●ユーラシア大陸横断鉄道:栢洲世策考廠 - AOLダイアリー 2004/10/1
ユーラシア横断鉄道構想というものがある。
これはシベリア鉄道を軸とした構想で、樺太島内の鉄道を1520mmに広軌化し、最狭部が5km程度しかない間宮海峡下に海底トンネルを敷設、アムール川河口からコムソモリスク・ナ・アムーレまで新線を建設し、バム鉄道・シベリア鉄道に繋ぐというものである。更にこれを、宗谷海峡下に海底トンネルを建設した上で、日本国内と欧州を直接結ぶという野心的な構想である。シーパワーとランドパワーの違い・差異の大きな要因の一つは、その輸送力の違いである、ということを考えれば、シベリア鉄道の近代化は想像以上の波及効果を期待できる事業だろう。アメリカのある銀行はこの構想に対して「金額上限なし」での融資を決定したという。今後本格化するシベリアでの天然資源の開発と有力な市場である日本と結ぶこの計画には投資先として大いなる魅力があるのだろう。過去に間宮海峡トンネルの話は一度流れたことがある。しかし、第2次プーチン政権はこの構想を復活させたという。
ただ・・・・
本当にこの日本と欧州を直接結ぶ鉄道ルートは有望で、日本にとって魅力的な話なのだろうか?私にはいくつか決定的な問題があり、この話には問題点が多すぎると考えている。
まず、間宮海峡下のトンネルはさしたる難工事でもなく、またロシアの国家政策如何では実現される可能性はある。しかし、将来にわたって極東において日本がロシアに対して圧倒的に有利な立場を維持しようとした場合、ロシア極東の人口はより少なく、インフラはより脆弱な方が望ましい。特に、北方領土の目と鼻の先に当たる樺太はロシアの僻地であり続ける方がよい。仮に将来において日露が中国を仮想的として防衛協力を行う場合ロシア軍の極東に於けるプレゼンスが低ければ低いほど日本がイニシアティヴを確保しやすい、というものである。その意味で日本がわざわざ樺太・大陸連絡鉄道の実現に協力する必要性は極めて乏しい。
その逆に、ロシアが樺太・大陸連絡鉄道を放棄するなら宗谷海峡トンネルは日本にとって戦略的意義のあるものになろうが、大陸と結ばれていない、純粋に日本と樺太を結ぶだけの宗谷海峡トンネルなど今度は経済的に成立しないだろう。また、ロシア側が宗谷海峡トンネルのみを建設し、間宮海峡トンネル建設を放棄する、などと言った馬鹿げた条件を飲むはずがない。
また、地図を見てみれば分かる話だが、日本からの貨物を宗谷・間宮両海峡を経てシベリア鉄道と結ぶルートは新潟・伏木・酒田・秋田・舞鶴・境港・北九州等と直接ナホトカ・ヴラディボストークを結ぶ航路と較べて三角形の2辺を経由する大迂回ルートである。これでは鉄道によるスピードアップも意味のないものとなってしまうであろう。わざわざレールで両国を直接結ぶ意義はあまり無い。
更に、問題は鉄道そのものにもある。日本の鉄道と、樺太の鉄道(日本が建設)は日本の在来線規格である反面、ロシアの鉄道は当然車体の大きさは欧州規格である。レールの幅の違いはフリーゲージ台車等の実用化に目処が付いている為殆ど困難はないだろうが、この車両限界の違いこそが致命的なのである。現在日本では東北新幹線において、山形新幹線用の車両である400系・E3系と東北新幹線用の2階建て車両であるE4系が東京・福島間でかなり違和感のある併結運転をしているが、この両者の車両サイズの違いが、日本の車両限界と欧州・ロシアの車両限界の差である。当然、在来線サイズの車両が新幹線を走ることは出来ても、その逆は不可能である。つまり、日本からロシアまで直通の貨物列車を運転しようとするのなら、シベリア鉄道に極端に小さな貨車を運転することになる。日本の貨車の場合、国際規格のコンテナは1両にやっと一つ積める程度だが、欧州・ロシアの貨車なら2個積める。日本の在来線の貨車をシベリア鉄道まで直通させることは経済的に得策とは言えず、現実的には国境でコンテナを積載する貨車を交換する方が合理的といえるだろう。それならば・・・・・国境での税関通過等も考えれば、距離的にも近い日本海を経由した海上ルートの方が遥かに有利である。日露両国の港湾施設を改良し、港の荷捌き能力の向上とダイヤの連絡緊密化、コンテナ船の改良・高速化を図る方が良い。当然、多額の費用をかけて宗谷海峡トンネルや間宮海峡連絡鉄道を建設する必要もない。
日本として日欧を鉄道という輸送効率が非常に高く、かつ船舶に較べて迅速な輸送な可能な交通手段によって物流ルートを整備することは経済的にも意義のある話であり、戦略的には日本とペルシャ湾を結ぶシーレーンの補助ルートとしての位置付けも可能になる。事実シベリア鉄道はクラスノヤルスク以西では中央アジア諸国の鉄道と結ばれている。が、だからといって直接レールで結ぶことに拘る必要は無いだろう。日本が協力すべきは、シベリア鉄道の路盤強化(コンクリート枕木化、道床厚の増大、橋梁の架け替え等)、通信設備の改良(既に日本の一部企業が携帯電話技術を応用した列車運行管理システムを売り込んでいる)等であろう。信号施設・列車運行管理技術が向上すれば全線複線電化のシベリア鉄道の輸送力はまだまだ伸びる余地がある。日本としては北方領土問題に固執する余り、シベリア鉄道の重要性を看過してはならないだろう。
http://diary.jp.aol.com/w8mfkpf/19.html
●サハリン 日本統治時の鉄道を改軌 共同通信 2002-07-30
【モスクワ30日共同】ロシア通信によると、ロシアのファデーエフ鉄道相は三十日、日本統治時代に建設されたサハリンの鉄道を全面的に改修する決定をした。軌道幅も拡大し、大陸の軌道と同じ幅にする予定。サハリンの鉄道は老朽化していた上、日本が統治していたサハリン南部とロシア領のサハリン北部で軌道幅が違っており、列車の運行に支障が出ていた。鉄道相は「大変な仕事だが、サハリンの鉄道のみならず、経済発展のためにも改修は必要だ」と述べた。
