ポコが逝ってちょうど2週間。
なんか嘘みたいにあっという間に時間が過ぎてしまっており、
その間、今までのなつかしい写真を眺めたりしていると、
書こう書こうと思っていたあの子のお話しもついつい先延ばし。
そんなわけで、ずいぶん遅くなりましたが、ポコのお話をさせていただきたいと思います。
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ポコがやってきたのは8年前。
とあるご家庭から、
里親募集で持ち込まれた3頭のうち1頭。
そして驚くべきことに、この3頭はみなひどく仲が悪かった!
本当に同じ家庭から来たの?
と、そう思うほどに。
ちなみに、その3頭はそれぞれ1歳違いで上から
ムク、プー、ポコだった、
もしかしたらいちばん年下のポコはいつもいじめられていたのかも…?
(
「ひとりぼっちのポコ」参照)
そういうわけで、当初我が家ではこの3匹の扱いには非常に困ってしまい、
起きているときは2階3階と分け、寝るときはそれぞれをケージに入れ、
それでも視線が合うとケージ越しに大げんかを始めるので、
目隠しのための毛布を掛けて。
(暑い時期でなく良かった…)
そんな中、最も中の悪かった
プー君を従妹が引き取ってくれそこで幸せに。
すると、残ったムクとポコは仲よくとはいかないまでも、
互いに微妙に距離を取りつつ一緒に暮らせるように。
そうしてやっと我が家の子たちと普通に暮らせるようになってからは、
この二頭は徐々に馴染みはじめ平穏に暮らし始めました。
ですが、その後なかなか里親さんが見つからず、
私たちも情が移ってしまったことから、翌年晴れて我が家の一員となりました。
(
「むく・ぽこ」参照)
するとそれがわかるのか、二頭はどんどん我が家に馴染み、
特にムクに至っては、まるで最古参の様な顔をしてわがもの顔!
一方ポコはやはりほかの子に心を開かず、常に一人でいることが多かったのです。
ですが、そんなポコもみんな揃って近所の公園へお出かけするときは大喜び!
だって、大好きなお母さん(奥さん)と一緒に散歩ができるから。
というのも、ポコはお母さんが好きすぎるので、
一緒に散歩に出ると、興奮して飛びつきまくるので散歩にならず、
普段は私と散歩に出てばかりでしたから。
(
「お母さんが大好きでたまらない隊隊長ポコ」参照)
でもこうして何度もほかの子たちと散歩に出たりしていく中で、
ポコは次第に丸く穏やかになり、徐々にですが以前とは明らかに変わり始めました。
きっと、
「そうか、ここではほかの子と喧嘩をせんでも暮らしていけるんや…」
と、そう分かってきたのでしょう。
ですので、毎日朝昼晩と、家族総出でお散歩三昧。
(
「よいコンビ」より)
こうして楽しく穏やかに日々過ごしておりました。
ポコちゃん、ほんと変わったね~。
テヘペロ♪
だけど、いつになってもおトイレだけは覚えようとせず。
そう、「覚えられない」のではなく「覚えない!」
それが証拠に、寝室でなどではトイレコーナーでうろうろした挙句に、
わざわざ私の寝床の枕元に向かって足を上げることがほとんどでしたから!
ですので、一日中マナーパッドを装着のタンクトップのような服を着せられており、
その姿がアマチュアレスラーそっくりの上、
たびたび女の子のおトイレのあとをすぐ覗き込みに行くので、
「変態レスラー」と呼ばれたこともありました。
(同じ格好だった
ななちゃんは決してそう呼ばれなかったのにね~。)
「誰が変態やねん!プンスカ!」
それでも毎日、それなりに楽しくみんな一緒に暮らしていたのです。
そんなポコに異変が起きたのは、2年前の冬の終わり。
急に食欲をなくし、足元がおぼつかなくなり、慌てて病院へ行くと、
脳炎との診断。
(
「がんばるポコ」参照)
そしてこの日から毎日様々なお薬を服用するようになったのですが、
病気のせいか、はたまたそのお薬のせいなのか、
これ以降妙に食欲モリモリで、それまでやせっぽちのヒョロヒョロだった体が、
しっかり肉が付きムッチリと。
そしてそれはすなわち、「食べる」ことの喜びをこの子に与えたようで、
毎回のご飯が待ち遠しくてたまらない!
