「お!あ?なんだなんだ?!」
なんだか、漁師の網に一匹だけ仲間はずれがかかったのかのようなこの状態。
実はこれ、荷物に混じっていた正体不明のトーチ。
そこで、どれどれと取り上げてみると…
う~ん、本当に打ち上げられた魚(ダツ)みたい。
顔つきもいよいよダツっぽいし、
ほらこ尾びれまである!
同じ横型のトーチなのに、以前ご紹介したシーベルト205などは武器っぽくて非常にかっこよかったのに、
こいつは本当に魚っぽくて隙だらけ…
なぜなんでしょうね?(首の角度かな?)
さてさて、そういうわけでよく見ていくことにすると、
先ずはタンクに残る縞模様。これは、ウロコではなく恐らく綿糸などが巻かれていた跡。
ポンプを持たず燃焼熱でタンクを加熱・加圧してガスを吹き出すシンプルな仕組みゆえ、
タンクを手で持っても熱くならないように巻いてあったんでしょう。
でもそれゆえ、致命的な欠損が無い限り復活はたやすいはず。
では作業開始!
先ずは頭をちょん切り3枚におろします♪
いやまちがい、3つのパーツに分けてみます。
どこにも特段傷もなく、状態は結構よさそうでまずは一安心。
だから、ざっと磨いて、グラファイトパッキンのみ補充したのち組み直します。
ちなみにニップルはこの様な感じ。
真鍮板に穴が開いただけのシンプルな構造。
このニップルと、木製の火力ノブなどは「RAPID」のようなごく初期のトーチと酷似しております。
ですので、恐らくこのトーチも時代的には1900年代初頭のものと思われます。
と思ったら!
あれ?切り欠きがある?!
ざっと汚れを落とし磨いてみると、ニップルにレンチでくわえれそうな切り欠きが二カ所あり、
タンクとの接合部のねじ込み式で分解可能なようです。
なるほど、これなら万が一の時でも安心だ!
(もしかしたらRapidのここも同じような構造なのかも?)
でも今回は詰まりもなくきれいなので、あえて分解はしませんでした。
(調子のよさそうなものを無理に分解するのはトラブルのもとだからね。)
てなわけで、サクサクッっとヘッド側を組みなおし後はタンク側なわけですが、
前述のようにものすごくシンプルな作りのため、クラック等の漏れがないのと、
内部のウイックが生きていることを確認したのち、フィラーパッキンを交換したのみで作業終了。
さっそく給油しテスト♪テスト♪
そうそう、給油といえば…
タンク内のウイックは、この様にあふれんばかりに詰め込まれておるので、
一気に給油するとかあふれてしまいます。
ウイックの吸い込む速度に合わせちびちびと給油せねばならんのがちとい面倒。
(もしくは注射器やスポイトで、「ちゅ~♪」っと注入。)
ほら、ZIPPOの給油と同じ感じ?
まあ、引火しやすい燃料をいれ、移動させながら使用することも多いから安全面からそうしているんでしょうね。
(ついでなんでにタンクにタコ糸を巻きました。)
というわけで…
ファイヤー!
おお♪おお♪
こりゃいいや!
ガソリンなんで立ち上がりが速く、シンプルな構造ゆえ軽くて楽ちん♪
たき火などの火付けに良いから、バイク抜忍ばせるには最適な一本!
で、ほんの数分遊んでいただけなのに、火口側のタコ糸部分が暖かくなってきておりました。
やはりこいつはかなりの発熱のようだから使用時はグローブ着用の方がええんんでしょうね。
ま、考えればSVEA123を手で持っているようなもんだから、当たり前っちゃあ当たり前なんだけど
でもこのトーチ、どこを見ても型番はもちろん、メーカー名も生産国名もないのですよ。
だから、いろいろネットでも探してみたけれど、いまだにこれがどこの何なのかわかっておりません。
どなたか情報をお持ちならばぜひお教えくださいませ。
(*^人^*)
*追記*
そういうわけで、嬉しくなった私は
早速先日のツーリングの際にこいつを持ち出しさっそく使用しておりました。
以下はその時気づいたこと。
・ガソリンとはいえ、ポンプの無い自然加圧なので、プレヒートは焦らずきちんと。
・気化したガスをうまく燃やすには、火口を常に上方に向ける必要があること。
・タンク内がほぼウイックなので、思いの外燃料が入らず、
また完全に使いきることも無理なので、連続使用時間は10分程度と意外に短時間。
ですが
・小ぶりで太さもちょうど良く、長時間手にして使用しても疲れない。
・タンクに巻いたタコ糸は断熱次効果がかなりあり、意外なことに素手でも熱くならない。
・何より、使っていてすごく楽しい!
やはり、最後の一文がすべてかな?
(=^^=)ゞ