http://www.asyura.com/2002/bd19/msg/199.html
●ロシア極東鉄道路線図
バム鉄道の経由する大都市コムソモリスク・ナ・アムーレから、アムール河沿いに北東に伸びる青色の鉄道支線(鉱山会社の保有する単線非電化の私営鉄道らしい)がYagodnyyと言う地名まで伸びている。そこから延伸して間宮海峡を越えてサハリン北部のNoglikiに至る黄色の線は現在計画中の鉄道路線である。宗谷海峡には鉄道計画路線は示されていない。
●樺太の鉄道データベース
[6858] 2002 年 12 月 23 日 (月) 14:11:38 ニジェガロージェッツ さん
間宮海峡海底トンネル
遅れレスになり、申し訳ありません。
スターリン時代に工事が行われた間宮海峡を越える鉄道建設についてですが、実際には連絡橋ではなく海底トンネルですね。
ソ連の樺太(サハリン)領有後、樺太の鉄道と大陸の鉄道を結ぶ計画について、1950年4月3日、ソ連邦共産党委員会会議で審議され、同年5月5日ソ連邦閣僚会議決定の法令として
1. 大陸側コムソモリスク・ナ・アムーレから間宮海峡ラザレフ岬までの鉄道
2. 間宮海峡ラザレフ岬から樺太側ポギビ岬までは海底トンネル
3. ポギビ岬からポベージノ(古屯、旧日本国鉄最北端の駅)まで鉄道
の建設が決定されました。
探検事業、道路と鉄道の設計および建設を1955年までに完成させることとなりましたが、極秘事項となり、外部には報道されませんでした。実際に建設にあたったのは囚人で、樺太側に506号監獄建設会社、大陸側ラザレフに507号建設会社が配置され、多い時には女性を含む囚人9600人が連行されたそうです。噂によると多くの囚人は命を落としていったそうです。工事は順調に進み、ラザレフ岬、ポギビ岬の両側から建設は始められ、両岬から沖には突堤が伸び、その先端にはトンネル通風用の人工島(直径90m)も設けられ完成に近づきましたが、1953年3月5日スターリンが死去、後に囚人の大赦が公示されました。現場では同年4月20日に労働者の刑期短縮のため監獄の一部は廃止され、5月20日までには506号監獄全体が閉鎖となり、建設工事は停止したそうです。
手持ちの1993年版サハリン州20万分の1地形図を見てみると、間宮海峡最狭部(ロシア名、ネヴェリスキー海峡)の距離は約7.3キロで、ラザレフ岬側中岬(スレードニー岬)からは沖合いに0.8キロ程の突堤がポギビ方向に伸びているのが分ります。また、樺太ポギビ側の突堤は消えていますが(流氷で壊されたらしい)、岬から内陸に東へ30キロ程にわたり周辺とは不自然な道路が伸びています。また、岬から南15キロ程の海岸にドルージバ(友好)と名づけられた無人集落があり、ここからも東へ不気味なほど太い道路が伸びていますが、トンネル工事との関係は判りません。
時代は移り、現地でも海底トンネルについては忘れ去られ、ポベージノ(古屯)以北のサハリン鉄道延伸は1976年にアリバ、1979年にはヌィシと北進しましたが、そこからは間宮海峡のポギビには向かわず、逆にオホーツク海側のノグリキへ延伸されました。
ところで、1990年代に入り再び大陸と樺太を結ぶ新線建設構想が持ち上がりました。
これは、コムソモリスク・ナ・アムーレ東方のセリヒノからアムール河沿いに北東にシェレホヴォに伸びるバム鉄道支線からラザレフ、ポギビを経由してノグリキに至る新線をロシア規格の1520ミリ軌間で建設し、サハリン鉄道に接続する構想です。海底トンネルの長さは取付部を含めて11~13キロになるそうですが、今現在、同構想の進捗がどうなっているかは分りません。
[7098] 2002 年 12 月 29 日 (日) 01:22:00 ニジェガロージェッツ さん
間宮海峡横断鉄道の壮大なる構想
この雄大な構想の現状が気になってロシアの検索サイトで調べた結果、面白いものが出てきましたので、お知らせします。
「鉄道交通の技術経済的予備調査および設計の国立研究所長代理」という恐ろしく長い肩書きをもつS.N.シャラポフ工学博士の【ネヴェリスク海峡とトンネル(または架橋)で横断する大陸とサハリン島間の鉄道建設の論拠(セリヒン―ラザレフ岬―ポギビ―ノグリキ)】と題した記事からの引用ですが、
「検討されているセリヒン―ラザレフ岬―ポギビ―ノグリキの鉄道線は、サハリン島と大陸間の連結を可能とし、更に隣接する地域の飛躍的な発展はもとより、日本―西ヨーロッパ間の通過貨物をも引き寄せることとなろう。その有効性については2000年6月13~17日にサンクトペテルブルグ市で開催された第4経済フォーラムにおいて詳細に論じられた。」そうです。
今年(2001年)ロシア連邦交通省で「建設への投資の論拠」として、構想への融資に関する問題を提起し、それには
・作業開始にあたって重要な問題を簡潔に表現できるか。
・計画される鉄道線区における貨物と乗客の運搬について予想される程度は。
・北海道島とサハリン島を結ぶ国際トンネル(または架橋)の建設の可能性と期間、さらに将来的な運搬の規模は。
・サハリン鉄道の改築の規模は。
・ネヴェリスク海峡の横断方法の選択(架橋か、トンネルか)。
・全体的な建設コストの算定。
・実現し得る建設への投資の財源。
とし、更に運搬規模を2015年を想定して以下の項目から見積もり
・サハリン島および州の持つ本来の貨物。
・セリヒン―チョールヌイ岬―デ・カストリ―ラザレフ岬(大陸側計画ルート)鉄道沿線地域の貨物。
・新線開通の結果として新たに生じる北東ロシア地域(マガダン、ペトロパヴロフスク=カムチャツキー)の経済構想からの貨物。
・サハリン―北海道両島間の42キロメートルからなる架橋またはトンネルのヴァリアント。
・日本―西ヨーロッパ間の通過貨物。
・結果として生ずるロシアと日本の経済関係からの貨物。
その結果、
・2015年における貨物運搬総量 600万~1000万トン
