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文様に親しむ「紫陽花文」

2007年06月19日 | 文様・模様・家紋の世界

先日のテレビでのアンケートで、この時季、鎌倉へ行く理由の第三位は、大仏様、第二位は銭洗い弁天や、八幡宮。第一位は何と「あじさい」。

紫陽花 人気で、今回は「紫陽花文様」。

日本の文様は、四季の花々をうつした植物の文様が多い。梅、桜、椿、藤、菊、紅葉など数多い中で、紫陽花は比較的少ないほうであるが、昔から、陶磁器や蒔絵、小袖や能衣裳に優れた意匠を残し、現代では、ゆかたや、きもの、帯の模様として親しまれている。

他の花が四季を通しての模様に使われるのに対し、紫陽花は夏限定と受け止められて、出番が少ないのかも知れない。

しかし、紫陽花は日本固有の花として、世界にも誇るべき花木である。

その名の由来の、アジサイとは、「集まる真の藍」と言う意味で、古には、「集真藍」と書きアズサイと呼ばれ、ズがジに転じてアジサイとなったと言われている。

このアジサイは、日本固有の花であり、中国には元来無い植物で「紫陽花」と言う事はない。白楽天の詩の中に出てくる紫陽花と言う別の花をアジサイと想い込んだのが『紫陽花』として定着したと言う。

アジサイの原種は、伊豆地方などの海岸線に野生するガクアジサイといわれる。万葉集にも詠まれているが、鎌倉時代に園芸化され、青紫の大輪の花が好まれ江戸時代に文様化された。

因みに歳時記で、アジサイの季語を拾ってみると、あずさい・手毬花(てまりばな)・四葩(よひら)の花・七変化(しちへんげ)・八仙花(はっせんか)・かたしろぐさ・刺繍花・瓊花(たまばな)など、この花の特性がよくわかる。 あずさい・よひらなどは、あじさいの古名。

紫陽花やはなだにかはるきのふけふ  正岡子規

紫陽花や帷子(かたびら)時の薄浅黄(うすあさぎ)  芭蕉

紫陽花文様の工芸には、

「色絵紫陽花図皿」 色鍋島 江戸時代  東京・松岡美術館蔵2_053

「紫陽花蒔絵螺鈿硯箱」 木製漆塗  江戸時代  東京国立博物館蔵

「紫地紫陽花雲模様 舞衣」 絹  江戸時代  東京国立博物館蔵2_054

「紫陽花模様縫箔」 能装束 江戸時代  サントリー美術館蔵2_059

2_058

そのほか、多くの名品がある。

本土寺のあじさい実写2_0502_0372_051

2_052


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1 コメント

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フォトは、眼の検査ではありません。携帯のデジカ... (吉天爺)
2007-06-20 01:01:43
フォトは、眼の検査ではありません。携帯のデジカメ(デバカメに非ず)でひどいピンボケでごめんなさい。あしからず。
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