懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

世界フィギュア 男子シングルの羽生選手

2012-03-31 00:19:38 | Weblog
試合を全選手見たわけじゃないんですが。
SP1位のチャン選手は見損ねて。

羽生選手。主観的には、その芸術性に、凄く感動したんだけど。
お若くて、これからの活躍の期待される逸材なのでしょうから、
心でそう思っても、今、あまり褒めすぎてはいけないのかしら?と迷いながら、書いてます。

優勝争いをするはずの選手たちが4回転をしくじるなか、
羽生選手が4回転を決め、3回転半も決めた、までは、「オッ」と思った人は多いだろうし、私も。そして、それなのに、後半のジャンプの回転が足りない、という結果は、本人は悔しいでしょうし、惜しいけど、フィギュアで天才少年系の初出場で、時折あったような、いかにも、な光景でもあって、残念だけど、むしろこれから良い結果をたくさん出せると良いね、と思った。

試合の勝ち負け、技術を決められるか、は、一つのキモだけど。

一方、芸術性は、試合の勝ち負けへの関心が薄いと、見る側にとっての愉しみの一つ。

羽生選手は、(今だけかもしれないけど)氷上の妖精のような、独特の透明感ある世界をリンクにつくれてしまう、不思議な個性。今までの日本人男子選手には、無かった個性に驚いたし、引き込まれた。技術と共に、表現性、個性に恵まれた人で、(専門的には、最高の出来ではないんでしょうし、まだ先のある人だし、で、)褒めていいのか困りながら、褒めている。
選曲、演目も良いと思った。(って、専門的にどうなのか、知らないけど。)

全身の表情もあるし、動きに細やかなニュアンスが自然に備わる所とか、恵まれた人だなあと思う。不測のミスを出した直後の、顔の表情や、全身の動きから発散される感情までが、表現の延長のようにも見え、持って生まれた資質を感じた。(って、褒めちゃいけない所(ミス)を、また褒めてしまった。)主観的には、この年齢の日本人で、顔だけでなく、全身の表情まである所も、素晴らしいと思った。それとも、日本人も変化しているということか。

羽生選手の年齢が上がるにつれて、今の妖精のような雰囲気は、もう少し男性的なものに変化するかもしれないし、それは、どちらでもいい。この透明感が、いつまであるかは分らないけど。

つい、褒めてしまったけど、こういう雑音に濁らず、ナルシスティックにならずに、今の芸術性に身を浸して滑るような滑りを携えたままで、天与の才に似つかわしい大きな花を咲かせていけるよう、祈っている。性格も、大きな目標に向いてそう。

最初出てきた時、アームスの動きが優雅で品があると思ったのと、衣装が変わってて目を引いた。
この衣装は、それだけにとどまらず、演技の終盤の腰の位置の低いスピンの時、2つの手の手袋の色が違うのが、このスピンの面白さを、一層小粋に見せていて、あっと思った。

(2位の選手もちょっと良かったけど、全部見れなかった。)

そういえば、解説の本田氏も、選手時代は、当時の日本人選手には稀な、気品ある動きと長い脚で、バレエのダンスールノーブルを思わせたっけ。
羽生選手は、バレエで例えれば、昔のマラーホフが「薔薇の精」や「ナルシス」を踊った時の様を、少しだけ思い起させた。(って言うと、ファンに怒られそうかな。)

でも、誰とも違う、ユニークな個性や創造性が、この人にはある。不思議なかんじ。

★役者殺すに刃物はいらぬ、とかで、若き逸材を、褒め殺すのは罪、なんだそうですが。
今のようにポンポン跳べそうな身体の時期から、栄光の後に怪我に泣く明日もあるのが常の、フィギュアスケート業界だから、ぜひとも才能に相応しい栄光を得るまで、大過なく活躍してほしいですね。

女子の浅田選手は身体が軽くなったな~と感心しました。これは、私的には、10数年前の吉田都さんのフェアリーの踊りみたいな、軽さで全てを表現してるような、軽さ。同じ演目でも、前見た中近東の異国情緒と変わって、もう少し西洋風に見えて、一回一回違うのもいいかなと。

マカロワ選手がレオノワ選手に負けてる状況だけど、このマカロワ選手が、フリーでマリリン・モンローをやるというので、レオノワ選手のより楽しみ。

男子選手は、順位どうこうより、そのひとごとに個性が色々違うのが楽しめました。4回転を決めたスペイン男性に、ファンの女性たちのキャーキャーいうのが、笑っちゃいけないけど面白かったり。男性性の発散系。ネタっぽい。

ロシア男子・新世代ガチンスキーと、旧世代プルの脚の長さの差に、ロシアの国情の変化を感じた。

小塚選手は、以前調子の良い時で見たので、今回は本調子じゃなかったみたいで、やっぱ調子の上下があるから、先週も大変だな~と。大会ちょくちょくあるし、調整するのが難しいのかな。

4回転が当たり前になってきたらしい。4回転決まって凄い、と思ってる自分って。

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GⅡ阪神大賞典、オルフェーブルの・・・

2012-03-18 16:23:25 | Weblog
久々競馬の話。

普段はG1の時しか書かない、悪例見本ミーハーの私。それが珍しく書く程、変わったレースで。

阪神大賞典って、下手なG1より面白い時あるわよね?と思って、今日はTVリアルタイム観戦。
休み取れて良かった。

でも、タイトルを「オルフェの」と書いて、その後なんて書いていいのか、とまどうようなレース・・。

三冠馬、現役最強馬オルフェ始動、今年は凱旋門賞目指す、と、レース前の報じられ方。
好事魔多し?