・アジア太平洋地域各国から西ヨーロッパへの貨物輸送の期間短縮(東京―ロッテルダム) 15~18日
・20フィートコンテナ1台あたりの輸送経費削減額(東京―ロッテルダム) 523米ドル
・2015年における通過輸送の経費節約(238,000台) 124,500,000米ドル
とはじき出しています。
http://uub.jp/arc/arc.cgi?N=78
●世界の海底トンネルプロジェクト 企画小委員会委員 青木智幸(大成建設(株)技術センター)
2005 年5 月9 日~11 日にトルコのイスタンブールで開催された第31 回国際トンネル会議に参加した。この内、5 月10 日(火)午前中にはオープンセッションが開催された。これは、毎回テーマを決めて行われる講演会であるが、今回は世界の「海底トンネルプロジェクト」をテーマに5件の講演があった。国内では余り知られていない内容を含み読者にも興味深いと考え、ここにその概要を紹介する。
(4)ロシアの海底トンネル
ロシアでは、天候に左右されない安定した鉄道網として、下記の大陸間あるいは大陸-島間の海底トンネルの建設を計画している。
1.ネベリスク(間宮)海峡横断トンネル(ユーラシア大陸-サハリン(樺太)間)
3件の海底トンネルの中で最も優先度が高く、1947 年より検討が開始されている。海底トンネル案と沈埋トンネル案が検討されている。延長10.5km。
・海底トンネル:複線の鉄道トンネル1本。1台のTBM(シールド)により掘削する。工期6年,建設費13 億US ドル以上。
・沈埋トンネル:単線の鉄道トンネル2 本。工期9年。
2.ベーリング海峡横断トンネル(ユーラシア大陸(チュコト半島、ロシア)-アメリカ大陸(アラスカ、アメリカ)間)
次に優先度が高く、政治、経済、建設技術、操業状況によって実現性が出てくる。延長92km。単線の鉄道トンネル2 本(中心離間距離28m)。中間のダイオミード島を利用して4台のTBM(直径9m)で掘削する。地下駅4箇所。工期15 年、建設費約150 億US ドル。
3.ラ・ペルーズ(宗谷)海峡横断トンネル(サハリン(樺太)-北海道間)
トンネル延長40km。アブストラクトには詳細記述なし。発表時も計画位置の提示のみ。
http://www.jsce.or.jp/committee/rm/News/news8/tunnnel.pdf
●ロシアの海底トンネル (2005年5月10日 第31回国際トンネル会議)
http://www.ita-aites.org/cms/fileadmin/filemounts/general/pdf/ItaAssociation/ProductAndPublication/OpenSession/OS_2005_UnderwaterTunnelsRussia.pdf
●宗谷海峡線、サハリン鉄道など 稚内-ハバロフスク
http://www.h2.dion.ne.jp/~ta000603/soyakaikyoline.htm
【私のコメント】
2002年7月に発表された樺太の鉄道の軌間をロシア本土と同じ1520mmに統一する計画は現在工事が進められている様である。ロシア鉄道路線図に示された間宮海峡横断鉄道計画と合わせると、樺太の鉄道をシベリア鉄道に連結することが目的であると考えられる。宗谷海峡トンネル鉄道の優先順位が低いのは、日本側が現時点では計画に賛成していないことを示すのかもしれない。
栢洲世策考廠では、この計画を前提として日本が宗谷海峡トンネルを建設してシベリア鉄道を日本に直結させるべきかどうかについて検討を行い、日本の在来線とロシアの鉄道を直結することは合理的でないと主張している。日本の新幹線の規格はロシアの鉄道に比較的近いと考えられるので、軌間1520mmの新貨物幹線を建設するか、あるいは新幹線を1520mmに改軌すれば同じ線路を走らせることは不可能ではなくなるかもしれない。しかし、高速の新幹線と鈍足の貨物列車を同じ線路に走らせるのはやはり無理がある。従って、もしシベリア鉄道を日本に直結するならば、ロシアの鉄道規格の新貨物路線を新たに建設するか、あるいは遠い将来にリニアモーターカーが普及して新幹線の客が減った時点で新幹線を改軌して貨物鉄道に転用するしかないであろう。いずれにしても、長大な新路線の建設が前提であり、莫大な費用が必要となる。そして、国境の通関の存在、日本海を利用した海運の安価さを考えると、コストに見合うメリットがあるかどうか疑問である。悪天候による船の欠航の影響がなくなる効果はあるだろうが、悪天候による列車の運行止めも起きうるだろう。私も栢洲世策考廠と同じく、少なくとも現時点では宗谷海峡トンネルは不要であると思う。
では、ロシア政府が樺太の鉄道をシベリア鉄道に連結する計画の狙いは何だろうか?以下のような目的が想像される。
1:日本政府との密約でシベリア鉄道規格の貨物輸送鉄道の日本への延伸が決まっているか、あるいは現在交渉中である。
私は政府関係者ではないので論評不能。
2:本土と樺太を結ぶ鉄道連絡船の費用や、樺太の鉄道が本土と規格の異なることによる余剰経費の削減。
新路線建設や軌間統一の工事費用に見合うとは思えない。もし見合うなら、ソ連時代に実行されているはず。
3:樺太を鉄道で本土と一体化することで、カムチャッカやマガダンなどへの海運の拠点を沿海州から樺太に移し、海運の費用を削減する。
あり得るが、費用に見合うだけのメリットがあるかどうか疑問。樺太東岸は長期間結氷するのも欠点。
4:樺太を鉄道で本土と一体化することで、中国軍が中露国境を越えて侵入してきた際の極東地区の住民の避難先として確保する。樺太南部のユジノサハリンスクをロシア東部地域の首都、あるいは臨時首都候補として整備する。
