、自民党総裁に就任する日に、宮澤との単独インタビューをしてまとめたものである。宮澤は、恩師・池田勇人が世話になった河野一郎の恩を忘れずに、息子の洋平の育成に心がけた。今の太郎に父親の護憲体質は薄い。麻生は河野のお陰で頭角を現わしたものだが、その政治は安倍そっくりの右翼・神道派。善幸さんの長女を嫁にした。その関係で、俊一も麻生派ということらしいが、本来は保守本流の宏池会である。岸田と連携することが、その使命だろう。
<「医師失格」が取り持ってくれた竹野内真理と中原義正>
一度、思い立って次男の医療事故10年に、反省と謝罪をしない医師と病院を猛省させるために「医師失格」(長崎出版)を書いた。そのとき、善幸さんの倅に会って取材した。顔も思想も父親に似ている穏健な政治家に、善幸さんの息子の教育の成果に満足したものである。
不思議なことに、目下、筆者が日本で一番有能な、それこそ正義と勇気のある本格派ジャーナリスト・竹野内真理とメールで連絡することが出来た契機を、なんとこの「医師失格」本が取り持ってくれたのだ。彼女もいま医療事故で人知れず苦しんでいた。また毎朝、自宅に電話をくれる清和会秘書会のドンのような中原義正は、安倍晋三のことを「小僧」と呼ぶ。星島二郎の書生から政界に首を突っ込んだ彼は、自民党本部の生き字引的存在である。
彼も身内の医療事故で二度も泣かされた。その関係で付き合いが始まった。いうなれば、東芝病院で命を奪われた次男が取り持つ縁である。
<子供たちを放射能まみれにする自民・公明の神道・創価学会に反対>
竹野内真理blogに教えられたことがある。それは放射能まみれの日本の子供たち、幼くして声を上げる能力のない子供たちが、低レベルの放射能に被ばくすることの、言葉にならない健康被害という恐怖・悲劇に、日本の大人たち・政治家も役人も司法で活躍している人たちも、全く目を向けようとしていないことについて、公然と命がけの戦いをしている姿から感銘を受けた。
彼女こそが、当たり前のジャーナリストなのだ。地球から原発を排除しないと、地球が生まれ変わることはない。それはチェルノブイリと311の東電福島原発の爆発大炎上が問いかけている人類の課題なのだと。既にドイツが、原発全廃に舵を切った。日本は、依然として原発再稼働を推進する悪魔のような自民党と公明党である。安倍の別動隊・維新なのだ。
原発推進派という、利権で蠢く政治屋や電力労働組合も存在している。野党にもいる。彼らには人間の心がないのだ。子供の叫びが耳に届かないのである。どうするか?総選挙で、原発派を落選させる運動を、全国の農民・漁業者が総力を挙げるしかないだろう。子を持つ親たちも立ち上がるのである。悪党を落選させる選挙戦を展開するしかない。
<岩手は原発ゼロ・生きてれば汚染水海洋投棄をさせない!>
俊一党環境・温暖化の会長に諫言したい。もし善幸さんが生きて永田町に君臨していれば、東電放射能汚染水を海洋投棄させることは、断じて反対して許さないはずである。安倍も麻生も菅も、善幸政治からすると、天地の開きがある。
念のため、ネットで54基の原発の建設場所を調べてみた。やはりそうだった。善幸さんは、岩手に原発を作ることに反対したことが分かる。小沢一郎がまだ駆け出しの一年生議員のころだ。ついでに言うと、亡くなった妻のおじさん・正木清は福島県の平出身。社会党代議士として大反対したが、自民党の原発派に押し切られて涙を呑んだ。
このままでは、第二、第三の東電福島原発の大惨事が、確実に起きるだろう。地震大国の日本で、原発を「核の平和利用」というイカサマの大義を振り回した中曽根やナベツネらのリストを作成する必要があろう。泉下の悪党に対しても、反省と謝罪をさせるためである。
<原発全廃が環境・温暖化防止の決め手=地球と子供を守る秘策>
地球から「核の平和利用」というイカサマの言葉を駆逐する国民運動に、ネットを利用する者たちに協力を呼びかけたい。例の黒川弘務を叩きのめしたハッシュタグで挑戦すべきだ。時間的余裕のある学生の参加を期待したい。
原発全廃が、気候変動・地球温暖化を阻止するうえで不可欠である。火力発電所の全廃では、放射能から人間を守ることは出来ない。放射能の内部外部被ばくから科学的に断言できることは、特に低い放射能でも子供の健康を守ることは出来ない点である。
チェルノブイリの教訓は重い。知らなかったことだが、かの地では放射能汚染地に住民を住まわせるという、信じがたい人体実験が繰り広げられている!これは本当に仰天させられたのだが、なんとなんと福島でも同じような人体実験が実施されている!新聞テレビは報道しなかったが、竹野内真理blogは、この不条理を許せず、チェルノブイリを見聞、IAEAにも直訴していた。
<宏池会の伝統はリベラル=国民が求める政治が基本>
政治家・鈴木俊一は、保守本流の流れを・継承する人物のはずである。いまは菅内閣のもとで、自民党の環境・温暖化対策調査会の会長だ。
公表された内容は、臥龍点睛を欠く対策であって、311の教訓を柱にしていない浅薄な中身である、とあえて指摘しなければならない。福島の汚染地域での人体実験を止めさせて、子供たちを安全な地域に移す必要がある。そのための政治であろう。池田勇人以来、宏池会政策の基本は「国民のために奉仕する」ことに尽きる。未来を生きる子供たちに、健康的な環境を約束する政治でなければならない。
ドイツに見習うしか方法はない。
<自公政権の大罪は原発を「核の平和利用」という虚構を押し付けたこと>
自民党と公明党の大罪は、いくつもあるが311の教訓を排除して、原発再稼働を推進していることである。子供たちの未来を奪いつくそうとしている。そのことに気付かない愚かな自民党と公明党である。
依然として「核の平和利用」という利権政治にどっぷりつかってしまっていることである。恐ろしい誤まれる虚構にしがみついている政治は、真の政治ではない。保守本流の大義に目覚めて、原発全廃を政府の政策の核心に据えるべきである。強く要望し、子供たちが安心できる環境・温暖化対策を打ち出して欲しい。善幸流に期待したい!
2021年5月25日記(東芝不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
(時事)自民党の環境・温暖化対策調査会鈴木俊一会長)は、政府が見直しを進めている地球温暖化対策計画に関する提言を大筋でまとめた。温室効果ガス排出量を2030年度に13年度比で46%削減する新目標の達成に向け、同党議員や中央省庁職員が率先して自宅への太陽光パネル設置や電動車購入などに取り組むよう強調。今週にも二階俊博幹事長や小泉進次郎環境相らに提出する 。
(筆者もまだ見ていない、送信されたばかりの竹野内真理blog)
http://takenouchimariessay.blogspot.com/2014/11/blog-post.html
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