スタートし、レース前半、なぜかオルフェが途中で先頭に。
あれ?逃げたのって初めてだっけ。
こんなでいいのか?と思。騎手は?と思うと、やや抑え気味?
⇒池添騎手が、3コーナー当たりでギュイーンと手綱引き、ブレーキ。オルフェ先頭集団から大幅後退。 え?故障発生?!(と誤解。)(何かあったのか?不明)
⇒故障じゃなかったのか、その後アクセルに転換。盛り返し猛然と追い上げる。
よ、よかった~。故障じゃないみたい。

幾らスローとはいっても、芝G2で、先頭⇒ 最後方側まで後退 ⇒ 勝負所の4コーナーで、1頭2頭と抜きまくりは、プチ・サプライズ?
最後の1頭、先頭のギュスターヴクライに迫っていく・・・。脚色オルフェ優勢。凄い勝負根性。しかし、差がやや大きいか。

抜くのか?届かないか?無理か?・・そんなゴール前の直線の攻防。
⇒結局1着は、ギュスターヴクライ、2着オルフェ。

【私のような、ど素人の感想】すっご~い。珍しいものを見た。こんなレースの流れってあんまり記憶ない。下げてあげて、すわ、勝てるか?って、こういう妙な見せ場(?って言わないか)作れるのは、さすがオルフェ。

⇒これは、間違った見方らしい。これがフィクションだったら、良く出来た演出だけど。競馬だから。残念でした。

【競馬に詳しい人なら】
細江純子さんが、レース後即座に「これは、だめですねぇ~」と仰せで、自分みたいな分ってない人には良かった。凱旋門賞に行くために、スローで我慢を覚えさせたかった陣営の意図にも反してるし、競馬は競馬で、騎手のコントロールが効かないってのが、競走馬としては今後に課題あり、という事らしい。

勝ち馬を当てた井崎氏が、阪神大賞典では、時々あり得ること、と解説してた。
見た目には「こんなレース見たことない」、と思ったけど、内実はそうでもないらしい。あの追い上げ劇も、スローだったし、起こりえることなのか。

でも。オルフェが壊れてないなら、良かった。

レース前は1番人気、オッズ1・1倍の馬を買う自分て、つまらない人間かも、と思ったけど。
ふたを開ければ、今日は、意外性MAX。

(※阪神大賞典って、見た目、面白いレースが多いような。)

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続く習慣

2012-03-15 00:51:58 | Weblog
地震にドッキリしました。身辺整理した方がいいかしら。

衝動買いや、三日坊主のグッズが家にちらほら。

「カーヴィーダンス」の本とか、「骨盤何とか」と、タイトルついた美容グッズとか。(売り方が巧くって、つい、衝動買いしてしまう。効果が無いかどうかまで、分らない段階で、三日坊主に終わってる。)
カーヴィーダンスの方は、私の場合、膝痛になりそうなので、はまらなかっただけで、DVDが悪いわけじゃないんだけど。

そんな中、こんな私でも、毎日続けてられてるのが、”リンパ・マッサージ”。
全滅でなくて、良かった。よかった。

これも、雑誌のでは、私のようなもの分りの悪い系には分らなく、人に教わってできるようになった。ありがたいことで。説明した人が、いいことだから広めたい、という意思が強かったのでしょう。
体がしなやかになって、筋トレ系の運動をがつがつやるだけより、いい感じ。

『カーヴィーダンス』は、職場の人が話題にしたので、買っちゃったんだけど。後は、動機としては、数年前から、彼氏がなぜか優しくなって、でも、私の友人たちには、気がつけば、美魔女が複数いて、彼女たちを見てると、彼氏の優しさにのって、怠けてはいけないような気がしてきたので・・。

美魔女たちは、実年齢より、酷いのになると、20歳位若く見える時がある。(大げさか?)十歳は確実に若く見えるのが、2人いる。他にも・・・。
私は普通で、特別な美容法はしてないし、まして、昨年末まで1年位、仕事多忙にかまけて、メンテナンスなさすぎ。
だけど、美魔女たちは、それぞれ美容法があるらしい。生活の余裕か、はたまた美学か。

三寒四温で、今日、切り花が、ようやく開いてくれちゃった。

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衝動買い

2012-03-14 01:48:31 | Weblog
スマスマでやってた、読心術の出演者の書いた本の在庫を、本屋さんで聞いてみた。
でも。ちょっと見て、気が向いたら買う程度の気でいたのに、本屋さんが親切だったので、なんとなく買ってしまった。どうも自分は、こういう本が指南しているようなベクトルでは、生きていけないタイプ?

この本の著者は、人の心を、自分の思う方向に操る事に興味があり、研究しノウハウを身につけてる人らしい。「ザ・メンタリスト」扶桑社刊

スマスマ見た人で、ちょっと興味ある人向けに、買っちゃったから、触りない程度に、内容紹介ちらっと書こうかと思ったけど。眠くなってきてしまいました。

★ネットで、知らない人のブログで、この種の本2冊の事を書いてたものを見つけたで、代わりにご紹介。

http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138934/54153270

>冷静に、客観的に診れば、困難な選択肢であることが明らかなのに、そこへ魅かれてしまう衝動というものは尊い本能のスパークです。

>そこに作為があったり、駆け引きがあるというのは、私にはどうも…です。

というお言葉。「とおとい本能のスパーク」って、オリジナルでい~ですね~。



★なお、この手の本の中で、「イエスと言わせる方法」などは、仕事してる人なら、何割かは既知の話の人いると思う。そんなに珍しい話じゃない。相手がイエスと言いそうな質問を、2,3投げるってのは、よく聞くんじゃないかな。