これは最も説得力がある。ナポレオン戦争や第二次世界大戦で、ロシア軍は西方からの敵の侵入に対してどんどん東へ撤退する戦術を採った。日中戦争でも中国国民党政府は南京から奥地の重慶へと撤退した。しかし、現在のロシア極東は中露国境沿いに人口も交通網も集中しており、奥地へ撤退するための交通機関も、奥地の拠点もない。中国の脅威を考慮して、中露国境から離れた地域に拠点を置き本土と鉄道で直結するのは合理的である。最悪の場合は極東のロシア人は樺太の橋頭堡に脱出して日本の支援の元に本土奪還の機会を待つこともできる。
世界主要国が核ミサイルで武装している時代に、通常兵器のみの使用を前提としたこのような昔ながらの戦術が果たしてどこまで有効なのかは私には分からない。ただ、シベリア鉄道やハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベシシェンスクの三都市が余りに中露国境に近いこと、冬季には河川国境は凍結して地続きになることを考えると、現在のロシア極東は通常兵器レベルでも中国軍の脅威に対して脆弱であると言える。そして、現状では中露関係は比較的良好だが、将来ダマンスキー島事件の様な軍事対立が起きないという保証は何もない。それに対しては、ハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベチェンスクの三都市は最前線の軍事要塞的地域とし、現在のウラジオストクの都市機能をナホトカと樺太南部に、ハバロフスクやブラゴベシシェンスクの都市機能をコムソモリスク・ナ・アムーレに移すような政策が考えられる。そして、バム鉄道が複線電化されてシベリア鉄道のメインルートとなり、現在のシベリア鉄道は北朝鮮への鉄道輸送を行うローカル線に転落することになる。
ハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベシシェンスクの三都市は中国が全く脅威でなかった時代に国境沿いに建設された。国境沿いの方が、満州を植民地支配するのに好都合でもあったのだろう。しかしながら、中国の経済的躍進、あるいは人口の激増は今やロシア極東に対する大きな脅威となっている。この現状で、ハバロフスクやウラジオストクに更に中枢機能を集中させるのか、それとも国境から遠いコムソモリスク・ナ・アムーレ、ナホトカ、樺太南部などに中枢機能を移すのか?その答えは恐らく数年以内に分かるはずである。
【3月23日追記】
ロシアの海底トンネルのイラストを見ると、バム鉄道から間宮海峡トンネル、樺太、宗谷海峡トンネル、北海道、青函トンネルを経て本州の日本海側に路線が延びている。これは想像だが、将来北陸新幹線や北海道新幹線が完成することを前提として、乗客が激減する並行在来線等を1067mmと1520mmの三線軌道にしてロシア規格の貨物列車を日本海縦貫線に直通運転させる計画なのかもしれない。宇都宮以北の東北本線も仙台近辺以外は閑古鳥が鳴いており、三線軌道化の候補になり得るかもしれない。青函トンネルについては、1067mmと1435mmと1520mmの四線軌道にできればベストだろう。
ユーラシア横断鉄道構想というものがある。
これはシベリア鉄道を軸とした構想で、樺太島内の鉄道を1520mmに広軌化し、最狭部が5km程度しかない間宮海峡下に海底トンネルを敷設、アムール川河口からコムソモリスク・ナ・アムーレまで新線を建設し、バム鉄道・シベリア鉄道に繋ぐというものである。更にこれを、宗谷海峡下に海底トンネルを建設した上で、日本国内と欧州を直接結ぶという野心的な構想である。シーパワーとランドパワーの違い・差異の大きな要因の一つは、その輸送力の違いである、ということを考えれば、シベリア鉄道の近代化は想像以上の波及効果を期待できる事業だろう。アメリカのある銀行はこの構想に対して「金額上限なし」での融資を決定したという。今後本格化するシベリアでの天然資源の開発と有力な市場である日本と結ぶこの計画には投資先として大いなる魅力があるのだろう。過去に間宮海峡トンネルの話は一度流れたことがある。しかし、第2次プーチン政権はこの構想を復活させたという。
ただ・・・・
本当にこの日本と欧州を直接結ぶ鉄道ルートは有望で、日本にとって魅力的な話なのだろうか?私にはいくつか決定的な問題があり、この話には問題点が多すぎると考えている。
まず、間宮海峡下のトンネルはさしたる難工事でもなく、またロシアの国家政策如何では実現される可能性はある。しかし、将来にわたって極東において日本がロシアに対して圧倒的に有利な立場を維持しようとした場合、ロシア極東の人口はより少なく、インフラはより脆弱な方が望ましい。特に、北方領土の目と鼻の先に当たる樺太はロシアの僻地であり続ける方がよい。仮に将来において日露が中国を仮想的として防衛協力を行う場合ロシア軍の極東に於けるプレゼンスが低ければ低いほど日本がイニシアティヴを確保しやすい、というものである。その意味で日本がわざわざ樺太・大陸連絡鉄道の実現に協力する必要性は極めて乏しい。
その逆に、ロシアが樺太・大陸連絡鉄道を放棄するなら宗谷海峡トンネルは日本にとって戦略的意義のあるものになろうが、大陸と結ばれていない、純粋に日本と樺太を結ぶだけの宗谷海峡トンネルなど今度は経済的に成立しないだろう。また、ロシア側が宗谷海峡トンネルのみを建設し、間宮海峡トンネル建設を放棄する、などと言った馬鹿げた条件を飲むはずがない。
また、地図を見てみれば分かる話だが、日本からの貨物を宗谷・間宮両海峡を経てシベリア鉄道と結ぶルートは新潟・伏木・酒田・秋田・舞鶴・境港・北九州等と直接ナホトカ・ヴラディボストークを結ぶ航路と較べて三角形の2辺を経由する大迂回ルートである。これでは鉄道によるスピードアップも意味のないものとなってしまうであろう。わざわざレールで両国を直接結ぶ意義はあまり無い。
