ちゃぶ台に、尾頭付きの小さな魚と、徳利にお猪口、女店主のお酌で成人の日にお祝いしてもらった。
高卒で、従業員30名ほどの店に住み込み店員として、上京。
二年して成人を迎えたのである。
当時は、今のような成人式は無く、店で成人に当たるのは一人であった。
就職難の時代で、仕事のえり好みはできなかったので、爾来その会社(店)一筋で勤め上げた。
店員三〇名だったその店も、2000人にのぼるチェーン店の会社になった。
会社の歩みと共に、発展に寄与できたのは、たった一人の成人の日を祝ってもらった店主の心づくしのお陰だと思っている。
その女性店主だった人は、現在御年94歳の名誉会長でカクシャクとしておられる。
ちゃんとお祝いしてくださった、良い思い出ですね。
父母にも長生きしてもらいたかったです。
今日、街に出ましたら、振り袖姿の新成人のお嬢様たちに出会いました。
自分の成人の日を思い出しました。
店員の中で成人に該当するのはたった一人でしたので、女性社長の心づくしのお祝いが有難く思いました。