国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

独仏両国が支配するEUとオーストリア・ハンガリー二重帝国の類似性

2007年07月01日 | 欧州
第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件が起きたのは1914年の6月28日である。1863年以来の皇帝一族の悲劇的な殺害事件や不審死は、陰謀論的立場からは国際金融資本による計画的犯行の可能性も考えられるだろう。 かつて私は「覇権国家米国を凌駕する見えないドイツ」はオーストリア+カトリック(バチカン)ではないか という説を取り上げたことがある。現在のローマ教皇はカトリックの牙城のバイエルンのオーストリア国境に近い地域出身である。現在のドイツ首相であるメルケルはオーストリア人ヒトラーの娘であるという真偽不明の情報もある。そして、現在のフランスの大統領は亡命ハンガリー貴族の息子のサルコジである。欧州大陸の中央に位置しておりEU内で人口の最も多い民族がドイツ人(ドイツ+オーストリア+スイス中部・東部)であり、二番目がフランス人(フランス+ベルギー南部+スイス西部)であること、オーストリア皇位継承者のオットー・フォン・ハプスブルグがEU統合推進派の欧州議会議員として長年活躍したことを考えると、独仏連合によって支配されつつある現在のEUはドイツとハンガリーの二民族に支配されていたかつてのオーストリア・ハンガリー二重帝国の再来であるという見方ができる様に思う。 かつてのオーストリア・ハンガリー二重帝国の民族構成はドイツ人が最多で24%、二番目がハンガリー人の20%であり、三番目のチェコ人(13%)以下を大きく引き離していた。二重帝国はドイツ人・ハンガリー人が主導権を握るために苦心したとされるが、これは独仏両国が現在トルコのEU加盟に反対していることとよく合致する様に思われる。現在人口7000万人、近い将来に人口がドイツを上回る1億に達するとされるトルコのEU加盟はEUに於ける独仏両国の主導権を破壊してしまうからだ。また、帝国はオーストリア帝国とハンガリー王国に二分され、ウィーンとブダペシュトの二つの首都を持っており、両国は共同外務省と共同財務省を設置して、外交・軍事・財政以外の内政権をハンガリーに対して大幅に認めたとされるが、それは現在のEUの国家像に似通っている面もある。 . . . 本文を読む
コメント (3)