更に、問題は鉄道そのものにもある。日本の鉄道と、樺太の鉄道(日本が建設)は日本の在来線規格である反面、ロシアの鉄道は当然車体の大きさは欧州規格である。レールの幅の違いはフリーゲージ台車等の実用化に目処が付いている為殆ど困難はないだろうが、この車両限界の違いこそが致命的なのである。現在日本では東北新幹線において、山形新幹線用の車両である400系・E3系と東北新幹線用の2階建て車両であるE4系が東京・福島間でかなり違和感のある併結運転をしているが、この両者の車両サイズの違いが、日本の車両限界と欧州・ロシアの車両限界の差である。当然、在来線サイズの車両が新幹線を走ることは出来ても、その逆は不可能である。つまり、日本からロシアまで直通の貨物列車を運転しようとするのなら、シベリア鉄道に極端に小さな貨車を運転することになる。日本の貨車の場合、国際規格のコンテナは1両にやっと一つ積める程度だが、欧州・ロシアの貨車なら2個積める。日本の在来線の貨車をシベリア鉄道まで直通させることは経済的に得策とは言えず、現実的には国境でコンテナを積載する貨車を交換する方が合理的といえるだろう。それならば・・・・・国境での税関通過等も考えれば、距離的にも近い日本海を経由した海上ルートの方が遥かに有利である。日露両国の港湾施設を改良し、港の荷捌き能力の向上とダイヤの連絡緊密化、コンテナ船の改良・高速化を図る方が良い。当然、多額の費用をかけて宗谷海峡トンネルや間宮海峡連絡鉄道を建設する必要もない。
日本として日欧を鉄道という輸送効率が非常に高く、かつ船舶に較べて迅速な輸送な可能な交通手段によって物流ルートを整備することは経済的にも意義のある話であり、戦略的には日本とペルシャ湾を結ぶシーレーンの補助ルートとしての位置付けも可能になる。事実シベリア鉄道はクラスノヤルスク以西では中央アジア諸国の鉄道と結ばれている。が、だからといって直接レールで結ぶことに拘る必要は無いだろう。日本が協力すべきは、シベリア鉄道の路盤強化(コンクリート枕木化、道床厚の増大、橋梁の架け替え等)、通信設備の改良(既に日本の一部企業が携帯電話技術を応用した列車運行管理システムを売り込んでいる)等であろう。信号施設・列車運行管理技術が向上すれば全線複線電化のシベリア鉄道の輸送力はまだまだ伸びる余地がある。日本としては北方領土問題に固執する余り、シベリア鉄道の重要性を看過してはならないだろう。
http://diary.jp.aol.com/w8mfkpf/19.html
●サハリン 日本統治時の鉄道を改軌 共同通信 2002-07-30
【モスクワ30日共同】ロシア通信によると、ロシアのファデーエフ鉄道相は三十日、日本統治時代に建設されたサハリンの鉄道を全面的に改修する決定をした。軌道幅も拡大し、大陸の軌道と同じ幅にする予定。サハリンの鉄道は老朽化していた上、日本が統治していたサハリン南部とロシア領のサハリン北部で軌道幅が違っており、列車の運行に支障が出ていた。鉄道相は「大変な仕事だが、サハリンの鉄道のみならず、経済発展のためにも改修は必要だ」と述べた。
http://www.asyura.com/2002/bd19/msg/199.html
●ロシア極東鉄道路線図
バム鉄道の経由する大都市コムソモリスク・ナ・アムーレから、アムール河沿いに北東に伸びる青色の鉄道支線(鉱山会社の保有する単線非電化の私営鉄道らしい)がYagodnyyと言う地名まで伸びている。そこから延伸して間宮海峡を越えてサハリン北部のNoglikiに至る黄色の線は現在計画中の鉄道路線である。宗谷海峡には鉄道計画路線は示されていない。
●樺太の鉄道データベース
[6858] 2002 年 12 月 23 日 (月) 14:11:38 ニジェガロージェッツ さん
間宮海峡海底トンネル
遅れレスになり、申し訳ありません。
スターリン時代に工事が行われた間宮海峡を越える鉄道建設についてですが、実際には連絡橋ではなく海底トンネルですね。
ソ連の樺太(サハリン)領有後、樺太の鉄道と大陸の鉄道を結ぶ計画について、1950年4月3日、ソ連邦共産党委員会会議で審議され、同年5月5日ソ連邦閣僚会議決定の法令として
1. 大陸側コムソモリスク・ナ・アムーレから間宮海峡ラザレフ岬までの鉄道
2. 間宮海峡ラザレフ岬から樺太側ポギビ岬までは海底トンネル
3. ポギビ岬からポベージノ(古屯、旧日本国鉄最北端の駅)まで鉄道
の建設が決定されました。
探検事業、道路と鉄道の設計および建設を1955年までに完成させることとなりましたが、極秘事項となり、外部には報道されませんでした。実際に建設にあたったのは囚人で、樺太側に506号監獄建設会社、大陸側ラザレフに507号建設会社が配置され、多い時には女性を含む囚人9600人が連行されたそうです。噂によると多くの囚人は命を落としていったそうです。工事は順調に進み、ラザレフ岬、ポギビ岬の両側から建設は始められ、両岬から沖には突堤が伸び、その先端にはトンネル通風用の人工島(直径90m)も設けられ完成に近づきましたが、1953年3月5日スターリンが死去、後に囚人の大赦が公示されました。現場では同年4月20日に労働者の刑期短縮のため監獄の一部は廃止され、5月20日までには506号監獄全体が閉鎖となり、建設工事は停止したそうです。
手持ちの1993年版サハリン州20万分の1地形図を見てみると、間宮海峡最狭部(ロシア名、ネヴェリスキー海峡)の距離は約7.3キロで、ラザレフ岬側中岬(スレードニー岬)からは沖合いに0.8キロ程の突堤がポギビ方向に伸びているのが分ります。また、樺太ポギビ側の突堤は消えていますが(流氷で壊されたらしい)、岬から内陸に東へ30キロ程にわたり周辺とは不自然な道路が伸びています。また、岬から南15キロ程の海岸にドルージバ(友好)と名づけられた無人集落があり、ここからも東へ不気味なほど太い道路が伸びていますが、トンネル工事との関係は判りません。
時代は移り、現地でも海底トンネルについては忘れ去られ、ポベージノ(古屯)以北のサハリン鉄道延伸は1976年にアリバ、1979年にはヌィシと北進しましたが、そこからは間宮海峡のポギビには向かわず、逆にオホーツク海側のノグリキへ延伸されました。
