達磨。

この掛け軸の、だるまの絵は子供の頃よく見て育った。
髭だるまが、じろりと目を見張って、こちらを睨めている。
中の文字は読めなかったが、今看ると、
晩酌の友ほしや、
ひとり達磨さん。
と書いてあるのだ。
なかなかひょうきんだ。
晩酌の相手のいないのは、こちらとて同じだ。
明日、遅い新幹線で、東へ帰る。
雨に濡れ、汗にまみれ、
よく働いたので、ご褒美に、だるまさんと一緒に晩酌だ。