~聴覚障害6級~

話せる。歌える。
聞こえているけど聞き取りにくい。
感音性難聴者が適当に呟きます。

成人まで

2009年11月11日 | 子ども時代~成人時代
都立高校卒業後、短大の保育科に入学しました。

これまた難聴の自覚なしの身の程知らずな私は、
保母さんになりたかったのです。
今現在で言う保育士ですね。

怖いもの知らずと言うか、
若さゆえに自分の力を過信していたのかもしれません。


短大では、ピアノの授業以外の影響はほとんどなかったと思います。
高校までのように、席が決められていませんから、
いつも講義は一番前の席を陣取っていたからです。

ダンスの授業も、音は聴こえますからリズムは取れる。
ダンスは得意分野でした。

ピアノの授業では、個人でピアノを弾いている時に、
先生の「はい、そこまで。」と言う声がわからないことが多かったんですが、
これはピアノに集中していると誰でもよくあることでした。



短大2年の秋。
難聴の現実を思い知ったことがありました。
今でも思い出したくない場面です。

短大では担任などから選考されて、
3ヶ所にある付属幼稚園に就職できるシステムがありました。
その年度は、10人程が就職できると言うことで、
12人が選考され、私もその中に入ることができました。

選考は面接のみ。


面接の順番が来て、部屋に入ると、
がらんとした広い部屋に、面接官が10人ほど。
面接官と私との距離は5メートル以上ある。
一番遠い面接官とは10メートル位の距離。

広すぎる空間と、面接官と距離がありすぎることで、
これは質問が聞き取れないなと一瞬にして悟り、
一瞬にして絶望しました。

面接を甘く見ていた私に罰が当たったんだと思います。


面接内容はほとんど覚えていないのですが、
「聞き取れませんでしたので、もう一度お願いします。」を、
2回ほど言ったことと、
これ以上、聞き返すことはできないと思い、
質問を勘で憶測して答えてしまった記憶があります。

相当、感じ悪かったと思います。


今思えば、面接で聞き返すと言う行為は、
それだけでも不採用決定ですね。
人の話しを聞いていないと判断されてしまうのだから。

まして幼稚園教諭の採用面接だけに、
わざわざ難聴の者を雇うことはないでしょう。
難聴であることを、また言えませんでした。


結果は勿論、不採用でした。
同じクラスから受けた人は採用だったので、
その後、何となくお互い気まずい思いがありました。


でも、不採用で良かった。
採用されたとしても、付属幼稚園で勤まる自信はない。



こんな苦い経験をしたと言うのに、私はさらに身の程知らずだった。
若さゆえの馬鹿さと傲慢さだったのかもしれない。