ところで、1990年代に入り再び大陸と樺太を結ぶ新線建設構想が持ち上がりました。
これは、コムソモリスク・ナ・アムーレ東方のセリヒノからアムール河沿いに北東にシェレホヴォに伸びるバム鉄道支線からラザレフ、ポギビを経由してノグリキに至る新線をロシア規格の1520ミリ軌間で建設し、サハリン鉄道に接続する構想です。海底トンネルの長さは取付部を含めて11~13キロになるそうですが、今現在、同構想の進捗がどうなっているかは分りません。
[7098] 2002 年 12 月 29 日 (日) 01:22:00 ニジェガロージェッツ さん
間宮海峡横断鉄道の壮大なる構想
この雄大な構想の現状が気になってロシアの検索サイトで調べた結果、面白いものが出てきましたので、お知らせします。
「鉄道交通の技術経済的予備調査および設計の国立研究所長代理」という恐ろしく長い肩書きをもつS.N.シャラポフ工学博士の【ネヴェリスク海峡とトンネル(または架橋)で横断する大陸とサハリン島間の鉄道建設の論拠(セリヒン―ラザレフ岬―ポギビ―ノグリキ)】と題した記事からの引用ですが、
「検討されているセリヒン―ラザレフ岬―ポギビ―ノグリキの鉄道線は、サハリン島と大陸間の連結を可能とし、更に隣接する地域の飛躍的な発展はもとより、日本―西ヨーロッパ間の通過貨物をも引き寄せることとなろう。その有効性については2000年6月13~17日にサンクトペテルブルグ市で開催された第4経済フォーラムにおいて詳細に論じられた。」そうです。
今年(2001年)ロシア連邦交通省で「建設への投資の論拠」として、構想への融資に関する問題を提起し、それには
・作業開始にあたって重要な問題を簡潔に表現できるか。
・計画される鉄道線区における貨物と乗客の運搬について予想される程度は。
・北海道島とサハリン島を結ぶ国際トンネル(または架橋)の建設の可能性と期間、さらに将来的な運搬の規模は。
・サハリン鉄道の改築の規模は。
・ネヴェリスク海峡の横断方法の選択(架橋か、トンネルか)。
・全体的な建設コストの算定。
・実現し得る建設への投資の財源。
とし、更に運搬規模を2015年を想定して以下の項目から見積もり
・サハリン島および州の持つ本来の貨物。
・セリヒン―チョールヌイ岬―デ・カストリ―ラザレフ岬(大陸側計画ルート)鉄道沿線地域の貨物。
・新線開通の結果として新たに生じる北東ロシア地域(マガダン、ペトロパヴロフスク=カムチャツキー)の経済構想からの貨物。
・サハリン―北海道両島間の42キロメートルからなる架橋またはトンネルのヴァリアント。
・日本―西ヨーロッパ間の通過貨物。
・結果として生ずるロシアと日本の経済関係からの貨物。
その結果、
・2015年における貨物運搬総量 600万~1000万トン
・アジア太平洋地域各国から西ヨーロッパへの貨物輸送の期間短縮(東京―ロッテルダム) 15~18日
・20フィートコンテナ1台あたりの輸送経費削減額(東京―ロッテルダム) 523米ドル
・2015年における通過輸送の経費節約(238,000台) 124,500,000米ドル
とはじき出しています。
http://uub.jp/arc/arc.cgi?N=78
●世界の海底トンネルプロジェクト 企画小委員会委員 青木智幸(大成建設(株)技術センター)
2005 年5 月9 日~11 日にトルコのイスタンブールで開催された第31 回国際トンネル会議に参加した。この内、5 月10 日(火)午前中にはオープンセッションが開催された。これは、毎回テーマを決めて行われる講演会であるが、今回は世界の「海底トンネルプロジェクト」をテーマに5件の講演があった。国内では余り知られていない内容を含み読者にも興味深いと考え、ここにその概要を紹介する。
(4)ロシアの海底トンネル
ロシアでは、天候に左右されない安定した鉄道網として、下記の大陸間あるいは大陸-島間の海底トンネルの建設を計画している。
1.ネベリスク(間宮)海峡横断トンネル(ユーラシア大陸-サハリン(樺太)間)
3件の海底トンネルの中で最も優先度が高く、1947 年より検討が開始されている。海底トンネル案と沈埋トンネル案が検討されている。延長10.5km。
・海底トンネル:複線の鉄道トンネル1本。1台のTBM(シールド)により掘削する。工期6年,建設費13 億US ドル以上。
・沈埋トンネル:単線の鉄道トンネル2 本。工期9年。
2.ベーリング海峡横断トンネル(ユーラシア大陸(チュコト半島、ロシア)-アメリカ大陸(アラスカ、アメリカ)間)
次に優先度が高く、政治、経済、建設技術、操業状況によって実現性が出てくる。延長92km。単線の鉄道トンネル2 本(中心離間距離28m)。中間のダイオミード島を利用して4台のTBM(直径9m)で掘削する。地下駅4箇所。工期15 年、建設費約150 億US ドル。
3.ラ・ペルーズ(宗谷)海峡横断トンネル(サハリン(樺太)-北海道間)
トンネル延長40km。アブストラクトには詳細記述なし。発表時も計画位置の提示のみ。
http://www.jsce.or.jp/committee/rm/News/news8/tunnnel.pdf
●ロシアの海底トンネル (2005年5月10日 第31回国際トンネル会議)
http://www.ita-aites.org/cms/fileadmin/filemounts/general/pdf/ItaAssociation/ProductAndPublication/OpenSession/OS_2005_UnderwaterTunnelsRussia.pdf
●宗谷海峡線、サハリン鉄道など 稚内-ハバロフスク
http://www.h2.dion.ne.jp/~ta000603/soyakaikyoline.htm
【私のコメント】
