子供の頃から空と地のあわいの丘へと登って
樹々の間をゆったりと流れる春の海を見るのが好きだった
日曜になるといつも文庫本を持って
樹々と海とが見える山の牧場から潮流を見下ろしていた
いつも傍らで牛たちがのんびりと草を食んでいた(なんて幸せな奴らだったろう!)
それ以来給食の牛肉が食べられなくなった
ぼくはたいていいつも宮沢賢治の本からふっと目をあげて
海へ堕ちゆく夕陽の真ん中の給水塔を見上げる(塔中ではポー短編のような渦巻き!)
爽やかな春の街を胸を張って歩いてゆく
初恋のきみが見えたような気がしてポッと頬を赤らめた
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