他、”選択肢の中で、自分が選んで欲しいものを、相手に選ばせる時の、ちょっとした誘導テクニック”みたいのが、書いてありました。これは、私の知らない事は色々細かくあった。

★スマスマでやってたテクニックに近そう?なのは、「1,2,3・・5,6」と言って、「4」を言わずに、相手に意識させる⇒4を選ばせる
これも、他の本でも出てたと思う。って、解説になってないですね。この本では、もっと事細かに書いてあります。興味ある人は、立ち読みでも。

★こういう、色んなテクを駆使して、ビジネスの成功は勿論、恋愛でも、好きな相手を思った方へ誘導するやり方の指南(笑)が、出てますが。

仕事や近所付き合いとか、人間関係では、利する局面はあるかも??だけど。
恋愛はね~。あえてそういうテクニックを使わないで、愉しむのも、私はい~んじゃないかと思いますが。
恋愛は、心が裸になるから面白いので、こういうテクニックだと、私見では、心が服を着そうで面白くないような。でも、本として読むと、「ほんとかな~~~??」と思って、笑えます。

尚、私が持ってるテクは、この本のテクとは別で、「まず自分から騙す」という方法。
相手に選んで欲しい品物があったら、その品は凄く良くて、絶対選んだ方が得だ、と思い込む。恋愛だったら、自分はこの人で正解!と、確信を持つ。他なんてありえない、と思い込む。

(恋愛のことだったら、むかし、「Anan」に出てた素朴な内容が、参考になった事はあった。そういう、ど~ってことない女性誌の与太話の方が、ピンポイントで響くかな。)

う~ん、どうなんだろ?恋愛では、自分が真摯になることで、相手もそうなってくし、そうならない相手は、長い目で見ればふるい落とされるから。と思ってる自分があるけど、私がそう思ってるだけで、一般化出来ることかは、分らないや。

でも、「相手を思い通りにする」って、面白いですね。自分が男に生まれてきたら、冗談で試して、どうなるか見てみたい?(下手くそにやって作為がばれて、思いがけず殴られたりして。)

★スマスマでメンバーが、この本の著者に心を読まれたり、選ぶものを誘導されるさまは、見ててすご~いと思ったですよね。
ただ、この方は、お顔が・・・ごめん、ちょっとずるそうに見えるのが気になる、(こんなこと言ったら失礼かなとは思うけど。)逆に、正直すぎるのかもね、と思った。中傷してるわけじゃなくて、こういう事は、本人に役に立つはずだから、書くけど。こういうお仕事なら、私程度の者に、「ちょっとずるそう」とか、思われない方が、よりよいのでは、と。

天使の笑顔で、人をだませれば、超絶技巧。

・・ナマイキぶっこいて、すいません。

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カーネーション

2012-03-12 10:48:08 | Weblog
買った切り花の蕾が、部屋の暖かさで開くのでは?、と期待したのが、
赤い花弁をチラ見せしたまま、開きそうでで開かない。
思わせぶりな、わるい女のようで、面白い。

【カーネーション】
朝の連ドラって、ちゃんと見たことが一度もないし、今回もそう。

慌ただしい中、チラ見して、今回のドラマ「カーネーション」の前半は、ミシン一つで、女性たちがきれいになってゆく魔法のような、夢のある話で、チラ見でも楽しかった。

モデルは、高名な天才的なデザイナーさんの話なのだけど、戦後の復興から高度成長期への転換点に、夢を持って生きた女性の話として、もっと普通の人のような感じで見れた。

ちなみに、もっと後の時代だと、業界の現実はからく。

数年前知り合った人が、素敵な服を着てたので、どこで買ったのか聞いたら、自分で縫ったそうで、縫製もデザインも優れてて、驚いた。元デザイナーやってて、大手デパートに商品置いてたけど、結局食べていけなくて、足を洗ったそうな。門外漢には分らないけど、デザインの才能以外の処世術がいるのかしらね。その後の時代は、資金ないと厳しそうな気がした。夢を持って生きる若い人は魅力的だけれど、持続していくのが、なかなか。(あたり前か。)

【3・14】
3.11の次は3.14よね、と思ってるのに、朝の新聞のタイトルが相変わらず暗いので。
死生観によって見える世界が違うのかも、と思った。

宗教のない人には、喪失だけの話でも、クリスチャンの人だったら、あの世があって、神に召されるという考え方になるから、肉親の死も、失うだけのこととは違うのかしら??、と思って。

それと、生の時間の大切さもあるし。
20代の時、職場の同僚の男性が二人も亡くなって、凄く驚いたことがあるけど。(事故とガン死)運命って分らない。

※アクセス数が無事落ちて、与太話や、しょうのない話も出来そうで、良かった。アクセス数が高いと、趣味の特定ジャンルのブログで登録してるので、その通りでないといけないのかしら?、と思ったけれど、でも自分は、越境や、寄り道、廻り道が好き。

(3.14は、「期待してて下さいっ」って言ってた人がいるので、ちょっと愉しみ。フフフ。)

というわけで、バレエの話は、ぼちぼちで。

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再現ドラマ、全電源喪失

2012-03-12 00:31:46 | Weblog
やっとアクセス数が落ち着いて、他ジャンルの話も書けるようになりまして。

11日が震災後1年というので、TV番組が、その関係に変わってて。
競馬番組が今日は無い、と思って、何となくつけっぱなしにしていたら。
日本テレビだったかな、(忘れた)上記のタイトルの再現ドラマを、夜にちょっとやっていた。

福島第一原発の、現場作業員たちの奮戦の話。
今日やってた震災関連の中で、一番良かった。

不測の事態の連鎖の中で、現場の高放射能の中、足場の悪い道を通って、奥にあるバルブを手動で締めて、これ以上の悪化を、防ごうとする話。そもそも手動でやるようにはできてないので、やりにくい。

放射線量が高く、若者には行かせられない、と言って、年配者が防護服を着て、一回目に行った2人の浴びた放射能が、25マイクロシーベルトとか。で、2回目の2人は95とか、(100行っちゃ、いけないんだか、なんだかで。)クラクラするような話なのだけど。2回目の人は、もう少しの所で目的地まで行けずに、責任感が高じて、戻りたくなさそうだったり、こういう中で規定通りを貫く冷静さを保つのも、大変なんだと分ったり。見てると泣けてくる。

この人たちが一番くらい、大変だったんではなかろうか?

