珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

久しぶりに、エラリー・クイーン

2016年03月05日 | 読む

久しぶりに、エラリー・クイーンを読んだ。

「恐怖の研究」なんて恐ろし気な題名だけど、そう、恐ろしいのよ。

 

新たな小説の筋書きに呻吟するエラリーの元に、謎の女性から封筒が届けられる。

中には古い原稿が入っていた。

この忙しい時に・・・と迷惑がるエラリーだったが、読んでみると、

何と、シャーロックホームズの友人にして相棒のワトソン博士の書いた原稿らしい。

しかも、ロンドンを震撼させた連続殺人鬼、切り裂きジャックを追った記録だったのだ。

ホームズの活躍した時期と、ジャックがロンドンで連続殺人を犯した時期は重なっている。

偉大な探偵ホームズがその犯罪に無関心だったはずはない、とは思うのだが・・・、

信憑性を疑いつつも読み進めると、紛れもなく、ワトソン博士の手で書かれたものと

信じざるを得なくなる。

 

ある日、ホームズ宛に送られてきた外科手術器具のケースを切っ掛けに、

ホームズとワトソンは、切り裂きジャック事件に巻き込まれていく。

 悪臭漂うホワイトチャペルを血に染めて、切り裂きジャックと呼ばれた殺人鬼。

ホームズとワトソンは、ジャックの正体を暴くことができるのか?

このワトソン博士の原稿が、なぜ発表されなかったのか?

謎の女性は誰なのか?

最後に、エラリーが、ホームズの推理を覆して無能呼ばわりしたらどうしよう、

不安がいっぱいだったけれど、それは杞憂で、

エラリーは偉大な探偵へのリスペクトを新たにする。

よかった、私もほっとしたわ。

 

今では、ホームズといえば、

ベネディクト・カンバーバッチを思い浮かべる人が多いかもしれないけれど、

私のホームズは断然、ジェレミー・ブレット。

エラリーが読む原稿のホームズの会話部分を、

吹き替えの露口茂さんの声で読もうとしたけれど、やはり違和感がある。

書いているのはコナン・ドイルではなく、作家のエラリー・クイーンだもの、

それは仕方がないわね。