マスコミ各社が一斉に成層圏ドローン開発競争が激化していると伝えていた。エアバス、ボーイング、ソフトバンクなどが開発実績を上げつつあると言う。
天候の影響を受けず、旅客機も飛行せず、飛ぶのは偵察機だけという成層圏。そこでドローンを飛ばそうと、航空大手や大手テクノロジー企業が開発競争を繰り広げている。
太陽光による電力で高高度を飛行するドローンはコストや操縦性、配置の早さなどの点で既存の人工衛星より有利な可能性があるという。
エアバスが開発した高高度ドローン、ゼファーSはこのほど滞空時間の世界記録を達成した。総滞空時間は25日23時間57分間となる。英国で建設されたドローンは、アリゾナ州から離陸し、安全に帰還した。これまでの飛行記録は14日間であった。
ゼファーSは地上20数Kmの成層圏の長時間運用を目的としており、超音速旅客機コンコルド、U2偵察機、マッハ3 SR-71ブラックバードより高い高度を飛行する。このドローンは、従来の衛星の代用としてコストを抑え、柔軟な運用を可能とする。実際には衛星では分類されない高高度航空機であるが、衛星同等の役割を果たすことができるため、衛星と比べても市場競争力がある。
エアバス社は、ゼファーSが成層圏を飛行する最初のドローンで、機体に炭素素材を使うため 軽量(75kg)であることが特徴で、25メートルの翼幅を持つグライダーのような機体形状である。西オーストラリア州ウィンダムの拠点が今年後半に開業する予定である。ゼファーSのアプリケーションには、遠隔通信、海上監視、国境巡回、環境変化の測定、森林火災や油流出のモニタリングが含まれる。機体は模型飛行機をスケールアップしたようなもので3名で滑走路なしに離陸できる。ゼファーSのペイロードは5kgだが大型化したゼファーTでは20kgとなる。
成層圏に薄いが空気があるので、プロペラで運航でき、エネルギーは太陽光発電で賄う。
大気圏の温度を横軸でケルビン温度で示してある。摂氏との対応は以下の図の通り。
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