最近になって、事故調査委員会が、当時の政府の対応に問題があったことを、悪しざまに報告してた。でも、そういう事で、却ってこういう現場の人たちの活躍を讃え、その後のケアを考える風潮が遠ざかったのではないかと、危惧した。

あの、なにか、当時の政府が悪いとしか言えない報告も、無能そうで聞いてて疲れた。(元はと言えば、ずっと前からの、原発推進政策の結果だし。)
いいとか悪いとかより、当時の政府が悪かったことにすれば、問題が解決するわけでもあるまいに。(朝の番組に出てたシンクタンクの女性が、政治に期待するより、出来る事はやるみたいな事言ってたけど、ほんとにそうだと思う。)

誰かを何かを非難するより、労あった人たちを讃えることが、もう少し先にあってもいいんじゃないかと。良くやった人たちをよくやったと、なぜ先に言えないのか。過去の失敗を責めるより、今何ができるか、どこから始められるかを見つける方が、良いのではと、思ったりした。

史上最低総理の安倍しんちゃんを戴いたことのあるニッポンとしては、むしろあの3・11って、それ以上の事態の悪化も、ありえたと思うのに。あの時、ママ友とかチェーンメールの風評被害とか、出そうだったけど、政府高官が事態の鎮静化を意識したことで、一時の混乱は、やや収まった時期がある。そういう事、もう、皆忘れちゃったのね。当時、ヨード飲んだらいいとか、変な話が、一時期、噂で出てたけど。

原発の現場の人たちの命令指揮系統で、一番上は政府も一枚かむから、そこからの指示もあって奮戦した人たちのことが、あの「今更」な報告書の出たことで、却って置き去りにされそうで。そんな中で、各局の番組は、別の内容なのに、ここではこれがちょっと出たのは良かった。

彼らの働きで、私らが今日あるのかもしれないし、労働条件、環境過酷そうなんだけど、最善されたらいいと思うし、ねぎらいや称える言葉の一つもあっていいと思う。体調の変化への病院対応の手厚さが、もっと保証されたらいいと思う。報道されないより、された方が良かった。

竹ノ内豊のナレーションも良かった。抑揚付きすぎず、冷たくもなく。俳優がセリフ言うのって、やっぱり難しんだなと思った。

【弔い】
亡くなった方の話も、多く報じられたので。お坊さんから伺ったお話。

私はあの世があるのか、無いのか、分らない。お坊さんは、あるという立場で、死者を弔う時は、その方が亡くなった状況が、肉体的苦痛を伴う辛いものであったら、その時の相手の辛さ、苦しさを思いやってあげて、でも今は、その苦痛から解放された事を思い、「辛かったね、苦しかったね、でも、今は楽なって、良かったね。」と思ってあげると、なくなった方の魂の救済面で、良いのだそうです。

あの世がなければ、それまでだけど、もし、あの世があって、死んでも死んだ時の苦しさが残ってる場合があるなら、そういうのが死者の魂に有効なら、と思って、確率半々で、自分は、仏事で励行してます。

というわけで、震災関連で亡くなった方の弔いがある場合、せっかくだから、そういうのも良いのかも、と。

何か、現実に、プラスになることを考えると、良いのではないかと思う。

【競馬、フィリーズレビュー】
しっかし、まじめな記事って、自分で読んだらつまらん。勝った馬、アイムユアーズって、いい名前ですね~。★★アイムユアーズ★★

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3月11日

2012-03-11 07:02:19 | Weblog
ああ、1年たったんですね~。

あの日、厚着してて、ヒールが高すぎなくて、良かった。
翌日会社が休みになると知ってれば、途中にあったいい感じのバーで飲んでれば、良かったんだけど。愚直に歩き続けて帰った。夜は歩いた方が、寒さがゆるんでよかった。

その後の義援金や寄付の中に、被災地のペット救済というものが、異種モノであった。自分にはおもいつかなかった。
原子力委だかで、辞めたい人がいるそうだけど、辞めないで続ける人は大変。がんとかになりませんように。(せいぜい自分は、義援金や、ぜ~きん払うためにあくせく働き、人の後塵を拝する程度のことしかできんけど。)夜のTVニュースで、ワールドビジネスサテライトが、復興関連でもトーンが明るい。被災地での企業活動の話とか。前向きな話が、やっぱり好き。

【建設的な話を】
今日の朝のTV(NHK)見てたら、被災地の復興関連で、良い商品(魚)を、ネット通販してみたら、売れた話が出ていた。(今までの顧客に売れなくなったので、新規の販路開拓)

そういうのも、ネットで売るならHPの作り、アクセスの上げ方、利益の出し方のノウハウはあると思うけど、やる人が知ってればいいんだけど、新しくやるので知らない場合は、融資する銀行の人が知っててもいいわけだし、発想の転換で、何かやるなら、新しく学ぶことも出てくる場合もあると思う。もちろんネット通販やWEBの専門業者なら、知ってる話でも、そこまで専門性の高い人以外がかむ場合、少し知ってる程度でも役立つこともあるし。
商売やる人は、マスコミもこういう機会に、宣伝に上手く使えばいいと思うし。

