明日の第64回プロムナード・コンサートの後半で演奏するのは、ショパンのマズルカ作品33とソナタ第3番の1楽章です。
マズルカについて、ショパンは、生涯に渡り58曲のマズルカを作曲しました。
マズルカとはと説明しようとすると、かなりの量になりますので、簡単に、ポーランドの典型的な民族舞踊の一つだと言っておきましょう。
歴史は古く、元々は農民の踊りだったものが、やがて騎士階級や貴族階級に伝わり、18世紀の半ばごろには各地に広がっていったと考えられています。
ショパンは、この形式を利用して独特の創意に満ちた曲に発展させるとともに、偉大な芸術としました。
マズルカは、ワルツと同様に3拍子が基本です。
いくつかの種類があるのですが、それぞれリズムに独特の特徴があります。
4曲から成る作品33は、1837〜38年に作曲され、1838年に出版されました。ローザ・モストウスカ伯爵令嬢に献呈されました。
第1曲 嬰ト短調
抒情的な曲。
マズルカの特徴のの一つである、「タッカタンタン」というリズムが使われています。
第2曲 ニ長調
自筆譜および初版出版譜では、第2曲は、第3曲のハ長調の方でしたが、その後誰かによって第2曲をニ長調として出版され、それが一般的になっているため、今回はこの順番で演奏します。
ワルツのような華やかさや明るさが魅力的な曲です。
バレエ曲としても編曲されています。
第3曲 ハ長調
非常に短い曲ですが、大変美しく細やかな情感のある曲です。
第4曲 ロ短調
スラブ的な憂愁に満ちていますが、第3曲とは違った美しさのある曲です。
マズルカとしては規模の大きい曲です。
この作品33のマズルカを、ソナタ第3番と一緒に弾こうと思ったのは、ソナタ第3番がロ短調で、この作品33は、ハ長調以外がロ短調の関係調で作られているので、まとまりがあるかな…ということで決めました。
ただ、何でハ長調を入れたのかなぁ…という思いはありますけど、まぁこれはこれでまとまってるかも…です。
ピアノ・ソナタ第3番については以前書いた記事があるので、そのリンクを貼っておきます。