久々にダンマガの記事の件。
先だって55歳で亡くなった、セルゲイ・ヴィハレフの「死因」というのが、
歯科治療の麻酔事故(?)って書いてあって、
そんなのでなくなるって、あるの??と。かなり怖い気が・・・。
凄く昔の「眠り」を復元した方。お衣装が古装バレエとでも呼びたいほど一時代前っぽくって、ザハロワが着ると可愛かった。彼女も若かったし。
一方、ウリヤナ・ロパートキナが引退。43歳位かしら。
昔のダンサーや、ロシア以外のダンサーなら、この位での引退も、そんなに珍しくなかったかもだけど、
今の時代はアンチエイジング技術が進んで、また、ロシアンバレリーナは息長く活躍する人も多いから、早い引退と思う人もいるかもしれないが、
キャリアの半ばで、大きな怪我をしたことがあって(ダンサーは怪我がつきものなので、実体としてはそんなに珍しい話でもないと思うが。)
降板が多かったバレリーナだし、なんとなく、過去の踊りを見ていると、この事態も、わからなくもない。
逆に、ロパートキナ以外の大バレエ団の有名プリマで、体が強靭なタイプが多すぎた、という事はあると思う。
アナニアシヴィリとか、ギエム、ザハーロワ、皆生まれ持った体がかなり強い方なのではないかと。特に前者2名は、オリンピックの選手になれるかというくらい、体に恵まれた人たちで、そういう、前時代と異なる体の強さを軸に持ったバレリーナが台頭した時代だったと思う。
ロパートキナは、ロシア舞踊芸術界の重鎮の、「ワガーノワの3弟子」の中でも特に権威のあったドゥジンスカヤの、直弟子という強い立場を持っていた。
私自身は、あまり好きなバレリーナではなかったし、白鳥の湖も瀕死も、ロパートキナよりずっと良かったバレリーナは何人もいて、私的には、名の売れたバレリーナという以上の存在ではなかった。彼女の舞台には、そんなに感動しなかった。技術も演技も。ただ、スターシステムの中で有利な条件で育った分、自分の見ていない舞台ではお客さん受けは多少あったのかな、位の印象で。
ロパートキナは、マリインスキーの踊りを、以前よりちょっと変えてしまった面があったけど、彼女より一時代前のプリマだった、ガリーナ・メゼンツェワ(キーロフバレエを代表するプリマで、私はロパートキナよりはメゼンツェワの方が、ザ・マリインスキー、という感じがするのだけど。)や、クナコーワの踊りの方が、自分には、ずっと感動的だった。
で、そのクナコーワに師事し、師匠に踊りが似てると言われたたテリョーシキナが、ロパートキナ引退後の次回マリインスキーの事実上トップになるのか、それとも、いつも何かとキャストシャッフルサプライズのあるマリインスキー日本公演だから、若手がもっと出てくるのかな。
村山久美子が、ロパートキナをモダニズムと評していたけれど、当たってると思った。私は、マリインスキーはもっと普通の方がいいっていうか・・・。
(実はロパートキナの先生って、古い方はドゥジンスカヤ女史だけど、他に、ロパートキナが若い頃、ついた先生が、わりと革新的な傾向の先生って聞いてて、(私も好きなダンサーだった人)(うろ覚え、チスチャコワだったかな、)その影響もあって、モダニズムと言わしめた傾向になったりしたのかも?
ロパートキナというと、もう一つはキャリアの後半生に、クラシックバレエ団の出身じゃない男性ダンサーを好きになっってパートナーにした時期があり、彼を「白鳥」でもパートナーにしたいと言ったり、って聞いてて(でもその後、切れたみたいですが。)何だか、プリセツカヤとエフィーモフみたいだなあと思ったりした。さすが、あのエカテリーナ2世を生んだロシア、とでもいうのか??・・。そういう人だから、案外クラシックよりコンテ系で見る方が、何か発見があったりしたかな??ロシア人の結婚観、恋愛観は、日本人には分らん、と、時々思う。日本より結婚や恋愛の面では、自由なのかも??優等生っぽく見える人だから、女女した話がちょい意外性。
さて、マリインスキーのこんどの日本公演、ダンサーが若手に変わり、マリインスキーも、また普通の白鳥の湖に戻ってくれるのではないかなと思う。
タイミングがあったら行くかも。それにしても、前回日本公演で「愛の伝説」があったのは、今どき珍しい演目。今はバブリーな時代じゃないし、バレエみにきてくれる観客も限られてるので、致し方ないことではあるけど、バレエ公演の演目、この頃はどうしても保守的で、無難な演目が多いから。(お客さんがはいらないとしょうがないので、主催者側を責められないけど。良作で、上演が多くない作品は、やって呉れれれば、当然嬉しい。)