TVの報道系バラエティー番組でも、ネットのニュースも、人の批判の話や後ろ向きな話があるけど。批判の為の批判は、いらない。世の中が暗くなる話より、前向きで明るくなる話、建設的な話の分量を多くした方が、いいと思うんだけどね、自分は。

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黒木メイサ~スペイン、フラメンコの旅

2012-03-11 01:19:31 | Weblog
再放送だけど、深夜のBSで、女優さんが、スペインでフラメンコ修行するのをやっていた。番組の正確なタイトル失念。

フラメンコの先生は、「心で音楽を感じて踊る」とのサジェストを、繰り返し力説。

フラメンコの人たちの、ギター演奏、手拍子、かけ声、足踏みって、素朴なのに音楽を創り出す力が物凄く強くて、自分はその場面になると、脚や腰が勝手に動いて、下手くそな踊りを踊りそうになる。若い頃からそうだったし、同じような踊り心を持った青年と、気があった記憶がある。

修行中の女優さんは、最初はそうならなくて、じっとしていた。
一方、素人目に、振りを踊る技術は遜色なく見える。一方、音楽を心で感じて身体で表現することは、言われなくても分る人ではなかった。

こういうのは、どちらかになりやすく、技術もダンスマインドも、両方最初からある人は、少数派なのだろう。

―そういえば、熊川哲也の出てたバレエ番組で、白鳥の湖のホワイトアダージョの指導をしてて、お客様は、まず視覚、次に聴覚で見るから、それを計算にいれて踊るように言っていた。

ふうんと思ったけど、自分的には「視覚、聴覚、視覚」の順で、場面が頭に入るのではなく、音楽と舞踊は、もっと一体化してる。きっと熊川哲也の扱うお客様が、視覚が先、そういう傾向なのだろう。

私の場合は、今は見る一方になってしまったが、昔は身体が勝手に踊ってた。
バレエ公演で、小さい女の子が舞台を見た後、幕間に自分流で何やら踊ってて可愛らしいのをみたことがあるけど、まずは心で感じて踊る。この頃忘れてて、踊ることもなかった。

さて、女優さんの方は、最後に紫のドレスで皆の前で踊った時、師のサジェストが効いたようで、稽古よりずっとはじけて踊っていた。

前に上原多賀子がベリーダンスを踊る番組があったけど、こちらはもう少し謎めいた雰囲気。
黒木メイサは、硬質さがほぐれてゆく時、若い娘の素直さがまさってたような気がするけど、流して見たから分らないけど、その女優さんによって、個性が違って、面白い。フラメンコは以前別のセクシー系の女優さんがやっぱりTV番組の中で踊ってたけど、こちらは陽性の個性だった。

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途中下車の気分で

2012-03-10 16:00:17 | バレエ
【今時は】
もう、モンテカルロバレエとか、スタダンの公演(都さん客演の演目が、珍しい「ワルプルギスの夜」なので、ちょっと注目された)とか、東京バレエ団の眠りとか・・・そういう時期なんですね。自分は彼氏孝行(?)とか、その他で、しばらくバレエ公演行くのはお休みです。4月中位まで。

【2008年「スパルタクス」公演】

自分は、手持ち画像で、ボリショイ公演後、関連作品全幕をざっと見まして。 
それで改めて思ったのは、やっぱりDVDやブルーレイが出てる公演はいいな、と。ボリショイ以外は、公演の場に、あったDVDがよく置いてあって、羨ましい。

それでも、私はまだ、手持ちが色々あるからみれるけど、色んなお客様が、公演を気楽に振り返れるようになれるといいな、と。公演後、CD,DVDある人とない人とで、違ったのでは?と思って。

さて。私の手持ち画像、「スパルタクス」全幕は4つ。

1.その最新のが、2008年1月、パリ・オペラ座ガルニエ、ボリショイバレエ団、パリ公演

後は、
2.ムハメードフ、セメニャーカの'89年か'90年のモスクワ公演。
NHK収録で、ロシア人よりカメラワークが良いような気がする。これはDVDが出たら良いと思う。

3.V.ワシーリエフ、クラッスス:マリス・リエパの、凄く古い画像の。
(画質が古く、今回見たら、目にやや辛く。)
4.ムハメードフの若い時の。クラッスス:ガボーヴィチ。
2の方が良いが、ネットやDVDで見られるのはこっち。(涙)

で、1の、ちょこっと感想。

※スパルタクス:カルロス・アコスタ
フリーギア:ニーナ・カプツォーワ
クラッスス:アレクサンドル・ヴォルチコフ
エギナ:マリーヤ・アラシュ

指揮:パ-ヴェル・クリニチェフ
★管弦楽:コロンヌ管弦楽団

≪指揮&演奏≫
クリニチェフは、'06年来日公演「バヤデルカ」や、'08年「白鳥」東京初日に、有能な指揮者ぶりが目に付いた人なのですが。今回はコロンヌ管弦楽団だったせいか、スパ幕開きの前奏の華々しく盛り上がる様だけは、今年の来日公演(ソロキン&ボリショイ)の方が、さすがに良かった。その後は、別に悪からぬ演奏。

≪男性群舞≫
こちらはグリゴロ氏が袖にいたせいか、今年の日本公演よりは、まだ定番どおり。でも、今年のも今時の若者の面白さがあって、今にして思えば、氏の不在で面白いもんを見たのかも?

