国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

植民地化する中近東・北アフリカ産油地帯

2011年02月27日 | 中近東地域
NATO、EU、国連安保理などがリビア情勢を人道的見地から取り上げ、制裁や軍事介入を検討し始めた。これは、非人道的独裁政権として米国が非難し軍事介入を行ったイラクと同じ状況である。今後、サウジアラビア東部の少数派シーア派が住む油田地帯でも同様の紛争が発生し、西側諸国による制裁や軍事介入が起きることが予想される。イランの大油田地帯であるフゼスタン州も少数民族であるシーア派アラブ人が主要民族であり、将来イラクからサウジ東部にかけてシーア派アラブ人国家が誕生した場合にはフゼスタン州もそれに参加する可能性がありうる。その結果は、中近東や北アフリカでの広範囲な国境線の引き直しである。恐らく欧米支配階層は、人道的見地という建前のもとに中近東や北アフリカの産油地帯を軍事的に支配し勢力下に収めることを狙っているのだと思われる。これは、事実上の半植民地化であり、19世紀に欧米各国が途上国を植民地化した状態への逆戻りを意味するのではないかと思われる。欧州の植民地を独立させた20世紀の米国の世界覇権が終焉し始めて、世界は19世紀へと回帰するのではないかと私は想像している。 . . . 本文を読む
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