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日本に民主主義をもたらしたのは誰か〜米海軍基地見学記

2017-03-07 | アメリカ

在日米海軍基地の見学記、ブリーフィングが続いています。

                                                                         

さて、地域との交流を通じて日米の友好を促進し、
両国民の相互理解を深めるのも在日米軍の大事な任務です。

いざ日本が災害に見舞われたときを想定して、在日米軍は
いつも自衛隊を始め近隣都市自治体、消防、医療、警察と連携を取り、
航空事故などを想定した訓練や会議を密に行っています。

例えば大災害が起こったとき。
米軍が艦艇で運んできた物資は、オスプレイなどの大型輸送ヘリで
海軍基地に送られてきます。

ここから横田ベース、座間キャンプ、木更津にある陸自基地、そして
成田・羽田空港まで輸送してそこから空輸することもできます。

陸自の木更津飛行場がここに書かれているのは、 同飛行場は現在も
日米安保条約に基づく米軍提供施設であるからです。

wikiからの要約によると、

1968年基地返還が検討されたが、米軍が

「不可欠の任務のため当施設を継続的に使用する権利を有する」

ことになり、現在まで全面返還していない。
1975年に米海軍の部隊が横須賀海軍施設に移転したのちは、
米軍の使用実態はほとんど無いものの、

現在も日米地域協定では米軍管理・自衛隊共同使用施設・
区域という位置づけとなっている。

そして、この説明でも米海軍は木更津飛行場を

「Kisarazu ALF(Auxiliary Landing Fieldの略)」

と呼称していることがわかります。
朝日新聞が2014年に

「米軍機が2014年度ここに1113回着陸していたことがわかった。
訓練などが目的とみられる。」

という実に非難がましい記事を書いているようですが、
米軍にすれば別に返還していないのだし、訓練や
輸送の中継地とするのに問題ないと双方でしているようですね。 

2014年に着陸したからといって、今更ケチをつけている朝日新聞界隈ですが、
実際にはトモダチ作戦のとき、アメリカ軍はここを経由地として活用し、
参加部隊11によるこの基地からの飛行回数は377回に上りました。

災害発生とほとんど同時に基地内の公共施設には、寄付のための
大きなダンボールが置かれ、瞬く間にそれは物資で埋まっていったといいます。

その後地元自治体、企業から基地に寄付された物資は、トモダチ作戦によって
被災地に運ばれていったというのはみなさまご存知の通り。 

基地ぐるみでの地元との交流も積極的に行われています。

写真上は、小学校の英語の授業に迷彩服で先生を務める基地の軍人さん。
この他、基地を開放しての春祭りや盆踊りも行われていますし、
地元の盆踊りには自衛隊と合同で参加しているのだとか。

うちのTOが、どこかのお祭りで異様にキビキビした団体が来たと思ったら
地方の自衛隊からの参加だった、と話していたことがありますが、
さぞ日米合同の「Operation Bon-odori」は目立ったことでしょう。

女性陣もお揃いの浴衣をきて、楽しそうです。 

春祭りでお茶のお点前を披露する軍人の奥さん(か軍人本人)。
お着物は自前かしら。 

当基地は海上自衛隊との共同運用でもあるので、何かと連携があります。
一緒に餅つきをするのは恒例行事みたいですね。 

今にして思えばGHQ司令官としてダグラス・マッカーサーが
降り立ったのは、ここだったのです。

この銅像はパンフにも書いてあるように、

「日本に民主主義をもたらしたマッカーサーを讃えるため」

地元市民が贈ったというのです。
・・・・ここで、口の悪いわたしが何かをいうのを
読者に期待されている気もするのですが、今は控えます。

ただ、この銅像寄贈が、毎日元帥の元にファンレターが届き、
「マッカーサー神社」を建てるとかいった声があがったという占領中の
「マッカーサーフィーバー」 に日本人が浮かされていた頃ではなく、
1995年の出来事だった、というのに思わずわたしは

「うーん・・・・・」

と首をひねってしまいました。
マッカーサーが日本に民主主義をもたらしたと本気で信じている人というのは、
とりもなおさず占領政策によるWGPの洗脳を受けた人と同義であるとしか
わたしには思えないのですが、そんな人たちが現在の米軍基地に
友好的であるというのも、なんだか矛盾するような気がしただけです。 