≪舞台の広さと群舞≫ まず、ガルニエは、舞台広くないと思うので。この位のホールでも上演できるのか、と思ったけど。

今年2月1日の公演の雑感で、舞台のコールドの人数の事を書いたけど、上記の画像集で、ざっと確認したら、群舞の人数や、配置は、昔と変えてない様子。

ただ、東京文化会館の「スパ」で、2002年の来日公演では、男性群舞の圧倒的な迫力で、もう、途中でごめんなさいしちゃう、降参みたいな気持になったのが、今年のはそうでなかった為、何が違うんだろう???と思ったんだけど。

(なお今年の方が、主役たちの演技や、コールドとの関係が、より良好な面もあり、新しい現代のスパルタクスになっていて、想像力を刺激する新鮮な舞台、という意味では良かった。)

それで、人数の頭数は変わってないのに、何が違ったのか?と考えたのだけど。
そのヒントになったのが、このパリ公演。
大劇場改装で、舞台の狭い、ボリショイ新劇場や、或いはこのガルニエなど、コンパクトな舞台でも踊れるようになったのは良かったけど、反面、やっぱり狭い舞台だと、コールドも、狭いなりの踊りになるのかしら??と。

その、ムハメードフの2番目の手持ち画像で見ると、もっと群舞全体の迫力がある。(必ずしも、'08年より'90年頃の群舞が、全シーン優れているわけでもないけど。)もちろん主役が違うこともあるけど。

以前、'88年来日公演で、「黄金時代」か何かをやる予定だったのが、舞台の大きさが足りなくて、別の作品になったという話なので、その後、スパルタクスにしても世界で上演する上で、各地のコンパクトサイズの舞台でも上演できるようにしたのは、プラス面もあると思う。

もしかして、男性群舞の迫力が10年前ほどでないのは、その副作用?かも?と。

もう一つは、どうも今回,コールドの人は、(震災あって、日本に来たい人だけきたので、総力挙げての来日でなく)色んな役を持ち回りでやってたような気がするので、それもあるかも?とも思ったけど。

(敵と味方と両方同じ人とか。トラキア人女性群舞の中に、ニクーリナみたいな鍛えられた身体の人がいたのは、さすがに別人と思うけど。)

「ライモンダ」の2幕の民族舞踊の前座の女性たちの動きにしても、もっと俊敏な方が、より良いけど、そうは言っても、この人たち、色んな役をやってて、役の習熟面で、そこまでは出来ないのかな、とも思ったので、自分はそんなに不満は無かった。

(一方、「白鳥の湖」は定番なせいか、一転してコールドの安定感が目を引いた。)

※あいにく、手持ち画像が途中で1幕で終わって、保存状態が悪く、続き画像が見つからないので、以下散漫感想になってます。

≪最愛の妻:フリーギア≫
これを最初見た時は、カプツォーワが美しく、愛らしく、情深く、愛される容姿と清純な役どころに相応しい演技という点では、歴代のフリギアの中でも、最も愛らしい妻、男性が妻にしたいと思うフリギアで、かつ情愛深い役作りでは、NO1じゃないかと思った。誰よりも、リアルな愛が感じられて良かった。

(逆に脚線美を強調したソロやリフトの脚見せ振付には、アンナ・アントニーチェワやむかしのベスメルトノワ他の方が、全然あってるし、その舞踊の魅力は、脚マニアには他を勧める。
脚のラインの美しさは、上には上の、おそるべきロシア舞踊界ではある。)

演技では、マクシーモワは、リフトで大きな目を見開いた、ぶりっ子系の可愛さが持ち味で、セメニャーカも同じく姫資質なので、フリギア役のキモ、「献身的な妻」という面では、カプツォーワが、より自分好みに見えた。

3幕最後の、カプツォーワの、よろよろ歩いて意識もおぼろな様子は、演技じゃなく、本当に最愛の夫が死んだみたいで。
主観的には、過去のスターの演じる姫キャラ系のフリギアを、優に凌駕して見えた。)

※私はセメニャカを好きだが、彼女は尽くす系の女性には全く見えないし、彼女はスターの貫録は文句なしだが、フリギア役の3幕の乱れる様子の演技だけは、べスメルより誰よりセメニャカが良くなく見え、意外だった。彼女は演技は上手いと思ってたので。資質より演技力の問題とは思うが。ついでに彼女は献身的な妻ってタイプじゃ、なさそうで。それもセメニャカの魅力?

ところが、そのあと、愛らしく初々しく繊細に演じたニクーリナを観て、カプツォーワとの演技の違いも興味深かった。どちらも愛されそうな妻そのものだけど。

カプツォーワは、1幕登場してから、現代人の彼女とは違う、フリーギアの置かれた状況を考えて演じている。フリーギアが、今いる場を、どのように感じているか。大きな目を見開き、知らない暗い部屋へ連れてこられた五感の感じる不安、そして、これから何か恐ろしい事が起こるのではないか、との怖れを、作って演じてる。スタシスっぽい。彼女の演技を見てると、観客も、舞台の人の状況が改めて分る、という種類の演技。

ニクーリナは、自然で繊細な演技をする人で、まず、その場に「居る」ことから、演技を始めてる。実は師匠のマクシーモアよりも、私好みの演技をする人なのだが。

それと、最終場のスパルタクスの死についても、演技の違いに、二人の女性の違いが伺える。
もう大人の女性でフェミニンな魅力の香るカプツォーワは、最愛の夫の死、という状況から始めていて、歩くこともおぼつかない様子が、彼女の夫への愛の愛の深さを語ってやまず、そんな風に演じるカプツォーワ自身まで、愛情深い魅力的な女性に見えてくる。(かどうかは知らないが)この上ない名演。