2002年7月に発表された樺太の鉄道の軌間をロシア本土と同じ1520mmに統一する計画は現在工事が進められている様である。ロシア鉄道路線図に示された間宮海峡横断鉄道計画と合わせると、樺太の鉄道をシベリア鉄道に連結することが目的であると考えられる。宗谷海峡トンネル鉄道の優先順位が低いのは、日本側が現時点では計画に賛成していないことを示すのかもしれない。
栢洲世策考廠では、この計画を前提として日本が宗谷海峡トンネルを建設してシベリア鉄道を日本に直結させるべきかどうかについて検討を行い、日本の在来線とロシアの鉄道を直結することは合理的でないと主張している。日本の新幹線の規格はロシアの鉄道に比較的近いと考えられるので、軌間1520mmの新貨物幹線を建設するか、あるいは新幹線を1520mmに改軌すれば同じ線路を走らせることは不可能ではなくなるかもしれない。しかし、高速の新幹線と鈍足の貨物列車を同じ線路に走らせるのはやはり無理がある。従って、もしシベリア鉄道を日本に直結するならば、ロシアの鉄道規格の新貨物路線を新たに建設するか、あるいは遠い将来にリニアモーターカーが普及して新幹線の客が減った時点で新幹線を改軌して貨物鉄道に転用するしかないであろう。いずれにしても、長大な新路線の建設が前提であり、莫大な費用が必要となる。そして、国境の通関の存在、日本海を利用した海運の安価さを考えると、コストに見合うメリットがあるかどうか疑問である。悪天候による船の欠航の影響がなくなる効果はあるだろうが、悪天候による列車の運行止めも起きうるだろう。私も栢洲世策考廠と同じく、少なくとも現時点では宗谷海峡トンネルは不要であると思う。
では、ロシア政府が樺太の鉄道をシベリア鉄道に連結する計画の狙いは何だろうか?以下のような目的が想像される。
1:日本政府との密約でシベリア鉄道規格の貨物輸送鉄道の日本への延伸が決まっているか、あるいは現在交渉中である。
私は政府関係者ではないので論評不能。
2:本土と樺太を結ぶ鉄道連絡船の費用や、樺太の鉄道が本土と規格の異なることによる余剰経費の削減。
新路線建設や軌間統一の工事費用に見合うとは思えない。もし見合うなら、ソ連時代に実行されているはず。
3:樺太を鉄道で本土と一体化することで、カムチャッカやマガダンなどへの海運の拠点を沿海州から樺太に移し、海運の費用を削減する。
あり得るが、費用に見合うだけのメリットがあるかどうか疑問。樺太東岸は長期間結氷するのも欠点。
4:樺太を鉄道で本土と一体化することで、中国軍が中露国境を越えて侵入してきた際の極東地区の住民の避難先として確保する。樺太南部のユジノサハリンスクをロシア東部地域の首都、あるいは臨時首都候補として整備する。
これは最も説得力がある。ナポレオン戦争や第二次世界大戦で、ロシア軍は西方からの敵の侵入に対してどんどん東へ撤退する戦術を採った。日中戦争でも中国国民党政府は南京から奥地の重慶へと撤退した。しかし、現在のロシア極東は中露国境沿いに人口も交通網も集中しており、奥地へ撤退するための交通機関も、奥地の拠点もない。中国の脅威を考慮して、中露国境から離れた地域に拠点を置き本土と鉄道で直結するのは合理的である。最悪の場合は極東のロシア人は樺太の橋頭堡に脱出して日本の支援の元に本土奪還の機会を待つこともできる。
世界主要国が核ミサイルで武装している時代に、通常兵器のみの使用を前提としたこのような昔ながらの戦術が果たしてどこまで有効なのかは私には分からない。ただ、シベリア鉄道やハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベシシェンスクの三都市が余りに中露国境に近いこと、冬季には河川国境は凍結して地続きになることを考えると、現在のロシア極東は通常兵器レベルでも中国軍の脅威に対して脆弱であると言える。そして、現状では中露関係は比較的良好だが、将来ダマンスキー島事件の様な軍事対立が起きないという保証は何もない。それに対しては、ハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベチェンスクの三都市は最前線の軍事要塞的地域とし、現在のウラジオストクの都市機能をナホトカと樺太南部に、ハバロフスクやブラゴベシシェンスクの都市機能をコムソモリスク・ナ・アムーレに移すような政策が考えられる。そして、バム鉄道が複線電化されてシベリア鉄道のメインルートとなり、現在のシベリア鉄道は北朝鮮への鉄道輸送を行うローカル線に転落することになる。
ハバロフスク・ウラジオストク・ブラゴベシシェンスクの三都市は中国が全く脅威でなかった時代に国境沿いに建設された。国境沿いの方が、満州を植民地支配するのに好都合でもあったのだろう。しかしながら、中国の経済的躍進、あるいは人口の激増は今やロシア極東に対する大きな脅威となっている。この現状で、ハバロフスクやウラジオストクに更に中枢機能を集中させるのか、それとも国境から遠いコムソモリスク・ナ・アムーレ、ナホトカ、樺太南部などに中枢機能を移すのか?その答えは恐らく数年以内に分かるはずである。
【3月23日追記】
ロシアの海底トンネルのイラストを見ると、バム鉄道から間宮海峡トンネル、樺太、宗谷海峡トンネル、北海道、青函トンネルを経て本州の日本海側に路線が延びている。これは想像だが、将来北陸新幹線や北海道新幹線が完成することを前提として、乗客が激減する並行在来線等を1067mmと1520mmの三線軌道にしてロシア規格の貨物列車を日本海縦貫線に直通運転させる計画なのかもしれない。宇都宮以北の東北本線も仙台近辺以外は閑古鳥が鳴いており、三線軌道化の候補になり得るかもしれない。青函トンネルについては、1067mmと1435mmと1520mmの四線軌道にできればベストだろう。
179 :名無しさん@3周年:2007/03/28(水) 22:38:40 ID:y5uRNeSH
で、江田島は本当にユダヤを、北方領土に連れてくるつもりなのか?