これを贈った人々の立ち位置が是非知りたいものです。

 

 

当基地の司令官、ジョン・ブッシー大佐の下は、この時
基地を案内してくださった広報の方。

肩書きは

「ホスト・ネイション・リレーションズ・オフィサー」 

受け入れ国連絡官という感じでしょうか。

というあたりでブリーフィングは終了しました。
会議室を出たところの床には基地のマーク。 

やっぱり鳥居。
なんかアメリカ人って鳥居好きだよね。
ちなみにNAFとはNaval Air Facilityのことです。

トモダチ作戦に参加した当基地への被災者からの感謝をあらわす千羽鶴。

わたしは日頃、被災地に千羽鶴を送ることは一種のテロ行為であるとみなすものですが、
このお礼に贈られた千羽鶴は本当に良いものだと思いました。

グラデーションの鶴の美しさもさることながら、添えられたメッセージの
いくつかは、米軍軍人に見てもらうために英語で書かれています。

「Thank you very much! We are helped.」

「Thank you for your warm support.」

「How do you do? Thank you for your support.」

簡単な英語ですが、一生懸命お礼を言おうとした心が伝わってきます。 
米軍の方もわざわざこれを飾るためのガラスケースを特注したんですね。

千羽鶴の飾ってあった一階のコーナーに、
福利厚生コーナー?みたいなのがあり、このあたりに
たくさんのパンフレットが積んであったので、
カウンターの人に断ってめぼしいのをもらって帰りました。 

 

「遅くなる前に」

みたいな水兵さんのパンフレットは、 NFAAS、

「Navy Family Accountability and Assessment」 

海軍家族責任&評価システム?
たとえば日本にいる時に地震などの災害が起こったとき、
赴任している家族の安全確認や連絡 、避難指示などを行う組織です。

特に日本に赴任することに不安を持つ家族のニーズに応えたものです。

こちらは「Sexual Assault Prevention 」
性的犯罪防止のパンフレットです。

「性犯罪は防げる!」として、「何ができるか」は
性犯罪を誘発する行為として、

「不適切な接触」「挑発的な態度」「境界をわきまえない」

「不適切な親密さ」「特定の人物と二人きりになる」

「お酒を強要する」「暴力的な態度」

などを注意していおります。
また、そういう場面を目撃した時のガイドラインや、
性的犯罪の被害者になってしまった時のサポートをする
連絡先が最後に細かくジャンル分けされて記されています。 

赴任地にペットを同伴することも、サポート体制がしっかりとあります。
輸送の仕方や、予防注射の受け方などが書かれたパンフレット。 

スターズアンドストライプスもあったのでもらってきました。 

ニュージーランドの地震で被害を受けたカイコウラに、
海軍がまずP3-Cを飛ばして被害状況を確認し、
USS「サンプソン」が救助活動のため向かったというような話です。

2015年12月13日、横田基地で「オペレーション・クリスマス・ドロップ」
(というプレゼント投下作戦?)に参加していた22歳のハワイ出身兵士が
機内で「ハートフェイリア」、つまり心不全で亡くなったという記事。

亡くなる前に「変な臭いがする」と言っていたという証言があるものの、
事故ではないので不思議だねー、という記事。 

こちら三沢エアベースのメアリー・ザンダー大尉。
迷彩服を着ているものの、医療隊の心理療法士です。
彼女の任務に対する取り組みを紹介するとともに、
三沢ベースのメンタルヘルスの診療時間などが書かれています。 

スターズアンドストライプスの日本版。
つまり在日米軍の軍人さん達のためのS&S紙です。

「ロストイン新宿」というのは新宿のホテルが舞台だったあの映画
「ロストイントランスレーション」のもじりだと思われます。

このほかにも「日本のお漬物研究」なんていう記事もありました。 

敷地内で見かけた築年数の古そうな建物は、思った通り昔
武道場だったのを教会にしているのだそうです。

「アメリカ人って建物を絶対に壊して建て替えないんですよ。
外を補修し、中の壁を塗り替えて使い続けます」

ええよく知ってますとも。

「幾つかの建物はシロアリにやられてしまって、さすがの彼らも
壊すことにしたみたいですけど」

それにしても、聖母マリアの立像を立てるコーナーを併設した
元武道館、教会と言われればそういう雰囲気に見えてきますね。

 

続く。