ただ、ニクーリナは全く違って、夫の死を目の当たりにして、信じられないし、運命に全く納得できない表情をしていて、見なれたスパルタクス最終幕が新鮮に見えた。若い女性らしい演技で、このシーンだけなら、10年前のアントニーチェワを優に凌ぐ好演だった。何より、お芝居を作り事のように演じない、役を生きる演技は素晴らしい。

(この場の違いは、二人の女性の感じ方の違いも表していて、違う演目でも、ダブルキャストで見ると面白そうだと思った。ニクーリナの方が、まだとても若い女性っぽい。彼女自身が、また恋愛したり等で、心の世界が変化すれば、また芝居も変化するかもしれない。そういう意味でも貴重な舞台だった。)

アコスタが初役で頑張っていたのを、実態は、中堅のカプツォーワが、一緒に動く時もリフトも多少はリードしてるのかも、と思った。こういう組み合わせは、舞台の安定に寄与しそう。

一方のニクーリナは、主役のドミトリチェンコとは、さほど上下感が少なく、双方が適度にしっかりしてて、安定したパートナーリングを見せていた。

≪ヴォルチコフ&アラシュ≫
今年見た、悪のカップル役:バラーノフ&アレクサンドロワが、歴代でもっとも淡白なペアだったが、対照的に、ヴォルチコフらは、仲良さげな役作り。アラシュは、大人の色気が無いわけじゃないが、セクシーさの質が、歴代で一番、”妻っぽい”。

音楽に合わせて、二人でわらわらと妖しく踊り、盛り上がってゆく所で、絶妙の阿吽の呼吸。相手と離れてる時も、くっついてる時も、お互いの振りに逐一反応してて、微笑ましい。けれど、それって妻とか、夫婦っぽい。アラシュは舞台降りても夫君と夫婦仲も良さそうだったし・・・。いい奥さんなのかしら、なんて、考えてしまった。

こういうクラッスス&エギナも1組位はいていいのかな、と思った。もちろん、本来はもっと毒のある役と関係性だけど。この二人は、ライモンダでも、大人の男女の愛っぽく見えたから、まあ、こんなもん?。

≪クラッスス≫定番の演舞を型通りやってる感じ。ヴォルチコフさんって、もしかしていい人なのかしら?、と思ってしまった。一通り、そつなく踊るし、演技もしてるけど、こういう役は、もっと逸脱したものを内に持ってる人の方が合ってるのかも。踊りに爆発力があれば尚良し。
見かけ男性的だが、舞踊がそんなに爆発的に男性的なタイプではないのかも?

役作りは過去のダンサーをやや踏襲して踊ってるので、自分は意外と、バラーノフで見て良かった。(独創性があったから。)

今回ヴォルチコフが一番良かったのは、インタビューでクラッスス将軍を、「狂気との境界線にいる人物」と解説してくれたこと。多少は知ってても、そこまで認識を深めてなかった。関係者でしゃべれる人へのインタビューは、批評文よりずっと大事。

≪アコスタのスパルタクス≫
(前見た時は、何でアコスタが、と思ったが、その後、イワン・ワシーリエフまで踊ってしまった今となっては、まだプロポーションもましな方だし・・。)

頑張ってるが、この役だとカメラワークが全身になりやすく、そうすると、肌が黒く、表情が分りにくくて、やや損してるかな。
1幕の殺人の後のモノローグの演技は、ムハメードフのような蜂起の動機が分る内因表現は無く、普通のストーリー紹介の「お芝居」に。泣きそうな表情も、司令官というより普通の人っぽい。

今のダンサーのレベルでは、難度の高い振りも彼なりにこなし、何かが足りず、全体に惜しい感じ。ピルエットとかも、今見ると、まあ、きれいに回ってはいるし、クラシックバレエの好きな人なら、そういう観点で面白く見れるかな?ボリショイ好きな人には、他のダンサーの刷り込みがあるからきついかも。

踊りは、ジャンプしても空間が埋まらなく見えるのは、高さはあるけど、もしかしてバロンの長さが足りないとか?と思って。もしかして、ボリショイで2年とか一定期間在籍して、この時期のアコスタが修行すれば、この辺は改善された、なんてあるかも?と思ったけど。

その後バヤデールで、ジャンプが落ちた彼を見たので、今はもしかして無理かと思うし、本人にそこまでするメリットがあるかと思うと、非現実的だろうけど。

リフトとかは、カプツォーワが居て良かった感じ。でも並びでは、欲を言えば、カプツォーワのフリギアの夫には、もっといい男が出てくれた方が、自分は嬉しい。(でも、フランスでは、ああいうのがタイプとか?別の美観があるんだろか??黒人の好きな人もいそうだし・・。)

演技は、筋骨逞しい身体を持ち、「剣奴にされる奴隷」には見える。
ただ、(イワン・ワシーリエフも共通の泣き所だけど。)そこから蜂起してローマ軍に拮抗するほどの組織力を持つ、並はずれた胆力の古代の英雄には・・。非凡な反乱軍の指導者には・・・見・え・な・い。
(史実上は、かなり現実的な力量のある、なまなかならぬ人物と推測されるらしい、スパ。)

ただ、晴れやかに、のってスパルタクスを踊ってる。お疲れさまでした、ってな。

P.S.
この後、2のムハメードフのスパルタクスを見たら、憎らしい程巧かった。あの、長く宙に浮く爽快なジャンプの時に、「さ・わ・や・か~」な表情をしたりするのが、かつて、仮想敵国での上演でも世界を席巻した秘訣かも。

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ライモンダのドラマトゥルギー

2012-03-02 00:30:46 | バレエ
今年の「ライモンダ」と、前回上演'88年の「ライモンダ」で、物語の意味する所が、少し違って見えた話を。マイナーな話です。今回のは今回ので、いいのだけど。

【前回上演の、ボリショイ来日公演の「ライモンダ」、私の見たキャスト】

ライモンダ:ミハリチェンコ
ジャン:ムハメドフ 
アブデラーマン:タランダ&A.ヴェトロフ

2公演見たけど、両方同じプリマで、もしかしたら、下記は、ミハリチェンコとタランダでしか、感じ取れない、固有の解釈だった、とか、あるかも?

