きたかぜさんがぴゅーぴゅーとふいていました。
おそらのうえからもしたからも はいいろのくもがやってきて ちょっとこわいとおもいました。
わたしは おかあさんとてをつないで おそとをあるいていました。
おばあちゃんもいっしょでした。
おばあちゃんは「さむくない?だいじょうぶ?」と しんぱいしてくれました。
わたしは とってもさむかったけど「だいじょうぶ!」と いいました。
だってわたしは ぽすとにおはがきをいれたかったのだもの。
だいすきな ひいおばあちゃんが あるけなくなっちゃったので
「おばあちゃん がんばってね。」って かいてあげたかったの。
おばぁちゃんとおかあさんにおしえてもらって いっぱいれんしゅうして やっとかけたの。
じゅうしょだって ぜんぶじぶんでかきました。 むずかしかったけどがんばりました。
いっしょうけんめいかいたので じぶんでぽすとにいれたいとおもいました。
きたかぜさんにとばされないように ぎゅっともちました。
なのに・・・
とんでいってしまったの。
ぎゅっともってたのに いっしょうけんめいもってたのに
きたかぜさんが わたしのおはがきを もっていってしまいました。
わたしとおかあさんとおばあちゃんは はしっておはがきをおいかけました。
だけど おはがきは くるくるとまわりながら おそらにむかっていきました。
はいいろのおそらに・・・
いっしょうけんめいかいたのに・・・
きたかぜさんが わたしのおはがきを もってっちゃいました。
わたしはかなしくて かなしくてかなしくて おおきなこえでなきました。
きたかぜさんにまけないくらい おおきなこえでなきました。
なみだで ほっぺがつめたくなりました。
でも、なみだはどんどんでてきました。
*******************************************************
な~んて感じかしらね
時折小雪の舞う冷たい日。耳元で風が唸り声を上げていた。
私はかぁちゃんがデイの車から降りてくるのをぴょんぴょん飛び跳ねながら待っていた。
「寒い~っ!!」とスタッフさんとの挨拶もそこそこに かぁちゃんを受け取って
両手をひいてそろりそろりと後ろ歩き・・・ふと吹き溜まりに目をやると、それはあったのだ。
太い鉛筆でひらがなばかりの、たどたどしい文字が書かれた一枚のはがき。
「あれま。」とかぁちゃんを支えながら、よいしょと拾い上げると、表書きにはちゃんと住所がある。
ここの住人だと分かったので、かぁちゃんをベッドに寝かせた後で
集合ポストに名前を探して そっと入れておくつもりだった。
外階段をうんしょうんしょと上って踊り場でちょっと休憩
・・・しようと思ったら、三人の親子連れが目に留まった。
そういえば、降りる時から駐車場を縫うように歩いている三人に気付いてはいたのだ。
様子からただの散歩ではない事は容易に分かった。だいたい散歩するには寒すぎる。
・・・え?もしかして・・・おばちゃんは逞しい!気になったら大声で叫ぶのだ。この時も然り
「もしかして、はがきか何か探しておられます?」(←か?はなくて語尾を上げるのが一般的)
と、叫んだら、御三人はこちらを見て、ちいさな女の子を真ん中に、手を繋いで走って来られた。
猛スピードだものぉ
かぁちゃんが階段を上りきる前に追いついて「はがきがありましたかぁ?」って・・・
あら、6階の奥様じゃぁありませんか(笑)
はがきを飛ばされて、女の子は大泣きしながら探し回っていたようだ。
お礼を言うように促されたちっちゃなレディは、口を開きかけた途端にまた涙がぽろぽろと
「ありがとうございました。」とやっとこさで言うと、後はまた泣きじゃくっていた。
あ・・・哀しい涙が今、嬉しい涙に変わった・・・
寒い寒い冬の午後。
心がちょこっと暖かかった。
おそらのうえからもしたからも はいいろのくもがやってきて ちょっとこわいとおもいました。
わたしは おかあさんとてをつないで おそとをあるいていました。
おばあちゃんもいっしょでした。
おばあちゃんは「さむくない?だいじょうぶ?」と しんぱいしてくれました。
わたしは とってもさむかったけど「だいじょうぶ!」と いいました。
だってわたしは ぽすとにおはがきをいれたかったのだもの。
だいすきな ひいおばあちゃんが あるけなくなっちゃったので
「おばあちゃん がんばってね。」って かいてあげたかったの。
おばぁちゃんとおかあさんにおしえてもらって いっぱいれんしゅうして やっとかけたの。
じゅうしょだって ぜんぶじぶんでかきました。 むずかしかったけどがんばりました。
いっしょうけんめいかいたので じぶんでぽすとにいれたいとおもいました。
きたかぜさんにとばされないように ぎゅっともちました。
なのに・・・
とんでいってしまったの。
ぎゅっともってたのに いっしょうけんめいもってたのに
きたかぜさんが わたしのおはがきを もっていってしまいました。
わたしとおかあさんとおばあちゃんは はしっておはがきをおいかけました。
だけど おはがきは くるくるとまわりながら おそらにむかっていきました。
はいいろのおそらに・・・
いっしょうけんめいかいたのに・・・
きたかぜさんが わたしのおはがきを もってっちゃいました。
わたしはかなしくて かなしくてかなしくて おおきなこえでなきました。
きたかぜさんにまけないくらい おおきなこえでなきました。
なみだで ほっぺがつめたくなりました。
でも、なみだはどんどんでてきました。
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な~んて感じかしらね
時折小雪の舞う冷たい日。耳元で風が唸り声を上げていた。
私はかぁちゃんがデイの車から降りてくるのをぴょんぴょん飛び跳ねながら待っていた。
「寒い~っ!!」とスタッフさんとの挨拶もそこそこに かぁちゃんを受け取って
両手をひいてそろりそろりと後ろ歩き・・・ふと吹き溜まりに目をやると、それはあったのだ。
太い鉛筆でひらがなばかりの、たどたどしい文字が書かれた一枚のはがき。
「あれま。」とかぁちゃんを支えながら、よいしょと拾い上げると、表書きにはちゃんと住所がある。
ここの住人だと分かったので、かぁちゃんをベッドに寝かせた後で
集合ポストに名前を探して そっと入れておくつもりだった。
外階段をうんしょうんしょと上って踊り場でちょっと休憩
・・・しようと思ったら、三人の親子連れが目に留まった。
そういえば、降りる時から駐車場を縫うように歩いている三人に気付いてはいたのだ。
様子からただの散歩ではない事は容易に分かった。だいたい散歩するには寒すぎる。
・・・え?もしかして・・・おばちゃんは逞しい!気になったら大声で叫ぶのだ。この時も然り
「もしかして、はがきか何か探しておられます?」(←か?はなくて語尾を上げるのが一般的)
と、叫んだら、御三人はこちらを見て、ちいさな女の子を真ん中に、手を繋いで走って来られた。
猛スピードだものぉ
かぁちゃんが階段を上りきる前に追いついて「はがきがありましたかぁ?」って・・・
あら、6階の奥様じゃぁありませんか(笑)
はがきを飛ばされて、女の子は大泣きしながら探し回っていたようだ。
お礼を言うように促されたちっちゃなレディは、口を開きかけた途端にまた涙がぽろぽろと
「ありがとうございました。」とやっとこさで言うと、後はまた泣きじゃくっていた。
あ・・・哀しい涙が今、嬉しい涙に変わった・・・
寒い寒い冬の午後。
心がちょこっと暖かかった。