このところ、珍しいチョウがやってくる。嫌われ者の、青虫か毛虫だったかもしれない。生き延びてチョウに孵った。
青葉の茂みを超えて、ひらひらと。
真夏日といわれる暑さ、夕刻水を撒くと、土が水を吸うにおいがする。
この暑さで蟻が働き出した。
「虫も殺さぬ顔して、ありを殺す」
戦争は人殺しだ。大量殺人だ。正義の戦いと言っても、人殺しだ。どちらに加担しても、殺人に巻き込まれる。
永世中立といかないものか。
武器は血を吸いたがっている。軍備は、戦争を前提としたものだ。
丸腰も怖い。武器を持ってもリスクがある。
人間は、二足歩行の哺乳動物に過ぎない。
群衆は、生シラスが、渋谷の交差点を行き来している様にだ。我もまた、生シラスの一匹に過ぎない。小さな命。
生シラスや蟻んこと同じ小さな命の一つに、我もある。
生き死にのこと、青虫が鳥に啄ばまれるか、蝶に孵るか。運命だ。
球根が、地に残り、季節が来て、芽をだし、花を咲かせるように、再生可能な命もある。
死んで蘇る命の保証はない。
戦争は嫌だ。