「殺す者と殺される者」(ヘレン・マクロイ)を読んだ。
あとがきには、半世紀も昔に出版された幻の名著が創元推理文庫50周年記念で復刊リクエスト第三位に登場し、このたび再登場となった、とあります。
遺産を相続し、亡母の故郷に引っ越しした主人公の身辺で起きる異変。
運転免許の紛失、差出人不明の手紙、そして事故死。と不可解なことが
たてつづけに起こるので、つい一気に読んでしまいます。
タイトルは文中の「殺す者と殺される者が夫と妻である場合、動機の証明は不要
である」というセリフに由来しています。以前読んだ小説にも、「たとえニューヨーク
で妻が殺された時刻にシアトルにいようとも、第一容疑者は夫である」みたいな
ことが書いてあって、いかにも殺しあうのが当然みたいに思われるものなんですね、
夫婦は。
冒頭に「この回想録は結局、…わたしの記憶にある真実から構成されているに
すぎない」とあり、あ、これはのちのち重要になってくるんだろうなぁ、と思っていたら
まさにその通り。詳しくは書きませんが、最初に手の内を明かしています。
それでもすごく楽しく読めたし、トリックも、現代人なら「あぁ、アレね」と思いがち
ですが、これが1950年代に書かれたのが何と言ってもスゴい。
逆に当時、これは現実的なトリックとして一般的に認められてたのかなぁ。
とにかく「幻の~」といわれるだけのことはあります。読む価値あり。
ちなみに最初に書いた創元社の第1位もこの作者の「幽霊の2/3」という
小説らしい。これも次に読むつもり。
楽しみ!
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