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砂漠 伊坂 幸太郎 実業之日本社 このアイテムの詳細を見る |
青春小説なんて陳腐な言葉でくくっていいのだろうか。
とにかくおもしろかった。
伊坂氏にしろ、万城目氏にしろ、地方の旧帝大出身の人って、本当に大学に愛着を持っているんだな・・・
そんな、妙な感想。
昔の・・・というか、今もそうなのかもしれないが、地方の国立大の学生は、仲間意識がすごく強いような気がする。
ほら、昔中井貴一なんかが出ていた『不ぞろいの林檎たち』のような青春ドラマ、そんな感じ。
莞璽が「本当は、おまえたちみたいなのと、仲間でいたかったんだよな」という言葉は、
この本を読んだ読者全員が「そうだよな」とうなずいたことだろう。
うちの息子も今大学1年生。
こんな仲間と出会えたら、それだけで大学に行った価値があるかもしれない。
学長の言葉「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時はよかったな、オアシスだったな、と逃げ切るようなことは絶対考えるな。そういう人生を送るなよ」
「人間にどって最高の贅沢とは、人間関係における贅沢の事である」
砂漠に踏み出す5人の若者、30歳になっていたらどうなっているだろう。
テレビドラマみたいに続編なんてでないのだろうか。
彼らのその後を読んでみたい気がする。
なんてことはまるでない。