ttp://klingon.blog87.fc2.com/blog-entry-176.html
180 :名無しさん@3周年:2007/03/29(木) 02:07:14 ID:CKNFjsWR
>>179
ここに書いてある。兵は詭道なり。私は誰の代理人でもない。
これは春秋の筆法という手法で「私はユダヤ人CIAの代理人」だという事。
http://klingon.blog87.fc2.com/blog-entry-179.html#comment1595
江田島孔明(岡本行夫CIA?)の為に日本は先物で国家的大被害だな。
NY原油、大幅続伸
【ニューヨーク=米州総局】28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の
原油先物相場は7営業日続伸。ペルシャ湾でのイランと英米の緊張
この結果、日本は石油輸入で大損害をオプション取引で受けた。大もうけをしたのはユダヤ資本だ。
本来、日本は先手を打って石油先物を購入するべきだったがCIA岡本孔明は官邸と官僚をミスリードし
見事に日本の国益に対して決定的な被害を与える工作に成功したというオチだな。まぁ、スゴ腕なのは確か。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/df15adc31ffba6c8a43ee28a67b7bca7
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/cd9cf4394fa0a3bfa4ae98b65d02ae17#comment
日本の闇は深いぜ
ちょくちょく、このサイトを拝見しております。
このトンネルに関しては、以下のような情報もございます。もしかして、ご存知かもしれませんが、ご参考にどうぞ。
http://www.h2.dion.ne.jp/~ta000603/soyakaikyoline.htm
つまり犯罪者が増えるわけで
私は嫌だな
悪魔の選択かノアの箱舟か、既に計画は実行されている。
http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/448.html
もう食糧もエネルギーも成長の限界に達した。
http://my.shadow-city.jp/
国策捜査という言葉があるんだが、そういう意味でいえば全部、国策調査なんだよ。六カ国協議はどこでやってるのか知らないけど、本物の壮絶なバトルは、日本国内で行われている。警視庁vs山口組という双方に、金融庁とか企業舎弟とか、それぞれ利害関係者がもつれ込んで、さらに背後にはアメリカとか北朝鮮とか世界同時革命とかネオコンとか。というところで、去年の2月に既に予言されていた証拠。
429 :番組の途中ですが名無しです :2006/02/10(金) 00:47:47.07
こんなところで書くことじゃないかもしれないが、住人として一つ情報を。
私、某都市銀行勤めなんだけどこの前えらい内部文書みてしまったんだよね。
北朝鮮につながりのある企業への全面的な融資見直し勧告って内容。
しかも金融庁からのお達しなわけ。
勧告っていっても実質、「つながりある企業は干せ」と言ってるも同然なわけ。
その企業ってのがパチンコ関連のようなストレートのものから、某大手メディア(T○S)まで
含まれていこんな関連性が薄いところまで?ってさらにΣ(゜Д゜;エーッ!
これってやっぱり今年中になんかあるのかなと思ってしまった。
たまたま私は見てしまったんで一般行員は知らないかもしれない。
私も上司から箝口令しかれてぜったいしゃべるなって口止めされました。
ちなみに@д@は放っておいても潰れるから無視とのこと・・・。
ホリエモンもヅラカミもゴトウクミチョもリョーザンパクパクもみんな、去年の2月の段階で命運は尽きていたわけだ。
何故、そうなるのか? 理由は簡単だ。北朝鮮は中国の抱える鉄砲玉である。華僑のカネ、在日のカネ、共産党幹部がパクったカネ、自民党の裏金、それら怪しいカネは、ジョンナムファンドを経由して日本国内に投資される。投資されたカネは見せ金として有効に使われ、労働の果実として蓄えられた日本国民の財産を巻きあげるために使われる。ジョンナムは覚醒剤の元締めでもあり、日本に覚醒剤を流し込んでカネを巻きあげる。もちろん、そのカネも日本人の財産を巻きあげるファンドに投資される。多くのマスコミや政財界に育ててきた隠れ朝鮮たちが、その構図に協力を惜しまない。
その構図が、アメリカのマネロン調査で浮かびあがってきた。CIAはなにゆえ「本物と見分けがつかない偽札」を作ったのか? 簡単なことで、目印のついた札を流せば、取引の相手がどこの誰なのか判明する。たとえば、どこの誰だか不明な相手と覚醒剤を取引したとする。代金を目印のついたドル札で払う。そのドル札が北朝鮮の重油取引代金として出てくれば、そらもう、一目瞭然ですがなw かくして北朝鮮と、背後の中国共産党幹部の秘密工作の証拠をつかんだからこそ、アメリカは北朝鮮と戦争しないで済むわけだ。戦争しなくても資金源を叩けば良い。すべては、この構図の中にある。拉致被害者だとか従軍慰安婦とかはブラフである。これからは、日本国内に隠れた朝鮮を、ジリジリと炙りだし、摘発し、潰して行くだけだ。で、ひとつ予言しておくと「税務署に注意」だな。なんといっても財布で締めあげるのが一番効果的なのだ。