マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

リストの愛の夢第3番について

2018-11-30 23:11:06 | ラ・プロムナード・ミュジカル
プロムナード・コンサートでは、リストの愛の夢第3番は5年半前に弾いています。
他の人が弾くこともあったので、たぶん3~4回くらいは取り上げられているかもしれません。
が、今回また弾くことにしました。
夜想曲を弾こうと曲を選ぶ中で、ちょっとドラマティックな、ショパンの作品48-1にしようかとも考えましたが、最後にゴドフスキーを持ってくることを考えると、練習の負担配分を考えて、楽なリストにすることにしたのです。
まぁ私のレパートリーとしていつでも弾ける曲の一つなので、直前に練習すればいいという曲は、気持ち的に楽なのです。

さて、曲については、以前にも少し触れていますがもう一度。
愛の夢第3番として名前が通っていますが、正式には「3つの夜想曲より 第3番 変イ長調”おお、愛しうる限り愛せ”」です。
つまりこれも夜想曲だということです。
もともとは歌曲で、それをリスト自身がピアノ曲に編曲したもの。
ドイツロマン派の革命詩人フライリヒナートの抒情詩「愛し得る限り愛せ(1838年作)」に曲を付した物で、甘いメロディが曲全体を支配しています。
この愛は、恋愛の愛ではなく、人間愛です。
歌曲は1843年末頃に作曲され、その初版は1847年に出版。
フライりひなーとの詩は、
「あなたがお墓の前で嘆き悲しむその時は来る。だから、愛しうる限り愛しなさい。自分に心を開く者がいれば、その者の為に尽くし、どんな時も悲しませてはならない。そして口のきき方に気をつけなさい、悪い言葉はすぐに口から出てしまう。『神よ、それは誤解なのです!』と言っても、その者は嘆いて立ち去ってしまうだろう。」

そもそも「夜想曲(ノクターン)」とは何ぞや?ですが、夜を想う曲と言う字のごとくしっとりとした抒情的な曲です。
ロマン派時代の、フィールドに始まる、いわゆる性格的小品の一種です。
おもに、和音伴奏の上に抒情的なメロディが歌われる形です。
もちろん例外もありますから…。