懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

美を発信するオペラパレス~「白鳥の湖」23日

2009-05-24 15:14:43 | Weblog
新国立劇場[白鳥の湖」23日は、土曜昼ということもあり、客席が埋まるだけでなく、とてもいいお客様を集められたようで、客席からの拍手も熱く、素晴らしい公演でした。

舞台の上だけですべてが決まるわけでなく、集まった観客も、公演の成否を決める一大要素なのだと思います。

主役のゲスト、スターコンビ、ザハーロワ&ウヴァーロフを中心に、脇役も気合いや楽しさを持って踊りぬいてくれました。

この日は脇を固めるソリスト陣にも、それぞれにブラボーが違うお客様から入っていたようで、楽しいですね、そういうの。

バレエマニア調の踊りディテール追究型感想もいいのですが、一歩外へ行けば、今の世の中色々ある中で、美の善性オーラをこの劇場が発信している、それに新国立はなかなかいいお客様を育てられているなと、そんな感想を持ちました。

年代層は幅広く、10代少女から、70代前後までいらっしゃるのでは。

自分の仕事その他の周りの人間は、バレエなんか見に来ないし、それはそれでいいことなのですが、

それでも、正統派美男美女の正攻法ハッピーエンドラブストーリー、そしてコールドとの「白」の世界。

チャイコフスキーの音楽の美しさ。

これって正しい税金の使い方じゃないかと思いもしました。

のうがきはともかく。

「舞台はすばらしかった」
「観客もすばらしかった」

しかし。
自分は情けなかった。遅刻です。ちょっとした手違いで。

行ってみて、ホールに入ると、すでにお客さんはできあがって大いに盛り上がっている様子。

入場して場のオーラの強さを肌に感じるだけで、「自分だけ圏外」の残念さがビシビシと。

本日は「よろこびに遅れてきた者」になってしまいました。

結局「黒鳥」の幕。第三幕から見ました。

ふつうはこれでも充分いけるはず、だったのに。

ザハロワ、ウヴァーロフ ペアは、その前の「湖畔の場」、白鳥姫と王子のグラン・アダージョ見ないともったいないですね。

舞台は感動的でしたが、自分はボーゼン・・・・。

しょっくでたちなおれない。

関係ないけど東京文化会館で公演中のNBS招聘「デンマークロイヤルバレエ」監督、ダンサー御一行が、19日こちらに見学に来てました。


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笑って!スヴェトラーナ~「白鳥の湖」21日

2009-05-22 02:06:46 | Weblog
今日も良かったですが。新国立劇場「白鳥の湖」。

総合的に、現実的に今、ここで見られるバレエ公演の中では、文句なしに高い水準の「白鳥の湖」であり、古典バレエ公演であることは、間違いないですが。

今回、かなり気になってたのが、主役のゲスト、ザハロワお姫様の様子。

今日の最後のカーテンコールで、ようやく、以前のような笑顔を見せたので、ほっとしました。

女はやっぱり、笑顔が一番。て言ったら、セクハラなのか。

でも、ザハロワは、自然体で笑ってる方がいいな。

<以下、無粋に技術チェック>

★初日のザハロワの黒鳥アダージョ途中のバランスの見せ場は、サポート巧者ウヴァーロフを得てのザハロワの実力なら当然とはいえ、すっと軽さがあり、見事。

★だから2日目も、苦もなくこなすと思いきや、この人にしては完全にバランスキープまでいかずに脚落として珍しかった。(でもさほど気になるミスでもないけど)

★1日目の黒鳥パドドゥ、グランフェッテは、「頑固にシングル!」貫いていた。個人的にこの姿勢は好きだが、当然うけは悪い。

★と思ったら、2日目は、グランフェッテを高速回転に!

えっ!?え、え、え、??と言う気持ち。
ザハロワガラで、ワシリエフの踊りあたりから、悪い影響受けてないか??この人。

技術的には脚90度キープでの高速回転は難度も高いし(オシポワのやってた脚90度上げないでやるのより難しい)そういう意味での価値はある技術だったとしても、何で白鳥の湖でそれをやるかなって。

どうせなら、曲の流れを壊さずに、ありがちなダブル入れるパターンの方がいい。

ついでに21日はグランフェッテアントールナンの最後に、ダブルを入れてて珍しかった。ザハロワは黒鳥はシングルが今までの型だったから。

ザハロワの高速回転は、どうせやるなら、「ドンキ」にして欲しいけど。
(でもドンキではダブルを8回位入れるパターン採用だし、あれの方がドンキらしくていい。)

かつて、ニーナ・アナニアシヴィリが、グランフェッテを超高速で廻った時、一部で下品だと言われたんだけどね。まだ、ニーナとかステパネンコあたりが、こういう技術を誇示する踊りをするならわかるんだけど。

