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切羽へ 井上 荒野 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
直木賞受賞作品
人妻が夫以外の人に恋をする、という設定ならば、行くとこまで行くのかな、と読み進めたのだけど、(期待を裏切り)そんな事にはならず、淡々とそして島特有の緩やかさで話は進んでゆく。
これで何かが起こったら、途端につまらない恋愛小説に成り下がってしまうんだろうな。
「切羽へ」は「キリハ」と読むんですね。
「切羽詰まる」の切羽じゃなかったら、切羽という地名か?と勘違いしていた私。
でも、この主人公、そんなに切羽詰った感じしない。
半年もすれば忘れるような、そんな淡い恋心な感じが私はしたけど。
人妻なら、誰でも一度はこんな感情を抱くのでは?
自分ひとりだけの妄想なら、私だって一度や二度・・・
でも小説家が描けば、こんな文学になるんですね。