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「せぇ~のっ!」 「りりぃばあちゃぁ~ん!」
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「はいはい!りりぃばぁですよ~!」
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「きゃぁ~!かわいい!かわいい~!」
というわけで、今年18歳になるリリィばあちゃんが、かわいくおしゃれにカットされて帰ってまいりました。
昨年夏に一度寝たきり状態になり、もはやこれまでかと思われたものの、その後見事に回復!
そして多少首が傾いたままにはなったものの、その後は毎日元気に散歩に出れております。
さて、実はこのリリィさん、元は保健所に収容されていたわんこでありまして。
それを知ったうちのじいちゃんが引き取りに行き、家族として迎えた子。
そしてその際保健所でこういうやり取りがあったとか…
「この犬ですが噛み癖があるので気を付けてくださいね。」
「どれどれ…」
「あ、危ないですよ!いきなり手を出すと噛まれます。」
「いえいえほら。」
「あ!犬が手を舐めている!すごい!こんなことは初めてです。」
実際その後もリリィは基本じいちゃんにしかなつかず、わたしが家に行くと後をつきずっと吠えたて続ける。
そんな感じですから、うかつに顔や口元に手を出すと威嚇するような子。
これは歳をとった今でも変わらず、顔まわりの毛のカットや目やにの掃除は大暴れするので本当に大変!
そんな一癖も二癖もあるこの子ですが、前述のようにじいちゃんとは心がズバリ通じ合っておりますから、
ふたりはもそう相思相愛。
だから今年の初めにデイサービス先でじいちゃんが書いてきた今年の目標が、
「リリーといつまでも」
であったのですよ。
さて、そんなりりぃさんなんですが、近ごろじいちゃんの話が微妙に変わってきておりまして、
この子を引き取ったいきさつが、今では以下のように語られることが多いのです。
この犬は、東の団地で大暴れしていて、
「噛む犬!怖い犬!はやく処分して!」
と、住民の人たちが困まらせていたんです。
そこへ僕が訪れ、この子の顔の前に手を差し出すと、すっとお手をし、
「信じられない!こんなことは初めてだ~!」
と、全員がびっくりし、
「これはもうそちらの子になるしかない。」
というわけで、うちに子になったんですよ。
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「なんか、北斗の拳みたい…」
まあ、多少脚色が加わっておりますが、大筋においては合っているような気もするのでOK!
何にせよ、今じいちゃんの頭の中ではすでにそういう話になっているのだから。
そういうわけで、この子はじいちゃんいとって、ものすごく特別でかけがえのない子。
それはまた同時に、この子にとっても同様。
だから私はこのふたりの邪魔をせぬように、毎日お世話に通わせてもらっている感じ。
だから、リリィちゃんくれぐれもこれから先も元気でいてね。
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「了解!でも顔を触ったら噛むからね♪」