「ここら辺に、大山椒魚がいましたよね?」
と、係のおじさんに聞くと、
「あぁ、あぁ、おりましたで!」と、嬉しそうに応えてくれた。
「太い一本だけのうどんも、あの頃ありましたよねぇ?」
と、嬉しくなって更に続けると
「あったあった!一本うどん!!」
おじさんはにこやかに話しかけてくれた。
「知ってはるかぁ、近頃の若いもんは知らんでなぁ。なんやぁ、同世代やなぁ!」
きゃあきゃあ笑ってその場を離れたけれど、
後でぴぃと強く語りあった。
「同世代ちゃうやんな!絶対、おっちゃんの方が歳上やんな!!」
「せやなぁ、難儀やなぁ、同世代って言われたなぁ。」
と、言いながら内心思った。……案外、歳下やったりして
もう、6年になるかしら……
おじちゃんに癌が見つかって、会えなくなるかもしれないからと
無理して背の君と二人で来た時に立ち寄ったこの場所へ
ぴぃと、ろんと、ぽんと、4人で行って来た。
あれから従姉貴とおじちゃんが、
先に逝ったおばっちゃんの所へ、そそくさと行ってしまったが
今回は従弟の四十九日の法要だ。
うんと小さい頃に海水浴への道すがら、
従兄弟達と一緒に何度も連れて来てもらったこの場所は
ここ数年で俄かに観光地となって、随分と綺麗になっていた。
以前は階段が薄暗くて、立ち寄らなかった美術館もすっかり様変わり。
マンモスやトリケラトプスの化石のレプリカに
あらゆる宝石の原石が素朴ながらも存在を主張して、なかなか見ごたえかあった。
なかにはこんなのも
あれやこれやを見て、わいわい騒ぎながら笑いたかったよね。
きっと、そこにいない事に慣れる事はないのだろうな。
でも、見えなくてもいるんだろうな。
いると思うから、どんなに涙が溢れても笑えるんだろうな。
今年は見送る年だったようだ。
もう、これ以上は嫌だ!!
いつか見送られる立場になった時に後悔しないよう
今を大切にしてこれからに繋げなきゃ。
まだ、間に合うと信じよう。
かぁちゃんが別世界で生きる様になってから
従兄ちゃんは4人も身内を見送った。
帰るとき、従兄ちゃんは、弟の絵を描き始めていた。
涙をこらえて、笑ってバイバイした。
またね