途中までは、ザハロワからオデットイズムが消えてしまったようで、今のザハロワはオディールの方が好きなのか?と思って複雑だった。

ところが、最終場で全部持っていってしまった感ありのザハロワ&ウヴァーロフの「白鳥」。

21日のザハロワは、最終シーンのオデットぶりが、19日より、良かった。

19日は、やる気に満ちたウヴァーロフと、「何事も型通り」のザハロワペアだったけど、心のない踊り見せられても、と思ってた。

「初日がリハーサルになってしまう」のは、ありがちな事だけど。

21日は、ザハロワさんがもう少しやる気になってくれたようで、ちょっと本気出すと、この二人の絵になる度数の高さときたら。

ザハロワが頭をウヴァーロフの胸に沿わせて、しっとりしたポーズとって、ウヴァーロフが彼女の頭を片手で包み込んで見下ろしてソフトに彼女を抱き寄せてポーズとるだけで。

「ザ・白鳥の湖」の世界が完成されてしまう。心がハッピーエンドを待望してしまう。

初演でザハロワと共演したマトヴィエンコもこのシーンの絵的な見せ方は、うまかった。

ザハロワ・ウヴァーロフはそれ以上で、ぐうの音も出ないほど様になる。

この二人は二人とも、こういうポーズとるのが、物凄く上手いんだろうけど。

それで、本日のメニューは「ハッピーエンド」。

嬉しい。

悲劇のも好きだけど。

チャイコ「白鳥」が高らかに鳴り渡り、愛の勝利を告げる時、19日は心が万歳と言ってたし、21日は、ザハロワ黒鳥フェッテの技巧にげんなりした気分も最終場で吹っ飛んで、感激して泣きそうだった。

もしかして年末のグリゴローヴィチ版「白鳥」の悲劇結末のこともあるかも。
あれがあったから、ハッピーエンドの有り難味も増えた。

でもグリゴローヴィチ版、大好きだけど。

21日のザハロワは、最後の最後に、自分の好きなザハロワに、少し戻ってた気がする。

★も一つ技術チェック
ウヴァーロフが、「最終場王子、慙愧の思いでジャンプして登場」のとこ、チャイコ曲が盛り上がった頂点が、ジャンプの飛翔の頂点になるように飛ぶのが正しい踊り方と思うけど、これをウヴァーロフがやってたので、びっくり。

この跳び方見たのは、今までの白鳥の王子役全員の中で、これで3回目。
かなり高く飛べないと難しそうなんですが。

★私的ツボはその辺で。
王子のヴァリアシオンは、21日の方がジャンプが高かったと言う事はあって、演技でなく、ジャンプの高さに価値を見出す系のお客様向けには、21日の方が良かったことになるけれど。

19日の王子は、演技の精度が凄かったから。21日はそういうものはもうなくて、普通に良かったです。

■新国立劇場バレエ団。
今回、悪魔が市川さんはなく、貝川さん。リフト降ろす時ザハロワの眉間にしわがよってた。勉強になります。

道化がバリノフじゃないのが、残念。八幡さんも好きだけど。

民族舞踊は、楠本さんが、個人的には良かった。良く見るとスカート捲り上げて足出して踊ってるのね。

バレリーナたちは、普通にほほえましかった。

ラストシーンは、「誰もが待ち望んだハッピーエンド」と言いたくなるくらい、盛り上げて幸せな気持ちにしてくれました。

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亡き師に捧げる名舞台~「白鳥の湖」

2009-05-21 01:53:24 | Weblog
新国立劇場「白鳥の湖」、5月19日初日。

初日のオデットのザハロワは、タイトなスケジュールをこなすスターの踊り。
今宵は、かつてほど心に格別な喜びがあるようには見えないが、手堅くまとめた。

一方、今日のウヴァーロフのジークフリート王子は、「どうしたの?!」と言いたくなるほど、気合に満ちた入魂の演技、踊り。

ザハロワとの「湖のほとり」で、ウヴァーロフが、まさに初めて出会ったようにオデットに反応し、腰回すときも優しいジークフリートの表情をしている。

何で?

途中ではっとなった。

そういえば、先日ウヴァーロフのバレエ学校時代の教師、ボンダレンコ先生が亡くなっていた。

きっと、それだ。

ウヴァーロフは、恩師の死を悼み、気合最高の状態で、舞台に現れたのではないか。

亡き師に捧げられた踊りだから、全幕を通じ、全くコンセントレーションが衰えず、演技、踊り、リフト、サポート、全てにいつにもまして、神経のゆきわたった気合十分の様子が見えたのではないかと。

まさかこんな舞台とは。無理して劇場に来て、大正解だった。




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ウオッカ府中の風の如く、7馬身差完勝!