「ごはんまだ?」
またそれと同時に、それまでお母さん以外には心を閉ざし気味でかたくなだったこの子が、
「ぷわぁ~♪」と明るく呑気に、皆に心を開くようになったので、
病気自体は大変ではあったものの、この子にも、また私たちにも良い結果をもたらしてくれたから、
私たちはその時のポコを「妖精さん」と呼び可愛がっておりました。
(
「妖精さん」参照)
また面白いことに、こうなってからはおトイレをきちんとできるようになったため、
「お利口になったね~!」と、思ったのですが、
いやいや、よくよく考えれば…
いやまてよ、ちゃんとこうして理解できているということは、…
やはり、今まではわざとおトイレしていなかったな~!
と、いうことに!
ですが、きちんとトイレができるようになったので、
マナーパッドも装着せずともよくなって身軽で気軽♪
あの「変態レスラー」の汚名も返上できたのです。
ただどうしても、このような状態では家に残し留守番させるのも不安なため、
これ以降は常に私たちとともに店に出勤し、足元で寝ていたり、
時にはお母さんのひざの上で、ぬくぬくと、
そんな幸せな時間を過ごせることとなったのでした。
「ほえほえ~♪」
「くかかか~。」
そして家では、同じく老犬仲間の
へちまと一緒に並んで寝ることが多く、
その姿から
「仲良しの老夫婦やな~♪」とよく言いました。
(
「老夫婦?」参照)
でもやがて、その相方であるヘっちゃんが先だって、
ポコは一人で寝るようになり、次第に起き上がれなくなり、寝たきりになりました。
それが今年の4月のこと。
そしてあれよあれよという間に筋肉が落ちて骨と皮だけの姿になってしまい、
正直な話、その時点でわたしたちはポコとのお別れを覚悟しました。
ですがそこからポコは頑張った!
気持のよい春はもちろん、湿っぽい梅雨もやりすごしたかと思うと、
最も過酷な今年の猛暑もものともせず。
毎日しっかりご飯を食べ、そしてキッチリ良いものをひり出し。
また心配していた床ずれも、当初の軽度のものだけで済み、
それすら完治した後は全くできることなく過ごせたのです。
だから寝たきりで動けないことを除けば、
それはある意味とても健康で元気な姿であると言えるほどでした。
これには見ていただいている獣医師さんたちも驚きで、
私たちは冗談半分で、
「ポコは死ねない病気(ゾバエ病)なんです。」
と軽口をたたくほどの余裕が出ておりました。
そうして意外に早く過ごしやすい秋になり、
去年に続き
長寿犬の表彰を受け、
これはもしかしたら18歳のお誕生日を迎えられるかも?
だって、もう立ったの2か月やん!
そう喜んでいた矢先。
あっさりとそれを裏切り、店番しながらの大往生を迎えました。
でもそれはある意味本当にポコらしくもあったし、
なにより、あの子の頑張りをずっとずっと見てきていただけに、
「本当によく頑張ったね。」
と、心からそう思えたのです。
そういうわけで、この子は歴代のこの中でも群を抜く個性的な子だったし、
またその変化もひときわ目立っていましたから、
今はもう恐らく、昔のようにとんがった気構えでなく、
明るく、柔らかい気持ちで先だった子たちと合流できていると思います。
だって、うちで暮らした月日の中で、
みなが優しく、仲良くできるとわかってしまっているから。
でもやはり、あの子がいなくなると寂しいな…
というか、どの子にもどの子にも、
今でも会いたい気持ちは抑えきれないのですよ。
ほんと、寂しいな~。
最後に、旅立つほんの数日前、
おいしそうにアイスクリームを舐めるのポコの姿を
「ペロペロペロ♪」