五十坂・登りきらずに下り坂

とうとう56才になりました。
ほとんど年寄りと女子供しか
回りにいません。
そんな日常を綴っています。

『砂漠』 / 伊坂幸太郎

2008-09-09 15:34:00 | 
砂漠
伊坂 幸太郎
実業之日本社

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青春小説なんて陳腐な言葉でくくっていいのだろうか。
とにかくおもしろかった。

伊坂氏にしろ、万城目氏にしろ、地方の旧帝大出身の人って、本当に大学に愛着を持っているんだな・・・

そんな、妙な感想。

昔の・・・というか、今もそうなのかもしれないが、地方の国立大の学生は、仲間意識がすごく強いような気がする。

ほら、昔中井貴一なんかが出ていた『不ぞろいの林檎たち』のような青春ドラマ、そんな感じ。

莞璽が「本当は、おまえたちみたいなのと、仲間でいたかったんだよな」という言葉は、
この本を読んだ読者全員が「そうだよな」とうなずいたことだろう。

うちの息子も今大学1年生。
こんな仲間と出会えたら、それだけで大学に行った価値があるかもしれない。

学長の言葉
「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時はよかったな、オアシスだったな、と逃げ切るようなことは絶対考えるな。そういう人生を送るなよ」

「人間にどって最高の贅沢とは、人間関係における贅沢の事である」

砂漠に踏み出す5人の若者、30歳になっていたらどうなっているだろう。
テレビドラマみたいに続編なんてでないのだろうか。
彼らのその後を読んでみたい気がする。

なんてことはまるでない。