'03年の改訂のアシスタントが、ベスメルトノワになっていて、もしかしたら、彼女はそういう解釈ではないのかも?、とも思ったので。

元々、「ライモンダ」は、あまり大したストーリーではない、踊りを見るバレエ、と考えられているかもしれないけど。

【ボリショイ来日公演'88年の「ライモンダ」】
たまたま、私の見たのは、女の子の心の成長物語になっていて。

1.1幕でのライモンダは、初々しい乙女。ジャンとは、定められた許婚。

2.その彼女に、ジャンが十字軍出征で去る事で、彼女は「待つ」立場になって、彼の不在をさみしいと感じる、そこから女らしい気持が生まれる。
(ミハリチェンコが、ジャンの出征後、1幕でリュートを奏でた時、遠くの席まで寂しさが伝わってきた。)

3.もう一つは、アブデラーマン、彼に、女として求められる。強く求愛されることで、女性としての気持ちを、刺激される.

その2つのことを通じて、3幕では少し、女性として成長したライモンダになってる。

(演出技法として、1幕と3幕が同じようでいて、少しだけ主人公が成長して、1幕から変化してる、という構図は、劇では時々ある。)

ジャンを待つ寂しさだけでなく、一見、お邪魔虫の横恋慕男に見えるアブデも、何割か、彼女の心の成長に影響を与えてる、というわけ。

★以前の日記に、唐十郎の演劇の話で、「観劇した時に、意味分からなくても、後から解ってもいい」という話を書いたけど、私の場合、このバレエを見て、リアルタイムで作品を解ったのでなく。自分も、その頃、恋愛関係のことをわかってる人間ではなかったので、その時は、ただ美しいプリマに魅了されてただけ。

後になってから、何かのきっかけで、突然、”そういえば、そうだ、”と自分の実体験を顧みて、思った。
女やってると、十代とかで、「君が好きだ、すきだ、好きだーッ!!!」と言ってくる男性っているもんで、で、そういう人が皆、恋人候補になるわけでもなく、私は早熟な方ではなかったので、よく意味が分らず、スルーしてた。早熟な女性は違うかもしれないけど。

で、後から思えば、そういうのも、しかるべき相手と結ばれるプロセスの水先案内みたいな役割を果たしてたりするのかもね、と。

【夢の中の人】
脱線したけど、当時のタランダの解釈は、「悪役でも、愛は清らかなものですから。」というものだった。
作品の解説では、アブデは、愛の影の部分とか、性とかの比喩みたいなことも、書いてあった。

何より、一番違ったのが、「夢」の場面の印象。
ジャンより、アブデの方が印象的だったし、舞台の上が、ほんとに夢っぽかった。

ジャンがさらっと去ってしまった後、どこから出たのか?と思うような、怪しい登場。
今年の舞台にはなかった、危険な匂い!
それがタランダの演技力の為か、それとも照明の暗さや、演出の改変の為かは???

たぶん両方。登場の瞬間、衝撃があった。

舞台見ただけでは、怪しい危険な男、と思ったけど。
それが、セクシーでもあり、誘惑でもあるのね。(私が当時まだ、そういうことまで分ってなかった。)
ああ、ほんとに夢だ!夢そのものだ!と思って、バレエで、こんな深い表現ができるなんて!と思ったのが、今年の舞台には無かった。

今年の舞台は、夢の暗い部分、怪しげなもやもやした部分が捨象され、ひたすら甘いトーン。
実際の夢は、'88年の方が、近い。これは、残念。

【ジャンとの関係】
今年のは、最初からラブラブの関係。昔のは、そこまでではなくて、1幕から3幕の間に、うら若き乙女がだんだん女として成長する、ジャンとの関係も深まる、という表現で、もっと知的な内容だった。

【グリゴローヴィチ版の夢の場面】
グリゴロ版の夢の場って独特で、私は、この「ライモンダ」の怪しい男の出てくる性的な暗示的な夢の部分も、深い芸術性に打たれた。
さらに、もっと衝撃だったのは、グリゴローヴィチ版「ロミオとジュリエット」の、3幕のジュリエットの見る夢。

怪しげな薬を飲んだジュリエットは、悪い夢にうなされる。
舞台の上は、その、彼女の見た夢の内容。
最初は、愛しいロミオが出てきて、アダージョを踊る。夢の中のロミオは、少しだけ前より大人びた表情で、とても切ない顔をしていた。彼の愛と、彼らの先行きを暗示するように。
そして、ロミオが行ってしまい、ジュリエットがそちらを向くと、入れ替わりに、ロミオに殺されたティボルトが、赤い布を被って、ジュリエットを脅かすように踊りながら近づいてくる。

―ティボルトは、自分を殺したロミオと結ばれたいとこのジュリエットを、あの世で恨んでいる事だろう・・・。

ふっと思った。

この場面は、原作の戯曲になく、グリゴローヴィチの創作。けれど、服薬した後のジュリエットが、薬による不快な眠りの時に、いかにも見そうな夢。

”ほんとうに、実際の夢ってこんな感じだな、”と、舞台を見ながら、ひたすら感じ入っておりました。

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