ドビュッシーの映像第1集の第1曲水の反映は、ここ数ヶ月、水シリーズとして演奏している最後の曲になります。
リストのエステ荘の噴水が1867年、ラヴェルの水の反映が1901年で、この水の反映は、1905年の作になります。
さて、映像第1集は、その2年前の版画で、ドビュッシー が印象派的な手法を確立した後の作品なので、印象派的な手法が一段と強まった作品と言えるでしょう。
ドビュッシー自身が出版者のデュランに宛てた手紙で「この3つの曲は全体によくまとまっていると思います。これらはピアノ曲の歴史の中でしかるべき位置を占めるでしょう。」と書いています。
第1曲水の反映は、水の流れというより、水に映る細やかな波のささやきや、水辺の景色が水面に映って、形を変えていく様子を表現していえるでしょう。
そういう点が、リストやラヴェルの作品と異なる部分です。
和音やアルペッジォで非常にうまく表現されています。
第2曲ラモーを讃えては、デュランからラモーの作品集を贈られ、作品にいたく感動し、ラモーへの敬意を込めて書かれたようです。
サラバンド風で、厳かでゆったりとした響きを持っています。
第3曲運動は、軽快で活気に満ちた曲ですが、のちの練習曲集の先駆けとなるような要素を持っています。
無窮動的な三連符の繰り返しから成り立ち、急かされるような音型の連続で、演奏はなかなか難しいですね。