五十坂・登りきらずに下り坂

とうとう56才になりました。
ほとんど年寄りと女子供しか
回りにいません。
そんな日常を綴っています。

『切羽へ』 / 井上 荒野

2008-09-20 23:53:53 | 
切羽へ
井上 荒野
新潮社

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直木賞受賞作品

人妻が夫以外の人に恋をする、という設定ならば、行くとこまで行くのかな、と読み進めたのだけど、(期待を裏切り)そんな事にはならず、淡々とそして島特有の緩やかさで話は進んでゆく。

これで何かが起こったら、途端につまらない恋愛小説に成り下がってしまうんだろうな。

「切羽へ」は「キリハ」と読むんですね。
「切羽詰まる」の切羽じゃなかったら、切羽という地名か?と勘違いしていた私。

でも、この主人公、そんなに切羽詰った感じしない。
半年もすれば忘れるような、そんな淡い恋心な感じが私はしたけど。

人妻なら、誰でも一度はこんな感情を抱くのでは?
自分ひとりだけの妄想なら、私だって一度や二度・・・

でも小説家が描けば、こんな文学になるんですね。