2009-05-17 15:48:04 | Weblog
勝っちゃったよ。あっさり抜け出してぐいぐい差が開いて、騎手が手綱持ったまま勝っちゃったよ、ウォッカ。

なあんだ。

嬉しい。

単純な私。

単勝170円。
爆穴?ショウナンラノビア。3着。

ザレマは今日もこなかったか。(馬名で応援している私)

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「マノン3」幕、ヴィシニョーワの身体能力

2009-05-14 01:03:37 | バレエ
マノンは、表現のためのアダージョという建前になっている。

第3幕最後のシーン「沼地のパ・ド・ドゥ」では、それでもプリマが助走(?)してぱっと跳んで、宙で斜めにくるくる回転して、デ・グリューの腕の中にキャッチされる(ってバレエ用語使えば、解る人には判りやすいんだろうけど)ような振りがあった。

ここは、技が難度が高いため、しょうがないんだろうけど、いかにも「さあ、行くわよっ!」と言わんばかりに「助走」(!)して、ヒロインの感情表現とは関係ないものを見せてしまうのが、実態としては普通だ。

(ついでにお客さんの一部も、結構そういう技を「おっ、凄い!」と思ってみてる人はいる)

こないだの「マノン」、TV放映の英国ロイヤルバレエのタマラ・ロホも、やっぱりそう。

マリインスキーバレエのディアナ・ヴィシニョーワが、ここのパートを、全く助走?めいた動きなしで、きれいに振付通り踊って見せたことがあって、他のプリマのを見るたびに、ヴィシニョーワのは凄い高い身体能力なのだろうと再認識する。

シーンとしては、(少なくとも建前は)そこは、アクロバット見せるパートじゃないから、こういうことだけ褒めても仕方ないけど。

ヴィシニョーワのそのシーンは、表現的に最高の表現ではなくても、あくがないのが、良かった。激しく嘆くのはデ・グリューの方で、マノンは意識も薄くなっていくシーンなので。彼女はスタイルもいいし、見栄えがした。

ロイヤルバレエのプリマは、体型の基準が違うらしい。普通の女の子のようにふっくらぎみ。日本人のプリマたちの方が、バレリーナらしい細い体型をしてる

それにしても、あの「マノン」公演は、2008年11月、コヴェントガーデンと書いてあったのに、終幕後のカーテンコールで、聴こえるブラボーの声が、全員日本人的発音。まさか、皆日本人?英国のバレエ公演のはずだけど・・・。

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ほしのあきとメルクリエフの舞台衣装(ザハロワガラⅡ)

2009-05-08 01:42:02 | Weblog
天皇賞とバレエ公演が重なって、バレエのファンに言ったら怒られそうな事を考えた。以下、不謹慎な与太話です。

天皇賞の予想で、フジテレビの深夜競馬番組を見てたら、ほしのあきの応援してる馬がオークス出走権をとったので、公約どおりほしのあきが、番組放映中に、変なコスプレ体操着姿を披露。

スケスケの体操着だったんだけど。

それでバレエ公演行って、メルクリエフのコンテンポラリーのソロの踊り見てたら
内心、「あっ、昨日の体操着衣装と一緒だ」と思った。

この方の踊ってるお衣装が、上体のTシャツが半透明。網かな。汗かくと透明。近くで見ると、肉体の生々しさが目立つ。色白だし。

こういうの、メルクリエフのファンには受けるんだろうか・・・?。

ルジマートフなどは、半裸でもこういう生々しさがない。研ぎ澄まされたストイックな身体。マラーホフも、メルクリエフみたいな生々しさはなかった。

ちょっと前列で見てると、踊りより、ほしのあきのコスプレみたいな、肉体の生々しさを眺める感じになりそうな気がするんだけど。ミーハー向けはかぶりつき席、アートとして見るなら、後方席ってことか。

踊りはよく踊れていて、去年同じ演目見た時より、ずっとよく見えた。
伸びやかに宙をつかむ長い腕、脚。音にのり、全身で空間に弧を描き、
思いを表出する。でも、前にも同演目見てるから、自分の集中力が続かない。

もっといまいちだった時の踊りの方を、何を語りたいのか一生懸命見ていた。
舞台は踊り手で完結しない。見る側の緊張と弛緩の度合いも、上演の成否に大きく影響する。

去年の踊りを一生懸命見たのが、少し空しかった。

コンテンポラリーは、どうかすると練習を見せられてるような舞台を、いくつも見てきた気がした。この手のダンサーたちは、日本の公演で何回か同じ演目を踊る。

最初は??だったり、うまくないのが、だんだんまともになっていく。オーラ、存在感、表現力のなかったダンサーが、一歩一歩、それらを身に着けていく。

自分的にはお金払って見るんだから、最初から高水準のを見たいけど。

ダンサーが成長する、練習つき合わされているような、そんな舞台を、バレエガラ見る中で、今まで幾つも見てきた気がする。

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