拝啓 法務大臣様
あなたは、死刑執行の印かん捺す仕事の自動化を考案され特許申請されるそうですが、けだし妙案というべきことで御座います。
死刑の是非や、死刑囚の罪状などは、この際置いといて、つまり法務大臣の実務の忌避にかかわることで御座いますね。
ベルトコンベアーで流れてきた死刑執行の認証用紙に、あなた様のおでこに取り付けた印鑑を、ペコタン、ペコタンと頭を下げて捺されるというわけで、効率の良いお仕事になります。(ちまたのパートさんの時給にすれば600円ほどでしょうか、あるいは当節そんなに貰えないかもしれません。)
地獄の閻魔様も思いつかないグッドアイデアで御座ります。
しかし、如何に刑が確定した死刑囚といえども、血肉の通わない機械で死刑執行令に押捺されたとあっては、死んでも浮かばれますまい。
閻魔様に尋問され、何でお前はここに来た、もう一度戻れと言われ、Uターン、死刑囚の亡者が、行き場がなくて法務大臣、あなた様の周りをゆーらゆら、ゆーらゆら。
今一度、自動化の件はお考えあそばして、お取り下げになされますことが賢明かと存知、ご進言申し上げます。
軽薄 敬白
吉天(署名捺印)
平成○○年某月某日
裁判官はそのむごたらしさが尋常でないから、死刑判決を出す、それは分からないことはありません。
法務大臣は、事件を半分以上お忘れでしょう。となると、誰しも気持ちの良い仕事ではないですが。私もあれあれと思いました。死刑囚で長期収監の人も少なくないようですね。
人が裁き、人が死刑を執り行うのですから、法務大臣としても、はんこ捺したくない気持ちは分かりますが、ベルトコンベアーで、自動的にと言うのは、ちと如何なものかと。
こんな発言が出るようでは、福田内閣の閣僚(安倍さんの時からの中古大臣が多い)も危ないものですね。